2011,6,22
 20代、30代頃のわたくしは完全に「夜型人間」でした。理由の詳細はおぼえていないのですが……
「ああ、朝の11時までゆっくり寝てみたい」
 それがささやかなそして最大の願いだったことを思い出します。
 裏を返せば、だいたい夜の10時、11時ごろから頭がさえて夜中の2時、3時までおきているのです。それでいて、朝6時にはおきて、朝食作りにはじまり、多くの仕事をこなしていきました。ともだちにはいつもつぶやいていたのです。
「朝にすごう弱いんよー。11時までいっぺん、ゆっくり寝てみたいわ」

 ところがこの頃、60代のわたくしは完全に「朝型人間」です。ほっと明るくなった頃におきだし、夜は11時にもなるとうとうと。長い主婦生活の習慣と加齢と……理由はわかりませんが……。
 でもうれしいことは朝に書いた作品はあとから読み返すと、さわやか! 的をはずしていない。 しっかりとした文章になっている! (自己満足です!)
 どの先生だったかわすれましたが、確かに「童話は明るいものでありたいので、朝に書いています」といった節のことをおっしゃいました。
「朝にすごう強いからね、11時までもねてられへんわ!」
 古くからの友人がきいたら、どんな顔をするでしょうね。

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2011,6,18
 エコ対策がいろいろ話題になっています。わたくしはベランダにゴーヤを育てて、はや四年目をむかえます。単純にゴーヤの味が好きだったから。それにちょうどよいスペースがベランダにできたからです。毎年ゴーヤのすだれを楽しんでいます。
 今年はことのほか、成長がいいのですね。1メートルの高さになると一番上の芽をきらないといけないのですが、もうすぐその「時」です。
 ゴーヤといわず、今年は植物の生長がいい気がいたします。特に花たちがとても美しい。しょうぶやバラやたいさんぼく……。野の花たちも威勢よく咲き誇っています。
 
 16年前のこと。このあたりに例年になくたくさんのバッタがとびかいました。阪神淡路大震災の年でした。
 今、例年になく咲き誇る花々は、いったい何をうったえているのかしら。
 まだまだ東日本大震災の復旧、復興は遠く、原発事故の収束も遠く……嗚呼。

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2011,6,10
 もうすぐ、義母の命日にあたりますので、義姉さんふたりが墓参りにきてくれました。姉ふたりも相前後して夫をなくしています。つまり、義母と義兄ふたりの三人が、一年の間になくなってしまいました。
 かつてはなくなった兄たちの車でよくわたくしの家にきてくれていましたが、今はそうはいきません。

 お墓参りを済ませた後、家まで車でおくることになりました。

 車を動かせるのはわたくしの夫だけです。
 わたくしはペーパ^−ドライバーです。運転をしていた時期はあったのですが、下手ですのであちこちこすって「心痛このうえない」から、きっぱりとやめることにしました。けれど免許の更新はきちんとしています。わたくしの住んでいます団地は交通手段はバスだけ。車があると、どこへいくのもとても便利なところです。夫は「万が一のために更新しておいた方がいい」といいます。万が一、つまり夫が義兄とおなじようになるということのようですが……。

 義姉ふたりのためにももうしばらくは、万が一にならないことを願わずにはおれません。ひさしぶりにであった姉弟たちは、わたくしの知らない幼い頃の思い出話を楽しそうに語り合っていました。

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2011,6,5
 あれあれ、アップしないまま、もうこんなに日がたってしまったのですね。
 梅雨のまっただなかの晴れ間、ベランダの植木鉢に、びっくりするほど大きなアマリリスがさきました。ピンクがかった赤い花です。

            

 かつてわたくしは赤い花が大好きだったのですね。アマリリスやカンナやキョウチクトウ、それにガーベラやヤブツバキなど、赤い花にこだわって童話を書いていた時期がありました。なつかしくおもいおこします。
 今はとちらかというと白や薄紫といった野の花に心惹かれます。人の思いは時によってかわるのでしょうか? みなさまはいかがですか?


