新型コロナウイルス感染症(COVID-19)


新型コロナワクチンと医療体制
懸念されていた第7波が大きな波となって襲来した。新型コロナウイルスの感染拡大および重症化を抑制する手段としてのワクチン接種が急ピッチで進められている。急激なコロナ患者の増加は医療体制の負荷を急増させ医療崩壊が懸念される。 例えばコロナ患者以外の救急搬送の受け入れ先がなかなか決まらないといった状態は医療崩壊が間近に迫っている状態ではないか。さらに搬送先の医療機関を救急車の中から電話で順番に探すというような非効率的な状況が早く改善されることを願っている。 感染症や妊産婦の入院可能な病院船があれば医療崩壊を防ぐ有力な手段になると思えるが。病院船の建造は先送りになっているが早急な検討開始が望まれる。 一方で残念ながら国産ワクチンや治療薬は大きく遅れているようだ。ワクチンや治療薬の開発のスピードアップに国の積極的な支援が望まれる。

病院船
今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で日本の医療体制について不安を感じた。国際的に見て日本の医療は質は高レベルだが量は高レベルといえるのか。 たとえば人口1,000人当たりの医師数について国際的にみて高レベルとは言い難い。多くの重症患者がでたときベッド数不足だけでなく医療従事者不足による医療崩壊が懸念される。 一度に多くの重症患者がでたときの医療崩壊を防ぐために病院船の建造は、実現までに時間がかかるという問題はあるが、解決手段の一つとして有力と思える。 有事の際の国民の命を守るための移動できる病院として病院船の実現を期待したい
令和2年度は病院船に関する調査検討が関係省庁で行われるということだが、結果を注視したい。 病院船の建造は、災害や感染症などの有事の際に役立つだけでなく魅力的な病院船が建造されれば、他国からの受注も期待でき、日本の造船業界にとってもプラスになる。 たとえばAIを積極的に活用して、少数の医療従事者で維持できる病院船ができれば「魅力的な病院船」といえよう。
病院船は建造されれば、ウイルスという外敵から国民の生命を守るという重大な任務を負うことになり外敵から国民の生命を守るという点では、例えば最近話題になっているイージス艦に匹敵すると思われ、 病院船の建造予算としてもイージス艦に匹敵する規模を期待したい。

病院船の活用に関する検討会の「報告書」および「政府の考え方」
令和3年3月に病院船の活用に関する検討会の「報告書」および「政府の考え方」が発表された。
報告書(令和3年3月)(http://www.bousai.go.jp/kaigirep/ship/pdf/houkoku.pdf)
病院船の活用に関する調査・検討を踏まえた政府の考え方(令和3年3月30日)(http://www.bousai.go.jp/kaigirep/ship/pdf/kentou.pdf)

上記「政府の考え方」によると病院船の活用に向けては、①医療従事者の確保、②運航要員の確保、③平時の活用方策という3つの大きな課題がある。 ①医療従事者の確保については、災害時は陸上の拠点病院が中心となるため、災害医療において中心的な役割を担うDMATのみならず、医療関 係団体と十分に調整し、合意形成を図った上で、災害医療人材の育成・確保に取り組む。 これらの課題が解決していない現状を踏まえ、当面、新たに病院船の建造に着手するのではなく、既存船舶を活用した災害医療活動の具体化に取 り組むこととする。

病院船の実現に向けて征爺やの願い
上記のように残念ながら、新たな病院船の建造の着手は当面見送りとなった。 上記の「報告書」には「平時の活用方策については、災害時の即応性と民間活用等による収益性を両立できる具体的方策は見いだせていない」・・・「病院船を建造することを前提として、平時における収益性やコストは考え ないという立場もありうるが、本検討会としては、そのような立場はとらなかった。」との記載があり、病院船の平時の活用・収益性が課題として挙がっている。 「新たな病院船の建造の着手」は当面見送りとなったが、近い将来の再検討を願う。その時は病院船の平時の活用・収益性については、「病院船の建造の着手」の阻害要因とならないような配慮を望む。 たとえば病院船はウイルスという外敵から国民の生命を守る防衛設備として位置づけ、国の防衛予算から捻出してほしい。

どのような病院船があればより多くの国民の命を守れるか、病院船の仕様、規模など今回の新型コロナウイルス感染症の経験から精査し、よりよい病院船の建造に向けての検討が進むことを期待したい。 3年以上におよぶ新型コロナウイルスとの戦いの中で医療体制について多くの課題が浮かび上がっている。例えば感染症や妊産婦の入院可能な病院船が東京湾に待機していたら、どのような効果か期待できるか検証する価値があると思えるのだが。 Home