小山梧岡 「録丁鶴年詩」 |
長江千萬里 何處是儂郷 但見晴川樹 依稀認漢陽 録丁鶴年詩 梧岡 印:朝陽之印 引首:梧岡 |
丁鶴年(1335〜1424)は元末明初の詩人。色目人で彼の曽祖父は元の世祖(フビライ)の征西を助けた貿易商人であった。鶴年は武昌で文章家として若年より評判を得ていたが、方国珍や紅巾軍の乱により、色目ゆえに義母と逃亡の生活が始まった。義母もなくなり数十年の後明王朝が江南を支配すると、鶴年はようやく武昌の地に戻ることができた。しかしその地では生母も一族も虐殺されており、ただ一人で墓守をして貧しい暮らしのうちに生を終えたという。没後正統年間に勅命により丁鶴年の詩集が出版され名を残すこととなった。 |