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2011,5,27
 東日本大震災の復興はまだまだまだまだ……。
「思いの他、はやく復興の兆しが……」なんて言えないのが大災害なのだと、経験者のわたくしは思っていました。が、想像以上に心が痛むことが多いです。
 わたくしのパソコンに「東日本大震災関連」ファイルができました。中に、友人知人たちからの支援依頼メールや、わたくしの動いたことの控えなどをいれているのですね。つらなっていくファイルの列、募金や本や衣類や食料やメッセージの送付の覚え書きをみているというのに、自分の無力さをひしひし感じます。

 近畿が梅雨入りいたしました。手紙を入れにポストへむかうとちゅう、たくさんの下校時の小学生にであいました。そのこどもたちのさしている雨傘の美しいこと。やさしい色合いです。昔のように黄色や黒や紺の色は全くありません。「何てセンスのいい」と感心して、とおりすぎるかわいい雨傘をぼんやり……。
 ふとおもいました。被災地のこどもたちの雨傘はどんな色をしているのでしょう。いえ、ちゃんと雨傘はあるのでしょうか?
 大きなことはできないけれど、自分の分にあうことをつづけたい、心をよせつづけたいと思っています。

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2011,5,21
 「ワルルルさん」の出版にあたり、お世話になった女優の矢野陽子さんから
 お便りがとどきました。
  「 真夏の夜の哀しみ・2011 」
     シアターΧ(カイ)にて


 矢野陽子さんの出演される演劇を何度かみさせていただきましたが、どの作品もほんとうに! おもしろく、おかしく、楽しく、そして哀しく、切なく「よかったあ」と思えます。近くだったらどんなやりくりをしてでもでかけていきたいのですが、東京の劇場での公演です。しかもわたくしはついさきごろ、その地からかえってきたところ……。
 お近くの方で、興味のあるかたはぜひ足を運んでみてください。おもしろいこと、うけあいです。


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2011,5,18
 ここ一週間あまりは怒濤のごとくのいそがしさでした。いえ、わたくしにとって、ということなのです。普段は割に家にいることが多く、家事といっても以前のように、食事時間が4段階にわかれるといったこともなく(意味不明の言葉ですみません。説明しますと、姑と、夫と、息子と、娘と、食事時間がちがい、内容もちがうわけです。わたしは誰かにくっついて食事して、4組だから4段階というわけ!)ゆったりしたものです。そんな日常のなかに、一年に一回の上京タイムがはいりました。
 わたくしの所属しています「日本児童文芸家協会」総会と協会賞他の授賞式があるのですね。今年はそのビッグな賞を友人の大塚篤子さんが受賞されました。ずっとプレアデスでご一緒した方で、その文章力はすばらしい。当然の受賞と思い、わくわくして出かけました。
 つぎの日に特別講演会「電子書籍の現状とこれからの見通し」があったのですが、「めからうろこ」状態でわかったことがたくさんありました。機会があればコメントアップしてみたいと思っています。副タイトルは「作家として今知っておくべきことは?」でした。正にそのとおり!

 今回は息子一家の家にとまりました。懇親会や二次回と夜の遅い時間の帰宅になるので、1泊目は宿をとることにしていたのですね。が、わたくしは孫たちにたいそう人気があるようで、おそくてもいいから泊まるようにとのこと。なんと夜中の11時すぎにおじゃましました。当然孫たちはちがう部屋でねむっていたのですが、真夜中に目をこすりながらやってきて、わたくしの横にねるとそのまますやすや。ばあばといたしましては、もうめろめろでございます。それから一緒に遊ぶこと、遊ぶこと。孫にとってわたくしは同じ年の友達のように思っている感じです。

 出会いたい人にであうなかで、すこしのすきまの時間は、わたくしはたいてい上野公園へまいります。パンダのせいということもあるのでしょうが、いつもにもまして人人人の公園でした。国立西洋美術館で「レンブラント」展を開催していましたので、入りました。いつもは時間の関係で常設展をゆっくりみることができないのですが、今回はちがっていました。たくさんのすばらしい絵画にであって、胸を熱くして、美術館をあとに……。特に実際の絵にであいたいと思っていた、カミーユ・ピサロ「立ち話」にであったときは、おおげさなようですが、「わー、今まで生きていてよかった」なんで、おもってしまいました!

 東京へは昨年も同じこの季節におじゃましています。雨上がりの晴れつづきで、緑あざやかなはずなのにどことなく暗い感じがしたのはわたくしの気のせいでしょうか?

