それでは朝食です。缶詰中心に選んだせいか、随分カラフルな印象だなあ。まずはUbrousek hygienický
osvěžující(ウェットティッシュ)で手を清めますが、あまりに香料が強すぎて一瞬呼吸が止まってしまいまし
た。拭いた手は猛烈なニオイを発し、なんだかトイレ消臭剤をセットしようとして誤って中の液体をこぼして
しまった時の気分。スタートからげんなりさせられます。
気をとりなおして粉末のMultivitaminový nápoj(マルチビタミン飲料)をカップにあけますが、このツン
と鼻をつく酸っぱい香り・・・いかにもビタミンがたっぷり摂れそうです。溶かす水の量が指定されていなか
ったので、とりあえずカップ一杯分の水を注いでみましたが、固まった粉末がなかなか溶けてくれません。特
に湿気ていた訳ではありませんが、まるで岩塩の欠片を水に溶かそうとしているみたい。
スプーンの先で突き崩してどうにか出来上がったマルチビタミン飲料は、うっすら濁ったレモン色。一口飲
んでみると、おお、これはイケますよ!昔あったレモン味のアクエリアスに似た味わいで、朝からすっきり目
が覚める感じ。薄め具合もちょうどよく、一品目から上々の滑り出しです。試合開始早々に一番バッターがセ
ンター前に弾き返した様な期待感が膨らみます。
続いてはČaj porcovaný(お茶のティーバッグ)。お湯を注いでしばらく待ちますが、うーん・・・色こそ
紅茶っぽいものの、香りらしい香りは殆どなし。イギリス軍の兵士が見たら激怒しそうな紅茶ですが、あっち
はあっちで早々にティーバッグを諦めて顆粒のフリーズドライ紅茶になってますからね。あまり偉そうなこと
は言えないか。
次はSterilovaná zelenina。直訳すると野菜の缶詰で、民生品ならではのど派手な色彩感覚が際立ちます。
いわゆるミックスベジタブルの模様ですが、よく見るとラベルにMEXICOと大書きされていました。へー、
チェコ軍の糧食にメキシコの缶詰が入っているとは。世界は広いんだか狭いんだか(笑)。
このカラフルなラベルに魅かれて朝食に抜擢したのですが、中から出てきたのはこれ。入っているのはコー
ンとえんどう豆?全体が煤けた赤茶色に薄っすらと染まり、なんかすっごく美味しくなさそう・・・。パッケ
ージと全然違う(泣)!
しかしなんでまたこんな不気味な色なんだろう・・・と思いながらよく見ると、何か赤っぽい切れ端が入っ
ていますよ。これは赤唐辛子・・・いや、赤パプリカか。なるほど、パプリカの赤色素が溶け出てしまったの
か。
確かにパプリカはビタミン豊富で栄養価に優れた野菜ですが、これならニンジンを入れた方がよっぽど美味
しそうだと思うのですが・・・とボヤきながら一口食べてみますが、ん?あれ?見た目に反して結構美味しい
なあ。色こそ悪いものの、コーンもえんどう豆も素材の味をしっかりと残しています。
パプリカの存在感は殆どなく、やっぱりダイスカットのニンジンにした方がよかったですが、戦闘糧食でこ
れだけまとまった量の野菜は珍しいなあ。カロリーや腹持ちが問われがちですが、やはり野菜をしっかり摂れ
る安心感は有難い。朝から一日の胃腸のコンディションを保証された様な安心感があります。
あと、ミックスベジタブル特有の妙なニオイがないのも好印象。あれは野菜のニオイではなく、冷凍臭だっ
たんでしょう。
次はTuňák v oleji(ツナのオイル漬け)。これも民生品らしいカラフルなパッケージですが、ツナ缶をわざ
わざ紙箱に入れてあるのが不思議な感じ。日本でもお酒の肴の様な高めの缶詰は箱に入っていますが、単価が
安くコストをかけづらいツナ缶をここまで飾るのは見たことがありません。
