<楽楽・神戸>練習風景


2009年12月19日 KUMC第54回定演
コンマスのJ.Sさんの原稿です。

今年も早いもので、
KUMCの第54回定期演奏会が
12月19日に開催されました。

寒波がやって来、
真冬並みの寒さの中、
今年の演奏は
クールで上品な印象でありました。
さて、ここからは私の勝手な感想ですので、
ご参考にならないかもしれませんが、
紙面をお借りしたいと思います。

一部でいいなと思った曲は
雁大樹作曲の「空色の時間 最終楽章」でした。
しっとりしたギターソロで始まった後、
徐々に各パートが折り重なり
静かに盛り上がって行き、
最後もマンドリンソロで
しっとりと静かに終わる、
そんな落ち着きがあり
風景と空間描写を感じさせる
佳曲でありました。

劇的序楽はよい曲ですが、
劇的さをもっと前面に出す力強さが
欲しかったと思います。
これは指揮者の個性なのかもしれませんが・・・。

二部は指揮者が変わり、
さすが一年先輩だけあって
音楽の力が一変しました。

中でも吹奏楽曲の編曲「エル・カミーノ・レアル」は
見つけ物でした。
最初の一小節で私が身を乗り出すほど、
引き込まれる集中力でこの曲は始まり、
全体に華やかで
随所にパーカッションが効果的に決まり、
マンドリンでもこのように聴かせることが出来るのだ
という嬉しい発見でした。

「汽笛の丘」は少々長い曲ですが、
個人的にはお気に入りの曲で、
この日の演奏はそつなく手堅く、
かといってこじんまりではなく
初演に比べ
さらに完成度の高い演奏であったと思います。

三部では人気曲、久保田孝作曲「舞踊風組曲第二番」が
トリでした。
特に印象的だったのは、
ドラの響きがとてもよく歌っていたことです。
人数が多いこともありますが、
このバンドが低音パートに
力を持っていることを象徴していました。

ところで、
最後のアンコール曲「卒業写真」
を聴いてホッとしたのは私だけでしょうか?
学生らしい選曲・素直な演奏に、
緊張していた私の耳が緩んだ瞬間でした。

毎年、違った色を見せてくれる現役の演奏会は楽しみであり、
100名を越えるメンバーを維持し
隆々とその歴史を重ねていることにも感心しながら、
ほんのりと心は暖まり、
寒い夜のなかを帰途につきました。

                            2009年12月20日 J.S記




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