<楽楽・神戸>練習風景


2009年 3月 9日(月)3rd Concertのプログラムの図柄について

指揮者福本さんのからの投稿です。

3rd Concertのプログラムの図柄の紹介がありました。
この絵はSpainの古都Toledoの風景です。

絵をデザインして下さった堀口さんは、
U部(異郷・憧憬)で、
ヨーロッパの大河を巡る音楽紀行を
取り上げたことにより、
今回はSpainの曲は1曲もないのですが、
川を配置した表紙図柄に、
Toledoの風景を採用して頂いたのだろうと
推測しています。
私が訪れた時の写真を紹介しますので、
プログラムの図柄と見比べてください。



ここで、少し【古都トレド】の歴史散歩を!
「もし1日しかスペインに滞在することができないのなら、
迷わずトレドへ行け」とも言われています。
スペインを訪ねたら是非訪れたい街です。

首都マドリッドから南へ70キロ。
灼熱の太陽に焦がされた赤茶けた大地の中に
忽然と姿を現す中世の街、古都トレド。
街は三方をタホ川に囲まれた小高い丘の上に、
城壁に囲まれ狭い石畳の路地が
迷路のように入り組んでいます。
この絵&写真のように、
対岸から眺めれば、
頂上にアルカサル(城塞)がそびえ、
スペイン・カトリックの総本山、
カテドラル(大聖堂)の壮大な姿、
丘の斜面を埋め尽くす無数の煉瓦色の屋根。
前に流れる川は、
イベリア半島で最も長く
スペインとポルトガルの大地を潤している
全長1,008kmのタホ川で、
この絶景は巨匠エル・グレコも筆を取っています。

トレドにはローマ帝国の要塞が築かれ、
その後に6世紀に西ゴート王国の首都となり、
8世紀にはイスラムに征服され、
11世紀、再びカトリック・スペインの都と
なりました。
16世紀、都がマドリードに移るまでの間、
支配者がめまぐるしく変わりながらも、
この都は中世ヨーロッパ随一の栄華を誇り、
政治・経済・文化の中心であり続けました。

「ムーアのグラナダ」でご紹介しました
レコンキスタ(国土回復運動)により
イスラム勢力が退いた後も、
キリスト教とイスラム教が
融合して発展したトレドの街は、
スペイン文化の源流とも言えるのでしょう。

現在もカトリックのスペイン大司教座は
トレドの大聖堂に置かれ、
スペインを代表する画家エル・グレコが定住した街で、
イスラム文化の名残も残す
中世の雰囲気を濃厚に感ずる
世界遺産の街です。




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