■はじめに 悪い冗談としか思えない『ミツバチのささやき』国内盤の劣悪画質に比べ『エル・スール』国内盤の画質はそれほど悪くはありません。しかしこの『エル・スール』も1:1,66という画面比のヨーロピアン・ビスタ作品をスクイーズ収録するにあたって画面の上下がトリミングされてしまっているという欠点があります。つまり本来なら見えているはずの部分が切れてしまっているのです。良識あるメーカーなら上下左右に黒味を入れてスクイーズ化し、ヨーロピアン・ビスタをきちんとノートリミングで収録（『ニューシネマ・パラダイス』や『続・荒野の用心棒』など）してくれるのですが、残念ながら東北新社はそこまでこだわったDVD製作をしてはくれませんでした。スペイン盤『エル・スール』は非スクイーズ収録でほぼヨーロピアン・ビスタが再現されていますが、左右が若干トリミングされているようです。ちなみにこのスペイン盤、なぜかオープニング・クレジットが途中のオーロール・クレマンから始まります(笑)。

■ジャケット＆ディスク紹介 国内盤 スペイン-PAL盤 ■仕様、その他のデータ [国内盤] ・東北新社 ・Region 2 - NTSC ・本編1:34:15 ・音声：ドルビーデジタル/スペイン語/モノラル ・画面仕様：16:9 ビスタ・サイズ ・チャプター数：22 ・字幕：日本語 ・片面・1層 ・3,800円（税抜） ・発売日：2000/6/30 プロダクション・ノート スタッフ＆キャスト紹介 スペイン版オリジナル予告 日本版劇場予告 現在廃盤 [スペイン-PAL盤] ・Manga Films ・Region 2 - PAL ・本編1:29:42 ・音声：ドルビーデジタル/スペイン語/モノラル ・画面仕様：4:3 ビスタ・サイズ ・チャプター数：8 ・字幕：なし ・片面・1層 ・14,99 Euro ・発売日：2002/7/10 受賞履歴 キャスト＆監督のフィルモグラフィ キャスト紹介 スタッフ紹介 ■メニュー画面比較 国内盤メニュー画面（左上）、国内盤チャプター画面（左中）、国内盤特典画面（左下）、スペイン-PAL盤メニュー画面（右上）、スペイン-PAL盤チャプター画面（右中）、スペイン-PAL盤特典メニュー画面（右下） ■平均ビットレート比較 [国内盤] [スペイン-PAL盤] ■画面比較 上が国内盤、下がスペイン-PAL盤 画質的にはほとんど差はありませんが、上下がトリミングされている国内盤では、スペイン盤には見えるエストレーリャの左手の指輪が隠れてしまって確認できません。色温度の関係で国内盤がやや青味がかった感じ、スペイン盤がやや赤味がかった感じの画になっています。 上が国内盤、下がスペイン-PAL盤 エストレーリャとアグスティンの足が国内盤だと途中で切れていますが、スペイン盤は全体が見えています。 上が国内盤、下がスペイン-PAL盤 国内盤とスペイン盤の画の色温度の違いがよく分かります。やはり国内盤は上下のトリミングのせいで画がせせこましく感じられます。 上が国内盤、下がスペイン-PAL盤 スクイーズ収録されている国内盤の方が画に細密感があり解像度も高く感じられます。 ■総評 とりあえず現時点で満足できるクオリティを持った『エル・スール』のDVDは無いと言うのが結論です。スペイン盤は無理して買うほどのものではありません（何せオープニング・クレジットの一部がカットされてる！）し、国内盤は既に廃盤ですがオークションで無理して高値で買うほどのものではありません。むしろビデオの方が画質は良いかもしれません（さすがに解像度ではDVDに劣るでしょうが）。LDプレーヤーを所有しているなら勿論LD版がオススメです。クライテリオン盤『ミツバチのささやき』の発売が決まった今（2006/7/22現在）、クライテリオン盤『エル・スール』の発売も十分期待できるのではと思っています。その時は是非幻の「南」を描いた部分の未発表スクリプト（の筈）の英訳が収録されたブックレットを付けて欲しいですね（ってさすがにこれは有り得ないか^^;）。 [国内盤] 画質：  音質： 特典： [スペイン-PAL盤] 画質：  音質： 特典：

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