ビーフシチュー




    さて今回は『ビーフシチュー』です。パッケージを開封すると、主食である白ご飯×2とビーフシチュー、あと海苔の
   レトルトが出て来ました。うーん、ビーフシチューに海苔?これまた妙な組み合わせですね。U型も改良版になって
   以来、副食の数が減ってやや寂しくなりましたが、何でもいいから数を増やせばいいというものでもないような気がす
   るなあ。

    それにしても、メインであるビーフシチューのレトルトがやけにデカイです。確認してみると、内容量が240gとなか
   なかのボリュームで、豚角煮の200g、とり野菜煮の220gと比べてもかなり食べ応えがありそう。
    取り合わせに若干の不安と疑問を感じますが、とりあえず温めてみましょう。






    しっかりと温めたビーフシチューを開封し、皿にあけます。牛肉はかなり大きくゴロゴロで、野菜もその名に恥じない
   大ぶりなカット。
おお、これは美味しそうだなあ。スープの量もたっぷりなので具の大きさが目立ちませんが、少し取り
   除いてみるとこの通り。濃厚そうな照りもあって、かなり食欲を刺激する見た目になりました。
    これにパスタやブロッコリーを添えて、ちょっと洒落たシチュー皿に盛りつければ、とてもではありませんが戦闘糧食
   には見えそうにありません。米軍MREのビーフシチューとは比べ物にならない位に見た目が美味しそうなのは、ちょ
   っと嬉しくも誇らしいなあ。
    ワクワクしながら一口。んん〜、何だか妙に甘いビーフシチューです。牛肉のコク、野菜のエキスがしっかりと効いて
   いてなかなか美味しいのですが、この不思議な甘さがビミョーな感じだなあ。何と言うか…そう、小学校の給食で出て
   来そうな味
なんですよね。

    まあこれはこれでアリな甘さだとは思いますが、白ご飯と組み合わせるとなると、この甘さがちょっと邪魔な様な気が
   します。塩味の効いたクラッカーとならよく合うと思いますが、敢えて白ご飯と組み合わせたいのなら、もうちょっと醤油
   かウスターソースを隠し味に効かせた方が、より美味しく頂けるような気がしますね。

    その反面、この具の堂々たるボリュームには嬉しくなります。まるで相撲部屋のお昼寝タイムの如き威容です。牛肉
   は長さ6p程のバラ肉の乱切りが3つ、まさにゴゴゴゴゴゴと効果音を纏いながら寝そべっています。フチには
   ちゃんと脂肪層がついていて、赤身の旨みと脂肪の旨みの両方が味わえるのはポイントが高いなあ。
    野菜はこれまたゴロゴロのジャガイモが激しく自己主張をしていて、ニンジンはかなり煮崩れてはいますが、独特の
   香りと甘さをしっかりと残しています。
    ん?この丸っこいのは何だろうと見てみると、おお、マッシュルームでした。そもそもマッシュルームにどれ位の栄養
   があるのかは分かりませんが、これがあるのと無いのとでは、見た目の美味しさが全然違います。栄養価だけでなく、
   食事としても満足度も高めようという自衛隊側の努力の跡が垣間見え、これはお見事。


    最初はこの甘さに少々違和感を覚えましたが、食べ進んでいくうちにあまり気にならなくなりました。元々の味自体が
   しっかりしているのも大きいですが、やはり戦闘糧食と言えど、見た目の美味しさというのは大事なんだなあ…と、しみ
   じみ実感しました。
    海苔はレトルトパックのお陰でこの上なくパリパリで、キツイ塩気が白ご飯に合う一品となっています。単品で食べる
   とちょっと喉が渇くほどの塩味ですが、なるほどこの甘めのビーフシチューと組み合わせると、ちゃんと味のバランスが
   取れているんですね。
いやはや、御見それしました。さんまピリ辛煮&コーンスープの悪夢の再現かと少し構えていた
   のですが、食べてみるとこの組み合わせには納得がいきました。


    味のバランス、栄養のバランス、腹にドスンと来る食べ応え…それぞれが実に高いバランスで釣り合った上に、
   た目の美味しさ
まできっちりと兼ね備えた、非常によく出来た戦闘糧食だと言えます。
    U型改良版の中では、ハヤシハンバーグと並んで西と東の大横綱を張る事の出来る、パワフルな実力派メニュー
   でした。




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