福知山駐屯地創立60周年記念行事

2010.10.31



    京都府福知山市で行われた、福知山駐屯地創立記念行事に参加して来ました。福知山駐屯地には第7普通科連隊を中
   心に、第3後方支援連隊第2整備中隊第1普通科連隊直接支援中隊第349会計隊第318基地通信中隊派遣隊
   131地区警務隊派遣隊
駐屯地業務隊が所在し、若狭湾の原子力発電所群海自舞鶴基地という重要拠点に近い駐屯
   地であります。
    自宅のある大阪市内から、舞鶴自動車道の福知山ICまでは車で約1時間。福知山と言えば随分遠い様な気がしましたが、
   行ってみると意外と近かったので驚き
です。国道9号線から駐屯地へ向かう道を見落として少し迷ってしまいましたが、どうに
   か当日の臨時駐車場であるハローワークの空き地に到着。シャトルバスに乗り込んで式典会場であるグラウンドに向かいま
   す。
    式典会場は何の変哲もない住宅街のまんなかにある普通のグラウンドで、周囲を塀や柵で囲っていないので実に開けっぴ
   ろげ。
何も知らなければ、大学かなにかのグラウンドかと勘違いしてしまいそうです。
    ちなみにこの福知山駐屯地、どうやら式典の行われるグラウンドと、屋台や装備品を展示してある駐屯地敷地は随分と離
   れているみたいで、屋台グルメの為に朝食を抜いてきた私にとっては、ちょっと辛いなあ。既にかなり空腹なんですが(泣)。
   時刻は9時を過ぎ、式典会場には既に沢山の人が詰めかけていました。


    それにしても式典会場はドロドロで酷い事になっています。昨日まで台風14号が接近していたので無理はありません。とは
   言え、車輛の行進や展示訓練での砂埃が立たないのは有り難いですし、泥を跳ね上げて走る車輛というのもいい演出になり
   ますね。今日は意識的にシャッター速度を高めにして撮影してみようかなあ。
    式典会場ですが、基本的に一般席は招待席の後方なので、会場右手のロープ際に陣取ります。会場中央まではちょっと距
   離がありますが、訓練展示では対抗部隊のすぐ横の位置になるので、後半以降の見せ場を撮影するのに有利かも。ロープ際
   の場所は僅かしかありませんが、背後は大きな土手状の坂になっていて、どこからでも式典を見る事が出来そうです。 
    さて、式典が始まるまで、少し会場内を歩いてみます。しかし何だか、やけに海自の制服の人がウロウロしています。よく見
   ると会場の隣の広場には沢山の黒の冬服の隊員さんが整列していて、足元には64式小銃がずらりと並んでいます。ドリルで
   もやるのかな?隣に居た海自の幹部の方に尋ねてみると、
    「はい、式典のために舞鶴の教育隊から来ました。今日は空自の人達も来てるみたいで、福知山では初めての試みだそうで
   すよ」 

    ああ、そう言えば、舞鶴までは目と鼻の先でしたね。ここのところ陸自イベントに海自のSH−60Jが姿を見せる事が多いです
   し、現場の人達は本来の任務以外の仕事が増えて大変だなあ。


    その後はトイレを済ませたりウロウロと会場内を見て回ったりしているうちに、いよいよ式典開始時刻。まずは第3音楽隊
   先頭を切って入場してきますが、あれ?よく見ると、いつものパリッとした礼装姿ではなく戦闘服での行進です。やっぱり足元
   がドロドロだからなのかな?
    続いては、福知山に駐屯する第7普通科連隊を中心とした部隊が続々と入場。場内アナウンスで各部隊の紹介が行われま
   すが、スピーカーからかなり離れた場所にいる所為か、何を言っているのか全く聞き取れず。


    続いては観閲部隊指揮官が入場し、観閲官である福知山駐屯地司令篠原啓一郎一等陸佐が入場。あ、司令も戦闘服での
   参加なんですね。やっぱり第7普通科連隊連隊長を兼務するだけあって、制服よりも戦闘服姿の方が様になってます。
    続いて国旗が入場し、栄誉礼、捧げ銃君が代が吹奏されて、会場には厳粛な雰囲気に。会場内のあちこちにいる海自の
   人達も、脇をしっかりと締めた海自式の敬礼をビシッと決めていました。


    さらに部隊観閲観閲官式辞来賓祝辞、と式典は粛々と進行しますが、やっぱり全然聞こえません。もっとスピーカーの数
   を増やしてほしいものですが、住宅地が隣接している駐屯地なので、あまり朝から大音量、というのはまずいんでしょうか。式
   辞や祝辞の内容が聞こえないと、急に周囲が雑然とした雰囲気になってしまいます。来賓の中には、福知山駐屯地の元連隊
   長である佐藤正久参議院議員
も来られていましたが、いつものあの熱い祝辞が聞けないのは残念だなあ。


