ギフチョウ属 Luehdorfia (リュードルフィア) とはどんな蝶か
220余の種類が棲んでいる、日本の蝶の中でも、この蝶はゼフィルスと並んでもっとも人気のある蝶です。
このギフチョウ研究会もギフチョウとその食草に魅せられた者の集団です。
ギフチョウ属の蝶は早春まだ残雪が残っている頃人里近くの雑木林から飛び出す小型で可憐な美しい
アゲハチョウ科の蝶です。
日本に棲むギフチョウ属はギフチョウ Luehdorfia japonica,ヒメギフチョウ Luehdorfia
puziloi が
リュードルフィアラインを境に南北に棲み分けています。
ギフチョウ属の蝶は早春まだ残雪が残っている頃人里近くの雑木林から飛び出す小型で可憐な美しい
アゲハチョウ科の蝶です。
ヒメギフチョウは細かく分けると北海道に棲むエゾヒメギフチョウ Luehdorfia puziloi yessoensis や信州を中心に棲む
ヒメギフチョウ Luehdorfia
puziloi inexpecta とに分けることが出来ます(幼虫の形態が多少違います)
そのほかに中国にはシナギフチョウ Luehdorfia chinensis、オナガギフチョウ L.
longicaudata などが棲息していますが、
ロシアのウラジオストック近辺には、エゾヒメギフチョウのルーツではないかと思われるウスリーヒメギフチョウ
Luehdorfia
.puziloi. puziloi (原名亜種)が棲息しています。
しかしこれらの蝶は日本のギフチョウ属のように徹底的に調査されておらず、まだまだ生態など未知の部分が
あり、研究者にとってはその面でも魅力ある蝶です。
ギフチョウとヒメギフチョウの違い
ギフチョウとヒメギフチョウの成虫は、ちょっと見ただけでは分かりません。
ギフチョウの成虫標本 ヒメギフチョウの成虫標本
ギフチョウとヒメギフチョウは本当に似ていますが、よく見ると斑紋を中心に相違点があります。
ギフチョウとヒメギフチョウの成虫の見分け方
ギフチョウ | ヒメギフチョウ | |
A:黒条紋 | 幅が広い | 幅が狭い |
B:黄条紋 | 一番上が内側にずれて入り込む | 連続的につながる |
C:外縁 | 翅の外縁が直線的 | 翅の外縁が丸い |
D:弦月紋 | だいだい色 | 黄色 |
E:尾状突起 | 先が太い | 先が細い |
そのほかにギフチョウとヒメギフチョウは、幼虫の形態が違う(気門下隆起紋、色)、食草が違う(ヒメギフチョウは
ウスバサイシン Asiasarum sieboldii ギフチョウはカンアオイ類各種)、生態も違う等々 沢山の相違点があるので別
種になっています。
ギフチョウの幼虫
(食草コシノカンアオイ Heterotropa megacalyx)
ヒメギフチョウの幼虫
(食草ウスバサイシン Asiasarum
sieboldii)