HOME >> 技術情報 >> 現在のページ

このページには、技術的な情報を掲載しています。
PDFファイルを利用しておりますので、閲覧にはAdobe readerなどの閲覧アプリが必要です。

音質評価について

『音質を評価する』という行為自体は、通常の『音楽を聴く』という行為とどこが違うのでしょうか?
「評価」は、公私問わず何らかの基準があって、それと比べて「価値を見定めること」と言われています。
昔、学生だったころ、親に見せるのが嫌だった相対評価の代表「通知表(現在は絶対評価)」も1から5までの5段階評価には基準があって、「1」と「5」は全体の7%、「2」と「4」は24%、「3」は38%となっていて、試験などの数値から統計的に求めたもので、先生の好き嫌いで決められるものではないのです。(先生も人間なので、けっこう好き嫌いで付けられていた部分もあったとは思いますが・・・)
話を戻しましょう。

音楽を聴くというのは、受動(自然に受け入れること)であって、何らかの基準と比べるということは、ほとんどないと言えます。気持ち良く楽しければ良い行為です。

それに対し、音質評価は音楽が含む「特定の情報」に関して、「ある基準」を設けて比較するという行為になります。
文章にすると良く分かりますが、正しい評価をするためには、「ある基準」が必要なのです。
「俺は自分の中に基準があるから、いつであろうとちょっと聴けば違いが分かるし、直ぐに評価できる」と豪語される方が少なからずいらっしゃいますが、そういう方に限ってブラインドテストを実施して正しい答えを出せなかった時に、「環境が悪い」「自分のシステムであれば分かるのに」と他に原因を求めることが多いのを経験してきました。
『聴覚と記憶について』の項目で詳細に説明していますが、人間の感覚ほど騙されやすいものはないし、「思い込み」という要素が入り込むと「白」を「黒」と判断してしまう危険性もはらんできます。
それを防ぐための手法や手段を、私の業務としての経験を基に記述してみました。

pdfファイル:  『音場再現と聴覚の限界』統合版

聴覚と記憶について

人間の感覚は騙されやすいというと、特殊な図柄などによる『錯視』をその例に挙げる方が多いと思います。
記憶が騙されることも、「洗脳」などという物騒なことを挙げる方もいらっしゃると思います。
でも、そんなに特殊なことでは無く、日常、ごく普通に騙されたり、『記憶のスリカエ』を自ら起こしたりしています。

私が「聴覚」とその「記憶」について調べ始めたのは、「なんでそんなに騙されやすいのか?」という疑問がスタートでした。
調べてみると、その合理性にびっくりしてしまいました。
本編では、生理的構造として「音がどのように取り込まれるか」から始まり、音源の方角を認知する仕組み、なぜ年寄りにもハイレゾが認知できるのか、記憶は思い出せば思い出すほど自分の都合の良い方に変化してしまう(好ましい記憶は美化される)こと、「絶対音感」は生まれつきではないこと、忘れてしまう記憶と忘れられない記憶の違いなどを記述してみました。

pdfファイル:  『音場再現と聴覚の限界』統合版

音場再生の限界について

私の目指す「音場再生」ですが、「2chという限られた情報からできる限りの空間情報を引き出す」というスタンスで進めるしかありません。
まず、人間が空間を認識する5要素である『音量差』『時間差』『スペクトル』『位相差』『残響』について記しました。
次に、ステレオフォニックとバイノーラルについて、その得失とメーカーサイドの取り組みについて記述してみました。
続いて、録音現場〜ミクシングの実状と問題点について触れています。

pdfファイル:  『音場再現と聴覚の限界』統合版