法隆寺 夢違観音像(国宝)


夢違観音像

 法隆寺の大宝蔵殿に安置されている観音菩薩立像で、読み方は「ゆめたがいかんのん」もしくは「ゆめちがいかんのん」と読まれている。銅製鍍金で像高 87.3cmと比較的小ぶりな仏像である。この像は、「悪い夢を見たとき、この観音像に祈るとよい夢に変えてくれる」とされ、一般に親しまれている。飛鳥時代の後期となる白鳳時代の代表作の一つでもある。
 表情はこの時代以降のようにもう一つ洗練されていないが、これ以前の大陸的表情ではなく、日本的柔和な表情になっており、お顔は優しくほほ笑み、慈悲をたたえている。右手の掲げた手のひらも見るものを優しく受け止めてくれるかのように親しみを感じさせる。
教職をこの3月いっぱいで完全に退職するに当たり、記念になる仏像を作品にしたいと考えた。いざどの仏像にしようか迷い、私が大学時代にこの像のお面を購入し、自室の壁に掛けていたが、私にとっても好きな仏像の一つであるこの像を取り上げてみた。
仏像としては比較的シンプルで、広い背景をどうしようか思案したが、比較的色のバランスも良く、刷りの失敗もいつもに比べて少なく上手く出来たように感じている。ただし使用している絵の具の性質上、色の鮮やかさがなく特に黒系がきちんと決まり像自体が浮き出て来ないのは気になる。

50枚限定 7色  W23.2 × H34.8(p)


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