中宮寺 菩薩半跏思惟像


中宮寺 菩薩半跏思惟像

 仏像版画は毎年年賀状用として1枚作成するだけであったが、昨年高嶋文彦氏の仏像を版画にしたことを契機に、せめて毎年1枚くらいはもう少し大きめの作品に取り組んでみようと思い、本年も職場の文化祭に合わせて新しい作品を製作してみた。
 どの仏像を取り上げるかと考えたとき、とりあえず我が国の仏像の中でも代表的でありなじみのある仏像の方がよいだろうと思い、中宮寺の菩薩半跏思惟像を選定した。この仏様は飛鳥時代の彫刻の最高傑作であると同時に、我が国美術史上欠かすことの出来ない仏像である。
 また、この像のお顔の優しさは、数少い「古典的微笑」の典型として、エジプトのスフィンクス、ダ・ヴィンチのモナリザと並んで「世界の三つの微笑像」ともいわれている。そのお顔をじっと眺めていると心に安らぎをもたらすと同時に、心が洗われるような思いとなる。
 この様な仏像を木版画の作品に仕上げるに際し、できるだけその精神性を損なわないようにしたいと考えたが、実物にはとうていかなわなかった。
 また、大きな作品をつくると、摺りの面で摺りむらが出たり、彫ったところに墨が付いてしまう等色々と課題が出てくる。特に最終回の色の摺りむらが目立ってしまった。しかもデジカメで撮ったものは実際の見た目以上にそのむらが目立ってしまっている。
 また1回1回の色のバランスが難しいが今回もややその点では不満が残ってしまった。背景も単色ではなく少し工夫をしようと思い、色々試行錯誤したが結局単色に落ち着いた。

50枚限定  W23 × H35.5 (p)


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