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2011,5,7
 今年もゴーヤの苗を三株植えました。もう四年目です。連作をきらうので、きちんと土もいれかえました。植えて間もない先日、強風と寒さがつづき、わたくしはあわててビニール袋で囲いをつくったのですね。というのに、寒すぎたのか、茶色になっている葉がでてきました。夫がそれをみて、「これはかぶせてるビニールにあたったからだ」といいます。
 どうも、夫は袋がはためいていたので、そのように思ったようです。
 え? そんなことないよ。ふうせんのなかに苗がはいっているような感じにしたよ。セロテープを使って、葉にもあたらないようにしたよ。

 かこいをとってしまうと、よけいに茶色の葉がめだちます。とまた夫が言いました。
「これはかこっていたビニールにあたったからだよ、きっと」
 え? そうじゃないけどなあ……。
 たいしたことでもないしと思い、「そうかなあ」と言って笑っていました。が、またまた今朝、「おかあさん、ゴーヤの葉しっかりしてるから大丈夫やけど……ビニールにあたったんやなあ」
 こりゃ、ちゃんと説明しないといけないなあ。
 ひさしぶりに夫へ「まちがいただし」をいたしました!
 きちんと説明をすると、「そうか、寒さにやられたんやな」と、すんなり納得して一件落着です。

 いつのころから、わたくしは「まちがいただし」をしなくなったのかしら?
 結婚したてのころは、なんでもかんでも! 夫に「まちがいただし」をやっていました。田舎に住んでいましたし、両親とも同居でしたから、いろいろと理不尽に思うことがあったようで……。解決はできないとわかりながらも、ふたりだけになると、わたくしは夫に「まちがいただし」を必死でやっていました。わめいたり、怒ったり、時にはそこらへんにあるものをなげたりするほどの「自分の思い」を訴えるのですね。「それ、おかしいのとちがう?」「わたしだけがなんでやの?」
 
 納得のいかないときは、面倒がらずに「まちがいただし」をしないといけないのかもしれませんね。お互いのためにも。

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2011,4,29
 ゴールデンウイーク、連休にはいりましたね。みなさま、いかがおくらしでしょうか? あの人、この人のことをおもいめぐらすのも楽しいものです。
 久しぶりに友人に電話をしました。すると、何とおねえさまの具合がずいぶん悪いとのこと。
「いくつ?」
「70になったの」
 はっとしました。わたくしの姉も70才になっています。
 そしてわたくしも60代。
 もうそのような年代になっているのですね。

 わたくしの中ではまだまだ若い自分がいました。元気でがんばっていた義母がいたからかもしれません。一昨年なくなるまで、わたくしは30才も若い嫁でした。彼女がなくなったとき、わたくしはもう60代になっていたわけです。
 同じように友人と話している時の気持ちはいつも初めてであった30代そのままでした。けれど確実に髪の毛が白くなり、動作もゆったりになっているのです。
 ああ、何と長い年月がたったことでしょう。
 電話をきってから考えました。大きく大きく考えました。
―そろそろ、児童文学の集大成だあ!

 みなさまのご健康をお祈りいたします。

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2011,4,21
 子育てや義母の介護にあけくれしていた頃はむしょうに外にでてみたくてしかたがなかったのですね。ひまをみつけては、三ノ宮界隈や神戸ハーバーランドや大阪まで足をのばしたこともしばしばでした。ところがこのごろ、健康のためのウオーキング以外、外にあまりでません。いえ、出たくなくなりました。出かけるのは講座や講義のときぐらいです。
 といって、どこへもいっていないというと、そうでもないのですね。夫がよく誘ってくれます。夫もそれなりにいそがしい人なのですが、完全退職して2年目。週日の人混みの少ないところがうれしいらしく、車で日帰りでいけるところへ気楽にでかけます。今年はすばらしい満開の花見を何度かいたしました。いい気分転換になっています。

 さて、今日は久しぶりに私の意志で! でかけていきます。わくわくしながら……。
 沢口靖子さんの「シングルマザー」の演劇を見にいきます。会場が琵琶湖ホールなので、早めにいって、美しい淡水の「海」琵琶湖畔を散策したいと思っています。ちなみに、今日はいい天気、そしてわたくしの誕生日です。

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2011,4,11
 健康のために7000歩以上は歩くようにしています。家の中でこまごま動くこともあり、だいたい一日平均1万歩になることが多くなりました。歩いていて、感じることは自然の美しさです。今年は寒かったせいでしょうか、一斉に花の満開をむかえているようです。桜、桃、あんず、椿、ゆきやなぎ……、色のコントラストもみごとです。わたくしのウオーキンクコースに、「しあわせの村」があるのですが、ただただ自然の美しい恵みに感嘆するばかりです。
 16年前の震災の折、ここは自衛隊の駐屯地となりひっきりなしに救急車が通っていました。子を亡くされた親を、親を亡くされた子を家を職場を失った人たちを、まのあたりにしてぼうぜんとした日のことがよみがえります。今、このあたりはうつくしい世界をとりもどしています……。
 未来を信じて、みんなで、みんなで、がんばっていきたいものです。
 
