スペインPAL盤DVD『対決』


 
作品解説

オムニバス形式による三章のうちの一章に過ぎないが、エリセが初めてプロフェッショナルな映画を監督した作品。国立映画学校で同級生だったクラウディオ・ゲリンとホセ・ルイス・エヘアがそれぞれ第一章、第二章を担当、エリセは最終章を任された。カルメン・アロセナによると、製作のきっかけは全ての章に唯一人出演したエリセの章では主人公を演じるアメリカ人俳優ディーン・セルミアと、同じくアメリカのジャーナリスト、ビル・ブームが出資を募り、プロデューサーのケレヘタに持ちかけたことに始まり、ケレヘタはこの若者三人によるオムニバスを思いついた。当初の企画は一つの物語の構成を三つのパートに分けるアイディアだったが、最終的には四人の登場人物や閉鎖的環境、そして悲劇的結末、という三つの共通の要素を備えつつ、それぞれ個別の物語を持つ独立した短編を三つ連ねた形に落ち着いた。各エピソードのシナリオは先ずそれぞれの監督自身が書き下ろし、最終的に脚本家ラファエル・アスコナが全章に目を通した。おそらく三つの短編に一貫性を持たせる一種の監修者としてプロデューサーがアスコナを指名したのだろうと思われる。アスコナは元々小説家・詩人であったが、1958年にイタリア人マルコ・フェレーリに彼のデビュー作となる『小さなアパート』(58)の原作と脚本を提供して映画脚本の仕事を始めて以降、ルイス・ガルシア・ベルランガ監督の作品などを生み出しスペイン映画屈指の脚本家になっていった。ケレヘタはカルロス・サウラの『ペパーミント・フラッペ』(67)から彼とのコラボレーションを開始していた。しかしエリセはアスコナと折り合いが悪く、最終章にはこの脚本家の筆跡はあまり認められないと言われている。またこの映画のシナリオは、検閲をパスするのに苦労したという。結論から言うと、ケレヘタは製作許可を得るため脚本の事前検閲に三稿も提出したが、許可が下りないまま映画は完成した。この場合、法的には存在しないものであったため一般公開が不可能なところを、ケレヘタの機転によって事後処理し決定を覆させたようだ。近親相姦を示唆するエピソードを含む第一章や、エリセの章に描かれるコミュニティ独立や「自由な愛」宣言といった描写に対して検閲官が懸念を示し、製作が許可されなかった、と言われている。出自がいわくつきのこの映画は、スペイン人カップルのもとによそ者(アメリカ人)が侵入することで衝突が起こり、嫉妬によって悲劇へと発展する様が三通りに描かれている。
『E/MブックスG ビクトル・エリセ』より引用

パッケージ




仕様、その他のデータ

原題:Los Disafios
[Disc1]
・Manga Films
・Region 2 - PAL
・本編1:40:00(PALtime)
・音声:スペイン語DDmono
・画面仕様:1:1.66(ヨーロピアン・ヴィスタ)
・チャプター数:3
・字幕:なし
・特典
  スタッフ&キャスト情報
・発売日:2005/12/14
・価格:EUR 14,99


本編の平均ビットレート


DVD所感

映像S/Nが悪くかなりノイジーな画面、フィルム傷も目立ちます。ほとんど3倍録画のVHS並の画質ですが発色はそれなりに良いです。リマスターではなく旧いビデオマスター素材をそのまま使用していると思われますが、どのみち元素材であるフィルムの状態からして相当に悪いのでしょう。ヴィスタのレターボックス収録。音声はスペイン語のみで、残念ながら字幕は一切なしでした。しかしあの!あのビクトル・エリセが初めて商業映画の監督をした作品がDVDになったことは快挙ですし、映画ファン的にはもはや事件といっても良いと思います。Manga Films本当にグッジョブです。是非日本でも発売されて欲しいですね。

画質:
音質:
特典:

メニュー画面キャプチャ



メニュー画面TOP(左上)、エピソード選択画面(左中央)、特典メニュー画面(左下)、本編キャプチャ画面1(右上)、本編キャプチャ画面2(右中央)、本編キャプチャ画面3(右下)


 

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