(松本市寿) 道祖神



 道祖神は、厄災の侵入防止や子孫繁栄等を祈願するために村の守り神として主に道の辻に祀られている民間信仰の石仏であり、全国的に見られるが、特に長野県の安曇野に多く見られるという。
 今回取り上げた道祖神は、松本市の寿地区に祀られているものを版画にしたものである。 この道祖神は私が大学生の頃、松本市の民芸店の包み紙を依頼された際に白黒の単色で版画にしたものであるが、再度多色刷りで版画にしたいと思い立ち作ったものである。ただ多色といっても今回は2色刷で作品にしてみた。
 この道祖神の置かれた地域は古い街道沿いで、すぐ裏側には直径が2m位の大きなケヤキと祠が置かれ、まさに地域の守り神といった風情である。しかもこの道祖神は極めて表情が豊かで仲睦まじい夫婦像でもある。見ていてもほんのり心温まるものを感じさせる。
 そもそも、最近になり再度これを版画にしてみたいと思い立ったのも、昨年職場の若い同僚から、付き合っている人と結婚しようか迷っているような話を聞き、早く結婚するよう勧めたが、今年になり結婚したと聞き、その同僚の為にこの道祖神の版画をプレゼントしようと考えたからでもある。
 当初は三色くらいで作品にしようと考えたが、最近年のせいで根気が無くなり、集中しての取り組みが出来ず、年末も押し迫り、結局早く作品にしたいと考え二色とした。実物の豊で優しい表情を十分表現できずやや不満は残るが、とりあえず前回よりは表情の良い作品に仕上げることが出来た。  

50枚限定 2色  W22.8 × H34.1 (p)


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