もっともこれは、国土が海に面していないチェコならではの事情かも。最近は流通の発達で昔よりも輸入物
の新鮮な魚介類が手に入りやすくなったそうですが、いくらでも手に入る肉類とは違い、缶詰とはいえ魚介類
の扱いは別格なのかも。
という訳でパッカンしたツナ缶。表面を植物油がとろりと覆っていて、食べ応えがありそう。最近のツナ缶
は水煮ばかりなので、このどっぷりひたひたの油の海が懐かしい気がします。
味はまあ・・・ツナの油漬け以上でも以下でもないごく普通のツナ缶でしたが、水煮とは違った油漬けなら
ではのコクを楽しめます。ほのかな塩味もちょうどいい塩梅で、素っ気なくも飽きのこないこの味わい。水煮
はマヨネーズと合わせたくなりますが、油漬けはこのまんまの方がじんわり美味しく頂けました。
アルミギラギラパッケージに包まれているのは、Křehké plátky kukuñčné s vlákninou(小麦とコーンの
クリスプブレッド)。一応主食にあたると思われる、ウエハースみたいな軽いパンです。口当たりはサクサク
のスハスハで、まるで泡を固めた様。味は塩気のないポップコーンみたいで、くしゃりと噛み潰すと臼歯の凹
んだところに貼りつくこの感じは、同じくとうもろこしを原料とした明治製菓のカールを思い出します。
一枚のサイズは114×52×4㎜と結構な大きさで、これが6枚もあるのでかなりの食べ応えに思えます
が、なにぶん泡の塊というか押し潰したら消しゴムよりも小さくなりそうな密度の低さなので、あっという間
に食べてしまいます。
とにかく軽く頼りない奴ですが、それぞれに独立した個性であるツナ缶やベジタブル缶、ビタミンドリンク、
紅茶達の隙間をうまく埋めている感があり、全体を一つにまとめる役割は果たしているのが面白い。まず主食
である白ご飯が真ん中にあって、その周囲に様々な副食たちを従える日本食とは全然違いますね。
このサクサクのコーンクリスプブレッドは、JAM porcovaný(イチゴのジャム)で頂きます。それにしても
この、開き直った様な甘さには閉口しますね。イチゴらしい風味は殆どなく、まるでかき氷のイチゴシロップ
を固めた様な味わい。タネ独特のツブツブ感とヒゲヒゲ感が全くないのも、ニセモノ臭く感じる理由でしょう。
ただ、このニセモノくさいイチゴジャムが軽薄極まりないコーンクリスプブレッドと組み合わさると、急に
懐かし駄菓子テイストになるのが面白い。国防を担う兵隊さんのご飯が駄菓子ってのはどうなんだろう・・・
という気がしますが、これはこれで面白いからアリですね。
以上、チェコ軍戦闘糧食朝食の試食でした。気体のようなコーンクリスプブレッド、素朴極まるツナ缶、そ
のまんまなミックスベジタブル缶、そして爽やかなビタミンドリンク。味的な物足りなさは正直ありましたが、
どれも胃腸の負担は少なくさらりと口に入るという意味で、なかなか充実した理想的な朝食でした。
なんというか、朝から音楽を聴きながらの海沿いのジョギングで爽やかな汗をかいたあと、シャワーでさっ
ぱりするのが日課のカリフォルニアのロハスな人が喜びそうな朝ごはん・・・みたいなイメージ。でもこれ、
チェコの糧食なんですよねえ。うーん・・・。
軽いながらも満足感はあり、おまけに私の変なイマジネーションまでしっかりとくすぐってくれた、なかな
かに面白い朝食でありました。
続いて昼食。まずはInstantní nápoj ovocný(インスタントフルーツドリンク)から。これもパッケージ内
部で半分ぐらい固まっていたので、しっかりと砕いてから1ℓの冷水で溶かします。淡い黄色がなかなかキレ
イで、朝と同じくレモン系なのかな?
