<楽楽・神戸>練習風景


2008年10月27日(月)
指揮者のFさんからの投稿です。

オペラ「南の港にて」間奏曲

2008年10月25日(土)のマンドリンのR.Tさんの「練習風景」に、
指揮者曰く、
「どろどろした愛憎劇、裏にあるのは純愛。
だからこの曲はラブソング。」
と言う記述をしていただきました。

このオペラは、
イタリアマンドリン百曲選第13集の解説にあるように、
ナポリの細民窟を題材に愛と嫉妬を主とした悲劇であり、
愛と嫉妬を主とした悲劇で、
裏にあるのは純愛で、この曲はラブソング

とまでは私は思ってないので、
念のため一筆したためます。
私の言い方が悪かったようです、
R.Tさんごめんなさい。

ナポリの港町を舞台に、
ギャンブルにあけくれる放蕩息子と母マリア
そして昔の恋人等が巻き起す愛憎劇で、
ナポリの明るさとは対照的に
これから起こる悲劇を予感させます。

冒頭のこれから起こるであろう悲劇を
暗示するような出だし、
そこにMn.Soloのどこか悲しげな憂いを秘めた旋律が
切々と歌われています。
34小節のMn.Soloには、
con dolore(深く悲しんで)との表記もあり、
多分、昔の恋人の彼を慕う想いに
色んな屈折した揺れる想いが交じりあい、
深く悲しい胸の内が
切々と歌われているんだろうと推測します。

オペラ愛好家の私が調べても、
このオペラに関する記述は殆ど見つかりません。
かっては好評を博したようですが、
現在は忘れ去られ、
オーケストラ・スコア中に
珍しくマンドリンとギターが書き入れられ、
Mn.独奏パートもあるのでMn.界でのみ
この間奏曲がよく弾かれているようです。
かのボッタキアリさんもマスカーニに師事し、
オペラを書いていますが、ほとんど知られていません。
舞台で演じられる少数の有名なオペラの陰で、
世に出ていないとか忘れ去られたオペラは
枚挙にいとまがないほどにあるのでしょうね。

これ以上の曲の解説は
大西Proに補足していただけることだと思います。




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