夜市あれこれ

 台湾の夜の楽しみは何と言っても夜市。
 屋台村とでも言えばイメージしやすいかな。縁日にあるような小さな屋台がずらりと並んで、夕方の5、6時辺りから深夜まで大勢の人でにぎわう。
 台北のあちこちに幾つも夜市があり、それぞれに特徴もあるのですが、ここでは私が行ってみた夜市を簡単にご紹介しましょう。

士林観光夜市
 台湾で最大の夜市。
 土曜の夜に行ったせいもあるけれど、非常に混みあっていました。
 食べ物の屋台は無論、様々な雑貨、服等も売っています。中で印象的だったのが、ペット・ショップ。子犬や子猫や爬虫類、ありとあらゆるペットがショーケースに入れられた状態で間近に見られるのです。可愛いけれど、ペットの身になればかなりかわいそうなんではないかい、と思わないでもなかった。あの人ごみの中、夜遅くまで店に並べられていたらストレスも溜まりそう。早く誰か優しいオーナーに引き取られて欲しい。
 さて、ここには食べ物の店だけが大きな建物の中に集められた屋台街もあります。ここで屋台グルメを満喫するつもりだった私ですが、予想以上の人波と熱気にたじたじとなってしまいました。あまりに人が多すぎてじっくり見てられないし、ゆっくり食べる空間もあまりない。おまけに空調が悪いのか蒸し熱い。雨をしのげる屋根もこの時ばかりは邪魔でした。11月でこれなら夏場はどうなのよ。その中でかろうじて食べたものは、揚げた餅かダンゴのようなものをクレープに包み、好みの味をつけてもらうもの。大餅包小餅とかいうみたい。私はピーナツ味を選ぶ。後ソーセージなんかも食べたなぁ。
 もしここの夜市を訪れるのなら平日がいいかもしれない。人が少なかったら、やっぱり広くて店舗数も多いからすごく楽しめると思います。

華西街観光夜市
 個人的には、ここの夜市が一番おもしろかったです。
 士林観光夜市の人ごみに負けた後、現地の友達に蛇スープの食べられる所に連れて行ってあげると案内されました。
 ちょっと下町の商店街ぽいアーケードになった夜市ですが、やけにけばいネオンが微妙なレトロ感も漂わせる。
 並ぶ店も他の夜市とはちょっと違って怪しいというかコアというか。普通っぽいレストランに混じって噂の蛇の店が幾つも並んでいます。これらの店は、どこも店頭でのマイクを使って大声での客の呼び込み、蛇を実際にさばくパフォーマンスで非常に目を引きます。
 こういうのテレビで昔見たことあったけれど、本当にやってるとこあるんだぁ。
 蛇にはすまなく思いつつも思わずカメラを構えるが、撮影は禁止だと手振りでとめられました。やっぱりあまり大っぴらにするのはまずいのかな。そうした店の一軒に入り、蛇のスープ、そして更に蛇の生き血、胆汁、毒(?)のグラスの三点セットを頼みました。このグラスには幾つかのカプセルがうかんでいて、余計に怪しさを強調しています。何だか分からないところが、また恐い。蛇スープは体によさげな漢方が入っていて薬膳風。蛇の身はほとんど骨ばかりで身も固く、油っけのないウナギみたいでしたが、スープは実際おいしかった。グラスは…ははは…お酒で割ってるのでそれほどくせはなかったけど。でも、おかげですごく元気にはなった気がしました。かなり強行軍の翌日観光も平気でこなせたもの。
 その他にも中国系の男性がたくさん集まっていたスッポンの店。それこそ正体不明のムカデの店なんかもありました。その昔この一体は色街だったようで、その名残か精力つけるものよく売っているようです。大人のおもちゃの店もあったなぁ。もちろん普通の店もありますよ。私はここでカラスミをお土産に買いましたが、他のどこよりもここのが安かったです。一腹350元。
 後、この夜市の傍には龍山寺という台北最古という仏教のお寺もあって、日が沈んでから行くとライトアップに屋根や壁に施された金箔が映えてとても綺麗なので、夜市のついでに立ち寄ることをお勧めします。日本のお寺との違いが興味深いです。

饒河街観光夜市
 ここも結構混んでいました。一本の通りの両側に、そして道の真ん中にもずらりと屋台が並んでいます。薬膳風のスープの店がちらちらと目に付く。
 ここは食べ物中心の夜市の傍に服飾品の店がひしめく問屋街あるのですが、とにかく広くて店の数が多い。おまけに安い。デザインは若い子向けのものがほとんどで年寄りの私にはちょっと選ぶのが難しかったけれど、チャイナ風の薄手のコートを発見。これがすごく可愛くて、しかも安かったのです。なんと1200元。4000円しないとは! 掘り出し物。



士林観光夜市のにぎわい



華西街観光夜市のアーケード。ネオンが呼んでいる。




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