まずは一口飲んでみますが、ほほう、これは美味しい!レモンというより温州みかんに近いテイストで、甘
さは優しく酸味も穏やか。香りもふわりと軽い感じで、これは日本人にも受けるだろうなあ。陸自の非常用糧
食にもぜひ採用してほしい、心の底からホッとする味わいでした。
続いては、いきなりメインのSlepice na smetanĕ s tĕstovinami(クリームチキンのパスタ)。温めたアル
ミパックを慎重に開封すると、ソースで固まったショートパスタと鶏肉の塊が出て来ました。全体がくすんだ
オレンジ色に染まり、なかなか美味しそう。
パスタを潰さないようにざっくり混ぜほぐすと、こんな感じになりました。パスタはバネみたいなネリネリ
のフジッリで、鶏肉もけっこう大きいなあ。なんとも形容しがたい不思議な香りが漂いますが、まずは一口頂
いてみましょう。
ほほう、これはこれは・・・基本クリームソースですが、かすかにトマトの風味も感じられます。そこにさ
っぱりと力強い鶏もも肉の旨味も加わって、食べ応えのある濃厚な味になっています。例えるなら、ウニの香
りがしないウニクリームソース・・・かな。
鶏もも肉は全体をほぐす途中でいくつかに分裂してしまいましたが、それでも十分なゴロゴロ感があって頼
もしい。ソースとの絡みがいいフジッリのお陰もあり、結構な食べ応えを誇っています。
しかしこのクリームチキンのパスタ、最初はまろやかな味と思っていましたが、食べ進むうちに意外な塩気
が感じられます。何かに似てる味だな・・・と思ったら、アレですアレ!米軍のMREによく入っているチェ
ダーチーズスプレッド!あれを生クリームでのばしてトマトペーストと合わせると、こんな味になると思いま
す。鮮度がいいチェダーチーズスプレッドが手に入ったら、ぜひ試してみたいなあ。
ちなみにこのメインのアルミパック、外箱の説明書きには10分間湯煎で温めろと書いてありますが、非常
時には稼働中のエンジンや兵器に乗せて温めろともありました。いかにも戦闘糧食らしい、豪快な温め方です
ね。糧食を温めたいから戦車砲一発いっとけ!なんて事もあるのでしょうか(笑)。
続いては丸いアルミパックに入ったPaštika Svačinka(パテのスナック)を開けてみます。恐らくスイーツ
の類と思われますが・・・あれ?なんだこりゃ?これって・・・ポークパテ?
ドイツ軍戦闘糧食にもこれと同じ丸いアルミパックが入っていて中身がスイーツだったし、名前がスナック
なのでこれもお菓子と思っていたのに、まさかポークパテだったとは驚きです。いやあ、これをおやつに回さ
なくてよかった。紅茶とチョコとポークパテという、かなりエグい3時のお茶になるところでした(笑)。
とりあえず一口食べてみますが、うん、なかなか自然な味わいですね。みっちり固まったパテはかなりの絹
練りで、室温にしばらく置いたバターみたいな口当たりです。しかしこのポークパテ・・・なんというかその、
すごく豚くさいです。悪い味ではありませんが、この豚ひき肉のパックを開けた時の香り・・・あまりに生豚
肉そのもの過ぎて、ちょっと評価が分かれそうだなあ。
脂肪分が多く滑らかなパテを目を閉じて食べていると、なんだかラードの塊が口の中にある様な気分。豚肉
の自然な甘みはありますが、もうちょっとニオイ消しのハーブや香辛料を入れてもよかったんじゃ・・・。
そしてこのポークパテ、見た目以上に量があります。さらにこの生々しい豚肉くささのお陰で、半分食べた
あたりからどんどんツラくなってきた・・・。なんなんだろう、この味・・・ハーゲンダッツ生豚肉味があれ
ば、こんな感じなのかなあ・・・。
想像したらさらに気持ち悪くなってきたので、調子を変えるべくKřehké plátky svĕtlé(ライトクリスプブ
レッド)を開封。翻訳サイトにかけてもよく分からなかったのですが、朝食べたコーンクリスプブレッドの小
麦版だと思われます。
これも泡を固めたみたいな頼りない口当たりですが、独特のサクサクスハスハ感がねっちりしたポークパテ
と好相性。ああ、最初からこうして食べればよかったのか(笑)。
もう一枚のライトクリスプブレッドはMed(はちみつ)で頂きますが、冬場の低温で完全に結晶化していま
すね。お陰で食感はざりざり&ザクザクですが、安物はちみつ独特のあからさまに品のない味わいが、溢れる
豚臭さを誇るポークパテの後だと妙に好ましく感じられるのが不思議でした。
最後はČokoláda hořká(ビターチョコレート)。口当たりはぱきぱきと固く、口の中ではもくもく。滑らか
さに欠けるミルクチョコですが、これは戦闘糧食では仕方ない事。普通のチョコだとあっという間に溶けて変
質してしまうのでしょう。それにしても、このチョコもどこかの糧食で食べた気が・・・はっきり思い出せま
せんが、ドイツ軍だったかな?