    それにしても音声の聞こえない式典と言うのは、なんだか随分長く感じます。ようやく式典は終了し、ここで部隊は一旦退場。
   観閲行進の準備に入ります。ああ、腹減ったなあ(泣)。
    またこの頃になると、周囲の一般参加者の数もかなり増えて来ましたが、概ね背後の土手の方へ散らばっていて、他駐屯地
   でしばしば見られる、押し合いへしあいといった雰囲気は皆無。
いいですねえ、こういう記念行事って。
    まずは戦闘服姿の第3音楽隊が入場。続いて、福知山駐屯地近隣の市町村旗を掲げた高機動車が颯爽と走ってきました。


    ここで音楽が急に『軍艦行進曲』に切り替わります。おお、海自舞鶴教育隊の行進です。いつもの黒冬服に白のベルト、脚絆、
   手袋をつけるだけでも、随分印象が変わりますね。


    続いて珍しい迷彩服の隊員が、防弾ベストに肘膝パッド、ゴーグルで身を固めてやってきました。ああ、空自の警務隊の人が
   着用している迷彩服ですね。小銃も64式ですし、この姿を陸自駐屯地で見ると言うのも新鮮だなあ。


    指揮通信車パジェロが続いた後は、何故か茶色い制服を着た隊員さんが一人だけで徒歩行進。こんなの見た事ありませ
   んが、何だかやけに時代がかった雰囲気の制服ですね。
    さらにOD色の作業服を着た部隊が続き、その後は通常の戦闘服を着用した部隊が入場。あ、もしかして、古い時代の制服
   を披露したんでしょうか?そう言えば、最初に出て来た茶色い制服の人は、なんだかGHQっぽい雰囲気がありましたし。
    防弾ベストや肘膝パッド、89式小銃を構えた上に鉄帽に暗視装置を装着した部隊が登場。更にその後方からは、パンパン
   に膨らんだ重そうな背嚢を背負い、ブッシュハットを被ったレンジャー隊員が周囲を警戒しつつ登場。観閲壇前まで来ると一斉
   に駆け足を始めます。普通は整然と歩くだけなのですが、低い姿勢で周囲をギロギロ睨みつけながらやって来る、という演出が
   面白いですね。こういうひと工夫があるのは、見ていて興味深いです。


    さらに、ギリースーツを着用して対人狙撃銃を構えた一団が。いやー、各職種の特徴を分かりやすく表現した、バラエティ豊か
   な構成ですね。これは面白い。


    つづいて車輛行進。パジェロ偵察オートが先陣を切った後は、第7普通科連隊災害派遣隊による行進。野外炊具1号(改)
   と水タンク、資材運搬車、小型ショベルドーザ、
そして救急車がやって来ました。高機動車にはバラキューダによる擬装が施さ
   れていて、こういうひと手間で行進がグッと引き締まります。


    次は冬季用擬装の高機動車。エンジンフードやドアの部分に真っ白い布が巻かれ、隊員さんも全身白無垢。へー、こんなの
   初めて見ました。なるほど、ここなら毎年当たり前みたいに雪が積もりますから、こういうのがあっても当然でしょう。


    さらに普通科中心の駐屯地らしく、高機動車軽装甲機動車が続々と登場。ここでもひと手間ひと工夫があって、軽装甲機動
   車のルーフ上では、隊員さんがMINIMIを構えて射撃姿勢。普通はピンと背筋を伸ばした状態での行進が多いのですが、こう
   いう風に細かい事でももう一つ上へ、もう一つ前へ、という姿勢が見えるのは、駐屯地がそういう気風なんでしょうか。


    続いて120o迫撃砲RT、FH−70榴弾砲。さらに93式近距離地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾、03式地対空誘
   導弾
による、対空誘導弾3兄弟が揃い踏みです。
    化学防護車、除染車といった第3特殊武器防護隊からの車輛の後は、81式自走架柱橋、92式浮橋、という施設団からの車
   両。


