■ 「先輩を囲む会」に寄せられた手紙への返信           平成21年10月

 前略 この度は、心温まるお手紙を頂き、誠にありがとうございます。

 お孫さんが次々にお生まれになったとか、感慨もひとしおのことと拝察いたします 何もかもが、驚異的なスピードに飲み込まれ、戦後の極めて貧しい時代から、世界最高峰を凌駕したとさえいえる経済大国になったと言われましたが、今では最早、ワーキングプアだのといった言葉が象徴する貧困国家へ逆戻りしつつある様に見受けられます。

 この間約六十年、栄枯盛衰の歴史のパノラマは、あまりにも早すぎ、この歴史の現認者の一人として、唖然とする思いがいたします。

 気が付けば、私共は六十歳を超えてしまいました。じっくり人生を振り返る余裕さえ見当たらない速さの中で、今まで何をやってきたのか、と、問うことの重要性を感じないわけにはいきませんが、それよりも、これからどうするのかが、最も大事なことなのだろうと、つくづく思い知らされます。

 こういったことでも、我々の会合は、とても意味のあることだと思っておりましたが、返す返すもこの度の先輩の訃報には愕然とする思いでいっぱいです。遅らせばせながら、ひとり立ちに真剣に立ち向かっていかなければならないということなのでしょうか。

 これからも、皆さんと力を合わせて、意味のある人生を考えていければと思っております。今後もよろしく、と、お願い申し上げ、取り急ぎお手紙のお礼まで申し上げます。
 有難うございました。
                                    草々


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