2012.07.16
兵庫県姫路港で行われた、護衛艦はるゆきの一般公開に参加してまいりました。当日の一般公開は姫路ふれあい
フェスティバルという大きなお祭りの一環として行われていて、風雨に泣かされた昨年とは違って今年は海の日に相応
しい快晴に恵まれ、気温は朝から既に30℃を越えています。
本日の一般公開が行われるDD128護衛艦はるゆきは、護衛艦の中でも私の一番のお気に入りであるはつゆき型
護衛艦の7番艦。はるばる佐世保地方隊からの参加であります。
それにしてもはつゆき型はいつ見ても美しいなあ。マストを頂点として、上部構造物がキレイに富士山の形に纏まっ
ている所なんか、まさに日本人の美意識そのものですね。2950dという今となってはやや小さな体に、対空、対艦、
対潜各種兵装を盛り込んであるところも、体格の小さな高校球児がパワー負けしない様にてんこ盛りのどんぶり飯を
かき込んでいる様で、その力強さと愛嬌が何とも言えないなあ。
背後に丸い煙突を背負った、ちょっと低めの艦橋が愛
らしいはつゆき型護衛艦。重武装っぷりとのギャップも、
たまらんものがあります。
両ウイングに配置されたファランクスの白いレーダード
ームも、映画『八ツ墓村』に出ていた2本の懐中電灯を
鉢巻きに差した犯人みたいでカッコイイなあ。
前甲板には既に長蛇の列が。一般公開開始時刻であ
る10:00よりも余裕を持って現着したのですが、09:00か
らに繰り上がっていた模様です。
近年の海自イベントの人気っぷりには驚かされるもの
がありますが、こうして関心を持った人が増えるのは喜
ばしい事であります。
はるゆき舷梯。沢山のベビーカーが並んでいましたが、
3連休最終日の海の日という事で、家族連れの姿が目
立ちました。
私も舷門の隊員さんの敬礼を受けつつ、いそいそとは
るゆきに乗艦です。
いきなり目に飛び込んで来たのが、なんだかもの凄い
ポーズを強いられている溺者救助訓練用の人形。
ぱっと見は分かりづらいのですが、腰から二つ折りに
された挙句、頭を下にして縛り付けられています。
普通は担架と一緒にして直立姿勢で固縛されている事
が殆どなのですが、一体どういうプレイだったんでしょう。
何というか、見てはならないものを見てしまった様な気
が・・・(笑)。
艦首の76o速射砲は、後部ハッチを開放して中を覗
ける様になっています。
ちなみに艦首に沿ってぐるっと人の列が出来ていて、
どうやら艦橋へ上がる為の順番待ちらしいのですが、な
かなか行列が消化する気配がなかったので艦橋の見学
は放棄する事に。
はつゆき型の艦内は何度も見ていますし、こんな所で
時間を潰すよりあちこち歩き回って隊員さんにお話を伺
う方が、私的には好きですね。
艦首の76o速射砲周囲の甲板には、沢山の丸い傷が
出来ています。まるで巨大な吸盤をもつ深海イカと戦った
跡の様ですが、隊員さんに尋ねてみると、
「あ、これは砲身の真下から吐き出される薬莢が、甲板
にぶつかって出来る傷なんですよ」
との事。この傷は左右舷側に集中していて、艦首正面
方向には見られませんでした。艦首に向けて発射する事
は殆ど無いそうです。
艦橋基部にあるアスロック弾庫のフタの部分です。発
射してカラになった発射機に対して、この部分が開いて
次のアスロックを全自動で装填します。
ゴツいヒンジと重そうなフタですが、よく見るとまるで接
着したみたいにペンキで塗り固められています。これで
も問題なく動くそうです。
ちなみにアスロックを発射すると、この辺り一帯はロケ
ットモーターの噴射で丸焦げになってしまうので、すぐに
グラインダーで煤を削り落してペンキを塗り替えるとの事。
ついこの間実射訓練を行ったばかりだそうで、ペンキも
ツヤツヤでした。
艦中央からやや後ろ寄りにある、左右舷側を繋ぐ通路。
この真上が格納庫ですね。
はつゆき型は舷側の甲板の一層上に飛行甲板を背負
う形になっているので、舷側通路のある第一甲板には屋
根のあるスペースが多く、特にこの部分は風が通りやす
いので真夏の体験航海などでは癒しスポットになっており
ます。
太い竹には沢山のロープが結んであり、ここでロープ結
索体験が行われる模様。
艦尾三段甲板の二段目にある、シースパロー発射機。
カバーの部分には国旗と自衛艦旗が描かれていました。
ここも貴重な日陰スポットなので、涼んでいる人が沢山
います(笑)。
発射後を模した割れたカバーの奥には、装填された訓
練弾の弾頭が覗いています。カバー自体はかなりぶ厚く
頑丈なのですが、発射時は景気よく粉々になってしまうと
の事。
会場周辺海域を行き来する警備艇には、水兵姿のは
ばタンが描かれていました。はばタンは兵庫県のマスコ
ットキャラクターで、姫路や青野原など兵庫県内の各駐
屯地でも、迷彩服姿で愛嬌を振りまいているのでお馴染
みです。
また海上保安庁からも巡視船が参加していて、放水展
示を行って一服の涼を添えていました。
艦尾のシースパロー甲板から、飛行甲板へ。垂直に近
いかなり急なラッタルなので、慣れない子供やお年寄りが
恐々としがみつくようにして上っています。