いやはや、クリームチキンのパスタの感動とポークパテのキツさというデコボコの揺れ幅に、大きく振り回
された昼食でした。それにしてもクリームチキンのパスタはほんと美味しかったなあ。機会があれば、ちゃん
としたお店でちゃんとした料理人が作った同じものを食べてみたい気がします。
あと、やっぱりポークパテですね(笑)。素朴なのに全然ホッとできない味ってのもあるんだなあ・・・。
一方で、そんなポークパテを美味しく食べさせたライトクリスプブレッドの実力がキラリと光りました。枯れ
木みたいな軽くて頼りない奴と思っていた事を、心の底から謝りたい気分。
それにしても面白いコンビですね、ポークパテとライトクリスプブレッド。まるでくるよちゃんの隣にいく
よちゃんが来たような、ワンセットの安心感がありました。くるよちゃん・・・もといポークパテが、
「やっぱりウチの相方はアンタしかおらんわ!」
とお腹をパンパン叩きながら豪快に笑っている光景が脳裏に浮かんだ昼食でありました。
その後は間食。Čokoláda hořká(ビターチョコレート)とŽvýkačka(チューインガム)、Kávový extract
(粉末コーヒー)とCukr porcovaný(砂糖)です。ビターチョコとコーヒーは朝食べたものと同じ。長期保存
のもくもくチョコですが、甘さ控えめなぶんだけ市販品のものよりも食べやすく感じます。コーヒーもコスト
ありきの安物ですが、本当に美味しい淹れたてコーヒーは休暇のお楽しみ・・・というモチベーションの持ち
方もアリだと思います。
チューインガムは、よくあるミントテイストの粒ガム。これも非常に安っぽい味わいで、歯磨き粉に白砂糖
をまぶしたら全く同じ味になりそうでした。
最後は夕食。Křehké plátky svĕtlé(ライトクリスプブレッド)もJAM porcovaný(イチゴのジャム)もČaj
porcovaný(お茶のティーバッグ)も朝昼で食べた味なので、いきなりZadĕlávané fazolky s vepř. masem
(豚肉と豆のフリカッセ)から行っちゃいましょう。
しっかりと温めたアルミパックを開封すると、昼食のクリームチキンのパスタにそっくりな暗い薄オレンジ
色のソースがタプタプに入っていました。スプーンで掘り起こしてみると、おお、結構大きな豚肉の塊が出て
きましたよ。あとインゲン豆もたくさん入っていますが、色が白っぽかったので最初はマカロニかと思ってし
まいました。とりあえず一口頂いてみましょう。
んん〜?これも・・・トマトクリーム味?微妙に違うかもしれませんが、昼のチキンクリームパスタと同系
統の味ですね。メインパックを二つ入れるなら全く違う味にしてほしかったですが、醤油味が続いても日本人
は何とも思わない様に、これはチェコ人にとっては大安心の定番の味なのかな?