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2011,4,5
 怒濤のような日々を無事にそしてうれしく終了することができました。
 東京から急遽もどってきていました孫達も全員東京へ帰っていきました。最悪の場合、転校さえ考えたようですが、6日の小学校入学式にあわせの帰宅です。ほっとしています。
 とはいえ、今このときも先のみえない不安の中で懸命にがんばっておられるかたがたがどれほどいらっしゃることでしょう。お見舞い申し上げます。「がんばれ、日本」の言葉を見るたび、聞くたび、わたくしも自分にできることでの応援をながーく続けたいと思います。
 
 食器をかたずけ、おふとんのシーツを洗い、さまざまなものをもとの位置にもどして、日常となります。たまっている本を読み、講演の下書きをし、講座の新学期の準備をし、なによりも10日あまり遠のいています童話つくりにむかわねば……。
 このように思い、実行していけることの日常をとてもとても感謝しています。
 被災地のみなさま、いえ日本中の誰もが「日常」と思える日が一日も早くもどってきますように祈るばかりです。

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2011,3,21
 うれしい便りが届きました。絵本「鬼の助」を読んだこどもたちからの便りです。童話作家にとって「子どもたち」からの便りほどうれしいものはないのですね。ありがとう、3年4組のみなさん!
 千葉県にお住まいのROY先生から速達でおくってきてくださいました。ありがとうございました。ROY先生!

 千葉県といえば今回の地震で被害をうけられている地域です。そんな中で、お話をきき、読み、感想をつづってくれたみんなに敬意を表します。
 何度もここで申し上げていますように、わたくしは神戸に住んでいます。震災を経験しています。16年たった今でさえ、すべてが復興したとは決していいきれない……。ましてや今回の震災をやです! 大津波を引き起こし、原子炉の問題を明るみに出し、想像すらできないすさましい被害をもたらしています。そのような中で「鬼の助」を選んで読んでくださったことにまたまたとてもうれしく感謝いたします。
 復興ということばにうなずけるようになるまでには、これからどれほどの年数がかかることでしょう。作家の友人がいろいろな支援活動と共に、「自分のできること」として「いい童話を書いていくのだ」とおっしゃった……。わたくしも同感です。
 ROY先生、3年4組のみなさん、心よりお礼とお見舞い申し上げます。
 再度被災地のみなさま、心よりお見舞い申し上げます。共に長い復興への道のりをがんばっていきたいと願っています。

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2011,3,16

人はあこがれを持ってはいけないのでしょうか
人は夢を持ってはいけないのでしょうか
人は希望を持ってはいけないのでしょうか

人を信じてはいけないのでしょうか
人を愛してはいけないのでしょうか

人を頼ってはいけないのでしょうか
 
朝目覚め、顔を洗い、髪をとき、
日をあび、小鳥の声をきき、
働き、学び、語らい、笑い、
ときには悩み、苦しみ、怒り、
ゆっくり夜の眠りをむかえてはいけないのでしょうか

新しい朝をむかえてはいけないのでしょうか

いけないことはひとつもない!
人は人として生きるのですから

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2011,3,11

 
     大地震大津波被災のみなさま、
     
心よりお見舞い申し上げます

 実は息子一家も娘一家も東京在住です。友人たちもいます。
 ニュースがながれ、すぐに電話をいれましたが家も携帯も「混み合っていますのでおかけなおしください」との案内。阪神淡路大震災を経験していますので、一回であきらめ、もしやと思い、パソコンからメールをいれました。しばらくして返事がもどってきたのですね。活字一文字一文字から、生の声がきこえてくるようで、誠に誠に安心したことです。
 しかし……。 
 被災をされたみなさま、心より心よりお見舞い申し上げます。

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2011,3,4

      

マジカル★ストリート D魔法のスープめしあがれ
   児童文学者協会編  偕成社


 偕成社の編集者さんが見本本をおくってきてくださいました。ていねいで美しい装丁です。中には7つのふしぎな物語がはいっています。わたくしはあっというまに読んでしまい、小学生のみんなもきっとどきどきしながら読んでくれるだろうと思いました。とたんにまたわくわくしているところです。
 その中の「霧の中の白い花」がわたくしの作品です。もうすぐネットや店頭に並ぶとおもいますが、ぜひ手にとって楽しんでくださいますようにお願いします。

