2000年6月30日に発売されたDVD『ビクトル・エリセ スペシャルBOX』(単品発売もあり。ただしボーナス・ディスクはBOXのみの特典)をできるだけ詳細に紹介していきます。又、ソフトのクオリティーに関する簡単な所感もありますが、あくまでも私(エリセ)個人の意見ですので、そこはご了承ください。
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[追記] 現在、このBOXセットは単品版も含めて廃盤となっています。より高品質な盤として再販されることを願って…。 2004/1/8 |
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【収納BOXのデザイン】
箱自体の作りは、そこそこしっかりとしたもの。でも
ジャケットは「ミツバチのささやき」のワンシーンを流用した
だけの簡単なもので、ファンとしてはもう少し凝ったデザインに
して欲しかったですね。
発売元:東北新社
総収録時間:244分
「ミツバチのささやき」
「エル・スール」
「ボーナス・ディスク」
の3本セット。
特製ポストカード全3枚。
7,600円(税抜)
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【収録ディスク紹介】
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【ミツバチのささやき】 −EL ESPIRITU DE LA COLMENA−
【仕様】
TCD-1007/1973年/99分/片面・1層ディスク
スクイーズ収録(ビスタサイズ)
オリジナルスペイン語(ドルビーデジタルモノラル)
デジタル・ニューマスター版
【メニュー画面】
メインテーマ曲にのせて映画の各シーンが
次々と入れ替わりで表示される。
チャプター(総数23)
プロダクションノート
一部のキャスト・スタッフ紹介
スペイン語オリジナル予告
日本版劇場予告
【クオリティーチェック】
LDBOX版の画像と比較した結果以下の違いが確認できました。
・天地が少しトリミングされている。
・画面全体がかなり暗い(これが最も違和感を感じます)
・暗部が潰れている(細部が全然見えません。情報量が少なすぎます)
・絵の色温度が高い。
(冒頭に上映さえる「フランケンシュタイン」の映像が真っ青)
・色ムラがかなり気になる個所がある。
・空の色が不自然に出ている個所がある。
(特に冒頭トラックが道を走ってくるシーンの空)
・音声レベルが小さい。
う〜ん・・・ちょっと酷すぎますね〜(T_T)
いくら画質が二の次といってもこれでは作品の魅力が半減です。
独特の柔らかな黄色の色調が、このDVDでは表現できていません。
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【エル・スール】 −EL SUR−
【仕様】
TCD-1008/1983年/95分/片面・1層ディスク
スクイーズ収録(ビスタサイズ)
オリジナルスペイン語(ドルビーデジタルモノラル)
デジタル・ニューマスター版
【メニュー画面】
スペイン舞曲集「アンダルシア」にのせて映画の
各シーンが次々と入れ替わりで表示される。
チャプター(総数22)
プロダクションノート
一部のキャスト・スタッフ紹介
スペイン語オリジナル予告
日本版劇場予告
【クオリティーチェック】
LDBOX版の画像と比較した結果以下の違いが確認できました。
・天地が少しトリミングされている。
・画面揺れがある。
・画面の色温度が高め。
(やはり劇中での白黒映画「日陰の花」が青い)
・暗部が潰れ気味(「ミツバチ〜」よりはマシなレベル)
「ミツバチのささやき」に比べれば、かなりマシな画質ですね。
でも、やっぱりLD版にはちょっと劣るような気がします。
LDの滑らかな絵がエリセ作品にはあっているのかも・・・。
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【SPECIAL DISK−VICTOR ERICE IN MADRID−】
2000年4月12日、スペインのマドリッドで撮影したエリセ監督へのインタビューや
ロケ地などの貴重な映像を収録したボーナス・ディスク。
【仕様】
50分/片面・1層ディスク
スタンダードサイズ
オリジナルスペイン語(ドルビーデジタルステレオ)
BOXのみに付属する非売品ディスク。
【インタビュー内容】
「ミツバチのささやき」について
・アナ・トレントの出会いは
・アナにくらべてイサベルは現実と幻想の区別がつく役どころでした。
・子供たちの教育と養育についてどのように思われますか。
・作品中に映画館の場面があるのは学校外の映画体験からでしょうか。
・現代という時代の特異性の中で、映画体験も変わってきました。
マエストロ(偉大な監督)を語る
・「ミツバチのささやき」の冒頭に出てくるラッパを持ったおばさん(テレサさん)
とフォード監督「幌馬車」でラッパを吹くJ・ダーウェルの類似性について。
・ところでロング・ショットをよく使われていますね。
・たとえば溝口監督のロング・ショットはフォードとは違った距離感があります。
・マエストロたちが描いたフィクションは衰退してしまいましたが・・・。
・あなたの映画は衰退したフィクションを現実と摩擦させるという価値を持っています。
・映像が容易に手に入る現在、その編集により時間をかける必要が出てきたのでは
「エル・スール」をこえて
・映画監督にとって父親と娘の物語とは一体どいうものでしょう。
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【オマケ、その他】
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【解説書とポストカード】
ポストカード三種(上)と各種解説書(下)
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