    そして87式偵察警戒車、96式装輪装甲車、74式戦車が堂々の行進。砂煙を巻き上げながら前進する大型車両もいいです
   が、こういう風に泥を跳ね上げつつ驀進する姿もカッコいいですね。後始末が大変そうではありますが。
    さらに航空部隊が登場。OH−6D観測ヘリ、UH−1J多用途ヘリ、AH−1S対戦車ヘリ、そしてここでもSH−60J哨戒ヘリ
   が登場です。それにしても、今年後半に入ってから陸自イベントに海自ヘリが参加するのが続いているなあ。もしかして、今年
   は訓練展示がなかったので、航空燃料が余ってるんでしょうか?
やっぱり年度末までに使い切らないと、来年度の予算を削ら
   れたりするのかなあ…。
    さらに空挺部隊による落下傘降下。へー、こんなことまでやるんですね、福知山。豪華だなあ。上空にやって来たUH−1J多
   用途ヘリから3名の空挺隊員が飛び降り、
すぐに長方形の自由落下傘を展開。1人だけくるくると回っていましたが、最後は3
   名ともきっちりと式典会場に着地。お見事です。


    続いて第3音楽隊第7普通科連隊ラッパ隊による、合同ドリル。普段の団結心を彷彿とさせる、実に統制のとれた見事なラ
   ッパドリルです。恐らく様々な趣向を凝らしているのだと思いますが、今いる位置からは場内アナウンスによる説明が殆ど聞こ
   えないのがつくづく残念。


    催しものはまだまだ続きます。今度は福知山駐屯地隊員によるよさこいソーラン。迷彩柄の揃いのハッピを着こみ、迫力ある
   踊りを披露です。その後方では『夜叉猿』と大きく書かれた幟を持った人が居ますが、ユニット名なのかな?しかし、なんでまた
   夜叉猿…?
    以上で記念式典は終了。会場ではこの後の訓練展示の準備が着々と進められています。あちこちで鉄条網バリケード
   構築され、その中には一際大きな偵察オートのジャンプ台も。あれ?よそのジャンプ台って、あんなに大きかったっけ?しかも
   このドロドロの地面に着地なので、何だかエライ事になりそうな予感がしますが…。
    対抗部隊陣地に展開している車両は、96式装輪装甲車が3輌と74式戦車が1輌。これも大掛かりなラインナップですね。先
   程の観閲行進同様に、福知山らしいひと工夫ふた工夫のある訓練展示を期待できそうです。
    先ずは上空にOH−6D観測ヘリが進入。地上では2台の偵察オートが突入してきますが、派手に水しぶきを上げながら高い
   ジャンプを決め、ズルズルの地面に当たり前みたいに着地!凄いなあ。偵察隊員はすぐにオートを倒し、車体を盾にして敵陣
   地にむけて小銃射撃。威力偵察を終えた後は、素早く立ちあがってその場でスピンターンを2回転。脱兎の如く撤退して行きま
   した。


    後方からは高機動車87式偵察警戒車が進入し、派手に泥を巻き上げつつバリバリと射撃。すぐに対抗部隊も反撃を開始
   し、74式戦車も空包射撃。かなり近い所にいたので、一瞬聴覚が飛ぶほどの衝撃波でした。土手を埋めた観客達のあちこち
   で、子供の泣き声が聞こえるのもお約束ですね。


    もうもうと白煙が立ち込める中、対抗部隊の96式装輪装甲車車内からの操作で12.7o機関銃を撃ちまくりながら、一気
   に前進。泥しぶきを派手に上げながら会場中央まで切り込んだ96式装輪装甲車は、急停車の後に後部ハッチを開放。中から
   はまるで散弾銃の様な勢いで、対抗部隊の歩兵が飛び出してきます。
おおお、なんだか凄い迫力ですね。


    OD色の作業服を着た対抗部隊は、陸自部隊に小銃射撃を浴びせながら前進開始。陸自部隊も負けじと応戦し、激しい銃撃
   戦が繰り広げられます。
    陸自部隊の後方にはFH−70榴弾砲が展開し、中短近の対空誘導弾トリオも続々と到着。その間にも上空にはUH−1H
   到着し、カーゴドアからは4名の普通科隊員がリペリングによるロープ降下を開始。


    対抗部隊も車両を前進させて押し返しますが、ここで後方からAH−1S対戦車ヘリコブラが登場。FH−70榴弾砲と74式戦
   車からも次々と支援射撃が行われ、小銃や機関銃の射撃音、さらにもうもうとわき上がる発煙筒の煙も重なって、もう何だか凄
   い事になっています。


    対抗部隊の車両は後方へ撤退。この時に74式戦車の砲身が下がっていて、何だか『やられちゃったよー(泣)』みたいな雰囲
   気だったのは面白いなあ。角度で言えば、50代位の角度ですね。


