ペトラ

おそらくヨルダンを訪れる旅人にとって目玉とも言えるのがこの遺跡。
薔薇色の都市ペトラ。
映画『インディー・ジョーンズ』で紹介され、世界的に有名なりました。
遊牧民のナバタイ人が築いた隊商都市ですが、ローマやエジプトの影響も随所に見られる、独特の建造物が見物。
狭い岩の裂け目にある道を通った先に現れる霊廟エル・ハズネの姿は圧巻でした。

ここいらの岩山は七色の岩石を含んでいて、それが所々瑪瑙のような縞模様を見せているのが美しい。
その微妙な岩の色によって、エル・ハズネは時間ごと、光の加減によって微妙に異なる薔薇色に染まるのです。
ちなみにこの霊廟、中には本当に何にもありません。
離れた場所から拝むのが一番のようです。


これはエル・ハズネに似ているけど、また別のエド・ディルという遺跡です。
山の上にあるので辿りつくのは結構大変ですが、なかなか見ごたえあるので足に自信のある方は是非。
往復2時間かかると聞いていたんですが、時々休憩入れながらでも30〜40分で着きました。
階段はきついけれど、途中岩山から眺める絶景も楽しめます。


これは、『ペトラ・パイ・ナイト』と呼ばれるペトラ遺跡で夜開かれるライトアップ・イベントです。
見えないけど、キャンドルの灯りの向こうにエル・ハズネがあります。
月・水・木の8:30から10:30まで。
私達は、この夜、ペトラから少し離れた村にある、タイベット・ザマンというホテルに泊まったので、ホテルからチャーターしたタクシーを飛ばして行きました。
片道15分ほどでタクシー代が一台につき12JD。チケット代が一人当たり12JD。このチケットも運ちゃんがくれます。
ちなみにお金はホテルに戻ってから払いましょう。
私達の運ちゃんは時間通りちゃんと待ってくれてたし英語も達者でしたが、最後にお金払う段になって、タクシー代14JDと言い出したので、それは私がホテルのフロントで聞いた話と違うと主張して、お釣りをきっちり返してもらいました。
日本人だからぽろうと思ったのかな。
念のため、車に乗り込む際に確認した方がよかったかもしれません。
これがなかったらチップあげてもよかったのですが、このせいで、なしです。
それでも、ペンを1本あげましたが…。
さて、ショーのことに戻ります。
15分ほど前に遺跡前に着きましたが、既に観光客でいっぱいです。
そのうちガイドがやってきて、注意事項を説明しだしました。
ムードを壊さないようなるべく沈黙を保つことやフラッシュはたかないとか。
その後、いよいよ遺跡の中に入っていきます。
ライト・アップといっても、遺跡の入り口からエル・ハズネにいたる細い道をキャンドルの灯りを頼りに歩いていくという静かなものです。
派手派手しくはないけど、これはこれで趣があっていいかも。
岩の裂け目の通路沿いに並ぶキャンドル。幸い、この夜は満月であったので、充分明るいくらいでした。
40分程歩いてやがてエル・ハズネの前までたどり着くと、やはり一面にキャンドルが灯されていて、仄暗く聳え立つ霊廟は神秘的。
絨毯に腰を下ろし、ふるまわれたシャイを飲んで待っていると、そのうちベドウィンの音楽が始まります。
初めは弦楽器、次は笛。奏者は1人だけ。やはり地味。
そのうち月が丁度遺跡の上に現れました…エル・ハズネが月光の中にぼうっと浮かび上がります。
もうこれだけで、ここまで来たもとは取れたと思いました。
ですが、一緒に来た父はそろそろ限界のようで、気がつけば、隣で舟を漕いでいます。
そろそろ潮時かと、私達は2曲目が終わるのを見計らって、その場を後にしたのでした。


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