飛行甲板に展示されているSH−60J哨戒ヘリ。長崎
県大村航空基地に所在する第22航空隊からの参加で
す。
コックピットと後部キャビンが開放され、沢山の人達が
珍しそうに内部を見学していました。
はるゆきの乗組員の人達もそうですが、22航空隊の
人達は気さくで親切ですね。私のつたない質問にも、分
かりやすく丁寧に答えて頂きました。
格納庫内に展示してあった耐火服一式。あまりの暑さ
にへこたれているみたいなのがご愛嬌。
格納庫に収納してある耐火服の隣には瞬間冷却スプ
レー缶が置いてありましたが、そりゃ手放せないでしょう
ねえ。
でもあれって、確か可燃性ガスだったんでは・・・(笑)。
格納庫内にあった応急灯。新造艦のものは白色LED
を60個も奮発した強烈に明るいシロモノですが、はつゆ
き型は豆球を使用したレトロなもの。
塗装の剥げたところには錆が浮いていて、何とも味わ
い深い佇まいです。
このイベントには海自だけではなく空自と陸自も参加し
ていて、空自からはペトリオット発射機が、陸自からは化
学防護車と81式短距離地対空誘導弾がやって来て展
示を行っていました。
飛行甲板に半埋め込み式になっているLSO内部。ここ
に詰める隊員さんが、ヘリの発着艦管制を行います。ま
るで水槽の様な全面ガラス張りなので、今日みたいな暑
い日は大変そうだなあ。
なお天井部分からぶら下がっているロープの真下が艦
内に通じるハッチになっていて、甲板上で火災や事故が
発生した際は、ハッチを開けてロープ伝いに艦内へ避難
するとの事。
以上ではるゆきの見学は終了。あまりに人の多さに艦
内見学を諦めてしまったのは残念でしたが、また次回の
お楽しみ・・・という事にしておきましょう。
午前の一般公開時間終了直前になっても沢山の人が
つめかけていて、はるゆきの皆さんはちゃんとお昼ご飯
を食べる事が出来たのか心配でした。
さて私はこの後、臨港公園のイベント広場に展開して
いる屋台へ向かいます♪
例によって朝食を抜いて来たので、腹が減って倒れそ
うであります。
お昼が近い事もあって屋台広場は大賑わいでしたが、
まずはご当地グルメ、姫路コロコロ焼きそばです。豚肉
とキャベツがたっぷり入った焼きそばに、柔らかく煮込ん
だスジ肉とコンニャクが盛られ、味、ボリューム共にお見
事な一品。
唐辛子のピリ辛が効いた甘口のソースも麺にしっかり
と絡んでいて、これで400円は破格の安さです。
ただ、麺が細切れなのはちょっと微妙ですが、お年寄
りや子供には、こちらの方が食べやすいんでしょうね。
姫路駐屯地の焼きそばも文句なしの美味さですし、本
当に姫路は焼きそばのレベルが高いなあ・・・。
続いてはこれもご当地もの、姫路バーガーです。甘辛く
煮込んだ地物のアナゴを、きんぴらゴボウと一緒にご飯で
はさんであるのですが、ご飯が今ひとつバンズらしくないの
で、バーガーというよりもおにぎりですね(笑)。
一つ500円とやや高めではありますが、地物のアナゴは
柔らかいのにしっかりとした歯応えがあり、ゴボウとニンジ
ンの香りもよく合って実に美味でした。
実はもう一品、姫路餃子なるものも食べてみたのですが、
まあ普通の餃子でしたね(笑)。
屋台広場中央ではヒーローショーが開催されていて、沢
山の子供達が熱い視線を送っています。うーん、こんなの
を見たのは、がんばれロボコンショー以来かな?
そういう意味ではなかなか感慨深かったのですが、私的
には2010年の福知山駐屯地で見てしまった福知山ミュ
ージカルの方が好みですね。
当日の様子はイベントレポートで詳しく書いたので、一応
リンクを設定しておきますが、正直あまりお勧めできない
ので見ない方がいいですよ。
いいか、見るなよ!絶対に見るなよ!(ダチョウ的に)
以上、7月の酷暑に耐えながらの護衛艦はるゆき一般公開でした。熱射病にならない様に、ちびちびと水分を補給し
ながらのイベント参加でしたが、帰りの高速道路で運転中にいきなり足がつってしまうというハプニングに襲われ、危うく
エライ事になる所でした。
その現場がちょうど中国自動車道と山陽自動車道が合流する交通量の多い場所であり、おまけに携帯のメールまで
ぴりぴりと鳴りだしたので、まさに警報音が鳴り響くコックピットの中で、制御を失った機体を必死にコントロールしようと
している戦闘機乗りの気分を満喫してしまいましたね。
とっさに「ロシア語で考えるんだ!」というフレーズが頭に浮かんだので、まだ余裕はあったのだと思いますが、皆様も
この時期のイベント参加では、くれぐれも熱中症にお気をつけ下さい。
よく考えたら、前日は炎天下で丸1日汗だくになって片づけ事をしていたので、極めて熱中症に掛かりやすいコンディ
ションだったんですよね。全くもって油断大敵であります。
その後サービスエリアでつった足のストレッチを行いつつメールを確認すると、当HPでいつもお世話になっている富山
県のH.N.艦長さんからで、
「暑いので熱中症に気をつけられたし」
との内容でした(笑)。
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