    これで対抗部隊の劣勢が決定的か、と思われた瞬間、右手後方の台地の林の中から対抗部隊の増援部隊が駆け付け、小
   銃射撃を行いながら一気に突撃!
おおお、凄い!一体何人参加しているんだこの訓練展示は!
    車両に荒らされたドロドロかつデコボコな訓練場を、猛スピードで突撃して行く対抗部隊。足を取られて転倒する隊員が一人
   も居ないのが凄いなあ。私だったら、100mと持たずにすっ転んでしまいそうですが


    ここで陸自部隊と対抗部隊との間で激しい戦闘が行われますが、徐々に陸自部隊に押される形となった対抗部隊は、どんど
   ん後退して行きます。しかし台地の上の林の中に隠れるようにして、まだまだ反撃。
    勢いに乗った陸自部隊は一気に台地の下まで車両を前進させ、最後は普通科部隊が台地への突撃を敢行。物凄い勢いで
   台地を駆け上がった陸自部隊は見事対抗部隊を掃討し、最後は台地に取りついた隊員が大きな日の丸の旗を振って訓練展
   示は終了。


    いやー、本当によく出来ていた訓練展示でした。福知山らしいひと工夫ふた工夫も随所に見られ、投入した車輛や人数もとて
   も豪華。第7普通科連隊の強烈なマンパワーをこれでもか!とばかりにと見せつけた、素晴らしい訓練展示でした。
    途中で一瞬雨がぱらつく場面もありましたが、何とか最後まで持ってくれました。いやー、来て良かった!


    その後は手早く荷物をまとめ、駐屯地の方へ移動です。訓練展示の最中は完全に忘れていましたが、空腹で倒れそう。式典
   会場から続く人の波に乗り、10分程で福知山駐屯地に到着。初めて訪れた福知山駐屯地は広々と開放的で、隊舎はどれも
   新しいですね。金沢や信太山で見た、今にも倒壊しそうな木造隊舎が無いのは、ちょっと寂しい気もしましたが。
    泳ぐようにして装備品展示会場に到着。その横が屋台広場になっていますが、早くも美味しそうな香りが漂っていて、矢も楯
   も堪らず駆けつけます。
    先ずは第7普連第1中隊からの焼きそばの屋台へ。テントの中では隊員さん達が勢いよく焼きそばを作っていて、見るから
   に美味しそう。屋台の前の看板には、ライフルスコープの照準環らしき○と十字が描かれ、そこに『狙・突・翔・拳』と文字があ
   しらわれています。よく見ると屋台の中の隊員さんの着ているジャージにも同じマークがあり、第1中隊のマークなんでしょうか。
   シンプルで力強く、よく出来たデザインですね。


    行列が出来ていた割には、さほど待たずに焼きそばを受領。しかし、何だかやけに寂しい荒涼とした焼きそばだなあ。具と言
   うものがほとんど見当たらない、茶色い麺と紅ショウガだけの焼きそばです。麺をほじくり返すと、申し訳程度の豚肉とキャベツ
   が、
    『きゃっ、見つかっちゃった、てへっ』
    といった感じで出て来ましたが、これは食べる側のテンションが下がるなあ。味の方もソースが今ひとつ麺に乗っておらず、イ
   マイチ。テント内で作っている焼きそばは具沢山だったので、これはたまたまハズレくじを引いてしまった模様です。とほほ。


    ソースの乗りが悪いのは、恐らく豚肉とキャベツを炒める際の塩胡椒が足りなかったせいだと思いますが、空腹感の後押し
   があってにしても、ちょっと残念な内容でした。
    今度は隣の第2中隊による、芋煮うどんの屋台に向かいます。屋台の大鍋の中ではぐつぐつと芋煮汁が作られ、実にワイル
   ドで美味しそう。すぐに出て来た芋煮うどんはなかなかの豪華版で、こちらは景気よく具が入っています。里芋、白ネギ、油揚げ、
   ゴボウ、白菜、それにたっぷりの豚肉。
一味をぱらりとかけて、まずは一口。
    おお、これは美味い!肉と野菜のどっしりとした旨みがダシに溶け込み、あっさりした醤油とんこつラーメンの様なコクを醸し
   出しています。それぞれの野菜にもそのダシがしっかりと浸み込み、これは驚きの味ですね。アツアツ感もこの時期のイベント
   にピッタリで、ハフハフと一気に平らげてしまいました。


