片島魚雷試験場跡 (川棚魚雷試験場跡) 

片島魚雷試験場跡 (川棚魚雷試験場跡)
大崎半島の対岸に伸びた緑豊かな半島・片島には、 戦争中に海軍工廠で作られた魚雷の試験が行われていたその遺構が残されています。

佐世保海軍工廠や三菱長崎兵器製作所で製造された魚雷の発射試験が行われ、 魚雷の最終検査や調整などをしていたのではないかと言われています。 ここで合格となった魚雷が佐世保鎮守府に送られていたと考えられています。

 ▲ 小さな手書きの案内表示があり、ここから歩いて行く

 ▲ これも何かの施設の跡だろうか?
手書きの案内表示に従って歩いて行くと、最初に目に入るのが、 幅約3mほどのトンネルです。
このトンネルは、魚雷組み立て工場の跡で、 当時は通風及び照明の為に貫通していました。 長さ 約100m、高さ 約3.5m、幅 約3mのトンネルです。 現在は手前の方数mの空間が見えるだけで、奥は埋まっている様です。

トンネルを左手に見ながら、林の中へと入っていくと、右手に何かの建物の台座の様な枠組みがあります。 何か関連施設の跡なのでしょうか・・・?

林の中を進み、海へ抜けると、現れました!!!
海に突き出た発射試験場と、陸地には2つの建物が残っています。 神殿の様にも見える大きな建物は、魚雷発射試験場本部跡です。 屋根はなく、外壁のみが残っています。

 ▲ このトンネルは、魚雷組み立て工場


【現地案内板の説明】

佐世保鎮守府が会長されて間もなく、海軍工廠が佐世保湾の北岸に開設された。 この工場で製造される魚雷を実地に発射試験するために 大正7年(1918年)川棚村三越郷の片島に魚形水雷発射試験場が設置された。
発射した魚雷の進行状況を頂上の観測所から観測し性能試験を行った。
太平洋戦争勃発後、昭和17年(1942年)川棚に分工廠が設置されたことに伴い、 魚雷発射場の施設がさらに拡張され、その際に片島は海峡が埋め立てられて陸続きとなった。

 ▲ 魚雷発射試験場本部跡

 ▲ ここで魚雷を調整して様だ

 ▲ 魚雷発射試験場本部跡の右側に小さな小屋

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海上に突出した発射試験場の跡へ足を踏み入れてみました。 特に注意書きなどもない様ですので、歩いて問題ないと思われますが、自己責任で!!

以外だったのが、周囲の海が浅かった事です。 海水も綺麗で、海底が見えています。 小魚が泳ぐ様子がはっきり見え、また海底に無数のヒトデが見えます。 遺構の片隅をカニが歩いていたりと、自然豊かな漁村の風景でした。

先端部分へと歩いて行きます。足元にはレールの跡が残っています。 魚雷を運んでいた跡なのでしょう。
L字に曲がった辺りは経年劣化の為か随分崩落していました。 L字の曲がり角には、丸い穴のあいた四角い台座がありました。 魚雷を吊り上げたクレーンの跡なのでしょうか・・・?
観測所の高い建物は、レンガ造りの上からコンクリートで固められている様で、 内部のレンガが見えていました。

 ▲ レールの跡が残る

 ▲ ヒトデが沢山生息している

 ▲ クレーンの跡だろうか?

 ▲

 ▲ この辺りはだいぶ崩れている

 ▲ レンガの上からコンクリートで固めてある

 ▲ 魚雷発射試験場跡から、新観測所を見る

 ▲ 魚雷発射試験場跡から、魚雷発射試験場本部跡を見る
因みにこの魚雷発射試験場本部跡は、2015年のアニメ映画「バケモノの子」のワンシーンに使われたり、 2017年には「flumpool」のミュージックビデオの撮影に使われたりと、近年脚光を浴びて(?)いるような、いないような・・・

私が訪れたときは、釣り人が一人ボートを浮かべていらっしゃいました。
ゆっくりと堪能して、帰路につこうと車に戻りかけたとき、観光バスが到着し、 中からご年配者たちがカメラを抱えて降りてこられていました。
マニアックなスポットだと思っていましたけど、そうでもない様ですね。

 ▲ 魚雷発射試験場跡から見たところ

 ▲ 魚雷発射試験場本部跡の内部

 ▲ 魚雷発射試験場本部跡の内部

 ▲ 魚雷発射試験場本部跡近くの遺構
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片島魚雷試験場跡 (川棚魚雷試験場跡) DATA
住所長崎県東彼杵郡川棚町三越郷151-1
電話番号
駐車場
公式HP
備考
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last visited : 2017/05/24