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2011,2,24
 
パソコンをノートがわりにしないといけないのだなあ、とこの頃やっと気がつきました!
 長編を書くようになっても、短編の時と同じように何度となくプリントアウトして読み返し、鉛筆でチェック。パソコンのなかの元原稿に書き足し、修正し、また気になるとプリントアウト。はたと気がついたのですが、大量の紙とインキをつかっているようです。紙は裏面も利用していたのですが、プリンターに負担をかけると聞かされ、ますますエコの真逆をいくことになりました。
「パソコンをノートがわりに使う」
 きっと多くの作家さんたちはそのようにして、作品を書き上げてられるのでしょうね。アナログ人間のわたくしは最終段階だけはパソコン画面ではなく紙にうつしてじっくり考え、エコを考えないでやらせてもらおう……などと思っているこのごろです。

 今日は暖かい日となりました。スポーツの苦手な私にとって、ウオーキングはなんとか続けることのできる運動です。近くに格好の散歩コース「しあわせの村」があるので、割にでかけています。道中で、ヨモギの新芽をみつけました。よもぎ餅にするのによさそうです。が、我が家ではちがう利用法、日に干して、からからにして、お風呂にいれています。近くに結構たくさんのヨモギがはえていて、簡単に集めることができるのですね。
 いっぱいの紙をつかうかわりに、ヨモギでエコを!
 ちょっとおかしい発想かしら。
 もうすぐ春。また紙をいっぱい消費しながら、ヨモギを摘みにでかけたいと思っています。

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2011,2,14
 午前中に、義父母のねむっていますお墓にお参りしました。車で10分もはしると、墓園公園です。12時すぎにもどってきたのですが、そのころから、雪が降り始めました。みるみるうちに積もっていきます。2,3時間もすると、はたしてここはどこ? といった感じです。まるで雪国です。神戸に住むようになって40年近くなりますが、こんな状況になったのははじめてです。なんだかうきうきする気持ちです。美しい白の世界がひろがっています。
「歩いてみる?」
「いいよ」
 しないといけないことを一時休止。わたしと夫はカメラをもって外にでました。ちょうど下校時と重なり、先生につきそわれてこどもたちがワイワイいいながら下校していきます。道を並んで歩くことになった娘さんが、「バスがなかなか来ないで歩いてきたのですよ」と話してくれました。途中でとまっている車にもであいました。

      

 木々や建物や道や遠くの山などのきれいな世界をパチパチとって、もどってきました。集合団地の我が家の前には何台も車の並ぶ駐車場があります。いつもとちがって、ポツンポツンとしか車がとまっていません。
 わたくしははっと気がつきました。この大雪! 車ででかけた人はもどってこられないかもしれません。
 今日、雪は非日常を運んできてくれました。
「きれいだなあ」だけの非日常というわけにはいかないのですね。

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2011,2,6
 時はあっというまにすぎまして、はやわたくしも還暦をすぎた人です。昔は赤いちゃんちゃんこのお祝いをいただき、縁先で好きな編み物をしながら、ときどきいねむりを……。そのような図は全く変わってしまったことを実感いたします。といいますのも、わたくしと同年代のかたの友人が今もご両親や舅・姑さんのお世話であけくれてらっしゃる姿をみるのですね。それはまたほん先年までのわたくしの姿。毎日がおいたてられ、自分の時間も意志もどんどんなくなっていった日々……。
 そんななかで支えられ、乗り越えられたひとつは「ありがとう」「感謝してるよ」との言葉、態度でした。わたくしの場合は姑も夫も言葉ではなかなかあらわせない人でしたが、その態度でいっぱいの「ありがとう」を現してくれていた気がします。また二人いる義姉たちも会うたびに、いつも「ありがとう」といってくれていました。それでも実際は大変! 