    格闘訓練隊からは揚げドーナッツの屋台が出ていて、こちらは甘党のお客さんで賑わっています。重迫撃砲中隊からは鶏肉
   炭火焼
の屋台が出ていて、炭火の香りが堪りません。凄く美味しそうだったのですが、流石にかなりの行列が出来ていたので
   パス。
    それにしても、先程の芋煮うどんは東北地方の郷土料理のアレンジだそうですし、鶏肉炭火焼の屋台には東国原宮崎県知事
   のイラストが描かれています。なかなか地方色豊かで面白いのですが、肝心の福知山や丹波篠山の食材を使った屋台が無い
   のはやや残念。
その土地の名産品を押し出した屋台というのも、私の駐屯地祭の楽しみの一つなのですが。黒豆、まあ屋
   台では扱いにくいでしょうが、イノシシ肉なんてのもあると思うんですけどねえ。
    会場の一角では、ゲストの歌手のミニコンサートも行われ、男臭い駐屯地記念行事に華を添えています。
    第3中隊のイカ焼きの屋台からは、醤油とイカが炭火で焦げるタマラナイ香りが漂っていて、何だか海の家にいる様な気分。
   うーん、美味そうだなあ…と眺めていると、ここで曇天の空からこぼれおちるようにポツポツと雨が降り始めました。
    雨はすぐに強くなり、会場にいた人達は蜘蛛の子を散らすように隊舎の中へ。私もテントの中に駆け込みます。しばらくすれば
   止むかとタカをくくっていましたが、空はどんどん暗くなってきて、このまま続きそうな雨模様。気温も急に低くなり、何だかテンショ
   ンも下がって来ました。
    うーん、どうしょう。まだ装備品展示レンジャー訓練展示があるんですが、雨は一向に止みそうにないし、正直午前中の式典
   で十分満足できたので、帰ろうかなあ…。
装備品は特に目新しい物も無いし、レンジャー訓練展示も5分しかないみたいですし。
    とりあえずPX文化展などの、室内で行われている催し物を見て回ります。その間も雨は降り続きましたが、30分もすると少
   しずつ空が明るくなり、雨も小降りになって来ました。よし、装備品を見に行きましょう。


    展示してある装備品は、まあどこの駐屯地でも見られるものでしたが、ついさっきまで訓練展示で走り回っていた車輛が多く、
   ドロドロに汚れた足回りは見ていても迫力がありますね。
    また、一角では小火器の展示も行われていて、海自の隊員さんが物珍しげに対人狙撃銃を構えていました。成程、教育隊で
   64は触っても、対人狙撃銃は見るのも初めてなのでしょう。


    ふと見ると、先程の鶏肉炭火焼の屋台が随分空いて来ています。正直まだ腹には入りそうなので、行っときましょう!
    出て来た炭火焼は、久居駐屯地のものと同じくセセリ(鶏の首の肉)を使用しています。パック越しに焼きたての熱々感が掌に
   伝わり、皮目の脂肪が炭火で焦げて燻された香りが堪りません。先ずは一口。
    おお、美味い!噛むとじわっと染み出すセセリの濃い味わいが実によく、大胆に振りかけられた塩胡椒も身肉の甘味をしっか
   りと引き出しています。思い切り乱暴に作った方が美味しい料理を、実に陸自らしい豪快さで仕上げてありますね。これは大当
   たりでした。


    さて、時刻は1330。レンジャー展示までは1時間近くありますが、先程から降り出した雨はまだパラパラと降り続いています。
   午後からのプログラムを諦めて帰った人が多かったのか、人も少なくなってきたなあ。
    会場では、歌手の三浦歩さんのコンサートが行われています。まだ駆け出しなんでしょうが、小雨が降り続く中頑張ってるなあ。
    その後に予定していたチアリーディングは雨のため中止…の筈でしたが、小降りになってきたので急遽開演するとの事。参加
   しているのは関西外国語大学チアリーディング部のパイレーツ。あれ、この人達、伊丹に毎年来てくれているチームじゃなかった
   っけ?
    紹介を受けながら整列したパイレーツは、この悪天候を吹き飛ばそうとするかのように明るく元気で、はつらつとした演技を繰
   り広げます。
滑りやすい悪条件の元でのパフォーマンスですが、見ている人のために出来る事を一生懸命やろう!というメッセ
   ージが伝わり、見守る観客達をどんどん引き込んでいます。うーん、いいですね、こういうのって。
    最後はポンポンで『フクチヤマ』『ジエイタイ』『50th(スマイルマーク)』『オメデトウ』を次々と披露して、見事なチアリーディ
   ングを見せてくれました。いやー素晴らしい!


    さて、その後は今年初めての試みである福知山ミュージカルです。が、その内容が余りにも凄惨であり、レポートもかなり長文
   化しそうなので、今回は2部構成という事にさせて頂きます。まあ、その、色々と酷い…いや、凄いです。第2部は、お好きな人だ
   けお楽しみ下さい。




福知山駐屯地創立60周年記念行事第2部に続く←グロ注意!!
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