大きな豚肉が濃厚なソースで煮込まれているので、まろやかながらも味は結構強いですが、中身の半分以上
がいんげん豆なので意外と軽く入るのがいいなあ。朝食べたミックスベジタブル缶もそうでしたが、チェコ軍
戦闘糧食は野菜の充実度が売りなのかな。戦闘糧食は腹持ちをよくなるように作られているので、連食すると
便秘になりやすい(真偽のほどは不明です)と聞いた事があるのですが、これだけ野菜が多いとむしろ普段よ
りも健康になれそうな気がします(笑)。
その豚肉と豆のフリカッセですが、食べている途中から不思議な金属臭が気になりました。ほんの僅かです
が、まるでアルミホイルを直舐めしたみたいな後味が舌に残るんですよね。アルミパックが傷んでいるのかと
思いましたが、特に異常なし。インゲン豆は煮込みすぎると特有のにおいが出るので、それが長期保存の間に
こんなニオイに変質したのかなあ。
煮込みの味自体は美味しいのに・・・と思いながら昼の残りのライトクリスプブレッドをひと齧りすると、
あれっ?急に金属臭いニオイが消えましたよ?軽薄極まりないライトクリスプブレッドですが、内部の大量の
気泡に含まれた紙繊維っぽいスハスハした気体が、余計な金属臭を分解したみたいな感じ。
そして単品で食べていた時はあまり感じられなかった小麦らしいほのかな甘みが立ち昇り、ああ、これはこ
うして二つを一緒に食べてこそ生きる味ですね。消臭剤だったのかライトクリスプブレッドは(笑)!
あっ、しまった。豚肉と豆のフリカッセとの相性の良さに感動するあまり、ライトクリスプブレッドを4枚
とも食べきってしまいました。ぽつんと取り残されたJAM porcovaný(イチゴのジャム)をどうしよう・・・。
あ、そうだ、紅茶に入れてロシアンティーにしちゃえ!
という訳で成り行きで作ったロシアンティーですが、安物の紅茶に安物のイチゴジャムが合わさって、これ
も予想外の美味しさになっているのが笑ってしまいます。粉末の駄菓子ジュースというか、子供用いちご紅茶
みたいなチープな満足感。紅茶とジャムのどちらかが高級品だったら、この見事なバランスにはならなかった
だろうなあ・・・。全く愉快な夕食であります。
最後は昼に作ったInstantní nápoj ovocný(インスタントフルーツドリンク)で締め。一日を締めくくる夕
食としてはやや落ち着きに欠けましたが、最後はこの温州みかんっぽいさっぱりドリンクに上手にまとめても
らえました。
それにしても金属臭とスハスハ感、そしてイチゴジャムと安物紅茶と、組み合わせの重要さというものをつ
くづく思い知らされたチェコ軍戦闘糧食でしたね。とは言えそんなチェコが、様々な理由からスロバキアとケ
ンカ別れしてしまったというのが皮肉な話です。まるで
「俺から学べよ、この若造が・・・」
と、ジョッキのビールをぐいぐい呷るチェコ親父の寂し気な横顔が瞼に浮かぶ様でした。
しかしやはり気になったのはあの金属臭。いんげん豆ではなく大豆にすれば、もっと食べやすかったんじゃ
ないかと思いますが、その金属臭さは古くから工業国として発展したチェコの印象とも微妙に重なって見える
のが面白いところ。
大きな音を立てて機械が動いているチェコの下町の鉄工所。昼休みになると太い腕の工員達がどやどやと食
堂にやってきて、大皿に盛られた煮込み料理をわしわしとかき込んでいるイメージが浮かびます。男の汗臭さ
と工場の埃っぽさ、機械のオイル臭、加工される金属臭。そして食堂内に響きわたる、チェコ親父達の豪快な
笑い声・・・。
あともう一つ。やっぱり必要ですよね、チェコ軍戦闘糧食にはビールが(笑)!どこかの国の糧食レポでも
書いた気がしますが、作ろうと思えば難しくないと思うんですよ、粉末を溶かすだけのノンアルコールのビー
ルテイスト飲料って。
戦闘糧食に食前酒を入れるのはイタリア軍がすでに通った道ですが、粉末ビール採用一番乗りは果たしてど
こになるのか。それはやっぱりお前がやるべきだろ・・・と、食べ終えたパッケージに向かってハッパをかけ
てしまったチェコ軍戦闘糧食試食レポでありました。
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