 わたくしもやがて、世話をした側からお世話になる側へとうつっていって、人生を全うできるということでしょうね……。だから思います。
「今からうんとうんと『ありがとう』の練習をしておきましょう!」
 介護をされている友人達! どこかで息抜きをしてくださいね。いっぱい、いっぱい「ありがとう」と感謝されているのですもの、きっといいことが待っていると思います。今のわたくしのように……。


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2011,1,26
 1月は小さな締め切りの多い月です。ちょっとした報告を送ったり、エッセイを書いたり、絵本の紹介をしたりします。そんな中で、はじめて賞をいただいたときのことを書く機会がありました。1983年のことです。「はじめてのホームラン」という作品で、毎日児童小説、小学生向きの準入選になったのですね。当時、書き始めてすでに10年以上もたっていましたから、わたくしは何と長く書きつづけてきているのでしょう。そして何とたいした仕事をしていないのでしょうと、つくづく思います。いいわけの心がむくむく。あのころは、妻であり、嫁であり、母であり、英語塾の先生であり、それに付随してのお役をこなさねばなりませんでした。
「おい、おい! 今はどうなんだい?」
「はい、たいへん感謝しています」
 そして、最も自分がためされる時だとの思い、覚悟もわいてきています。
 10月からかかっていた作品がなんとか形にすることができました。ああ、うまくこどもたちの手に届きますように……。

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2011,1,17
 わたくしははや半世紀以上の人生をおくってきています。そのなかで、わすれることのできない日、カイロスの日、衝撃をうけた日と思えることが何度がありました。
 16年前の1月17日、午前5時46分。
 この時を、わたくしはわすれることはないと思います。わたくしの住んでいます神戸、はずかしげもなく申し上げるのですが、愛してやまないこの神戸に、大地震がおそいました。ふりかえりますと、書く者として「震災の童話」をどれだけ書いたことでしょう……。まとまらないままに、やみくもに書き続けました。描いても描いてもうまくいかなくて、「もう童話を書く人なんていえないのでは」と思い悩んだものです。
 十数年たって、くもん出版より「ワルルルさん」を出版していただきました。読んでいただきたいなあと、今更ながら思っています。

 何編も書いたなかで、なんとか、まとまりのある作品として、このHPにも一編だけ載せています。「サッサからの風」です。もし時間がありましたら、読んでほしい、さらに出版できて、多くのこどもたちにも読んでほしいなあと願っています。

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2011,1,10
 今年もはや10日もすぎてしまいました。
 そして、今年もわたくしはわたくしでしかないんだなあと、思うことがありました。
 ある会である先生が、「人の一生はよく季節であらわされますね。春夏秋冬、あなたは今、どのあたりだとおもわれますか?」とおっしゃって、「春だと思われる方?」と問われました。
 わたくしはさっと手をあげました!
  順番に話が進んで、「冬だと思われる方?」との問いに、横にいた夫がうなずきました。たまたま私たち夫婦をよくご存知だった先生が、笑いながら、「ご夫婦でも季節がちがうこともあるんですね」とおっしゃった!
―ああ、そうだった。年齢から考えての季節なのだから、今が春! であるはずがない……。

 2011年、わたくしはわたくしの晩秋の季節を精一杯生きたいと思います。

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2011,1,5
 今年はいつもとおりに、年賀状をいただいています。義母がなくなったことで、昨年のお正月は賀状をひかえさせてもらいました。
 一回のお休みを経て、年賀状をいただき、ふとおもうことが四つもありました。
 ひとつは、年賀状にもしっかりとネット社会の影響がでてきましたねということです。紙、つまり従来の郵便での年賀状ではなく、メールでのご挨拶をとおっしゃる方々が結構多くいらっしゃいます。今年は紙でご挨拶いたしましたが、来年はできるだけそのようにさせていただきましょう。

 ふたつめは、本年度で年賀状をおわりとさせていただきます、とのご挨拶がありました。数年前から、そのようなおかたに出会うようになり、さみしく思っています。とはいえ、ご高齢をおもんばかると、今まで律儀にいただいたことに感謝しないといけないのだなあとも思います。長い間、ありがとうございました。

 そしてみっつめのこと。若い方々からの元気あふれる年賀状が増えました。一番多いのは「アラ・フォー」世代の方です。わたくしはこれまで、幼稚園の先生を9年、英語塾の先生を15年、そして今、童話教室の講師をさせてもらっています。きみょうなことに順番に年齢があかっていくかたちで先生をさせてもらったようです。だから、「アラ・フォー」世代の賀状が多いのかもしれませんね。
 
 そして四つめ。児童文学関係の年賀状が半分以上を占めたことに気がつきました。好きな世界で、おつきあいさせてもらっている方々がこんなにも多くなっている……。うれしさと同時になぜか身の引き締まる思いがしたのはどうしてでしょうね。

 旧年にひきつづき、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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    2011年 元旦
     あけましておめでとうございます。



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