ほんなら・・・ ほんでも・・・ 4回目 『うんこ』さん ・・・・・2004年 6月 27日・・・・・ |
ものに”さん”をつける。 私の知る大阪生まれの大阪育ち=浪花っ子はほとんどそうしている。 ”お芋さん””四天王寺さん””ご機嫌さん” ”阿呆坊さん” んん? そして"うんこさん"。 「お芋」には”さん”をつけるけれど、「ほうれん草」「キャベツ」にはつけない。 「四天王寺」には”さん”をつけるけれど、「大阪城」にはつけない。 「ご機嫌」には”さん”をつけるけれど、「ご立腹」にはつけない。 「阿呆坊」には”さん”づけだけれど、「松下」幸之助さんは”松下はん”だし、「住友」は”住友はん”。 でも、四天王寺の聖徳太子は”さん”づけしないけれど、大阪城の秀吉は”太閤さん”と呼ばれる。 どう言う基準があるのか分からないが、使い分けている自分がいる。 多分、親しみを込めての”さん”づけ、”はん”づけなんだろう。 「うんこ」にも”さん”をつける。 『うんこ』とは直接的に関係ない話 |
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『てろてろ』 野坂昭如 著 新潮社 1971年8月25日 初版発行 |
世の中に”スカトロジスト”(糞尿学者)って呼ばれる人がいるのを初めて識ったのは、登場人物”糞尿学者ビン”だったと思う。 『ビンは、腰を上げると、ふりかえって、水中に横たわった大便二本をしげしげと観察し、今朝の色相硬度はHの4、長さ十二センチ、直径二センチ五ミリ。備えつけの紙に記入し、いつみてもこの姿は、静まりかえった印象で、あらたなる感銘を与え、流すのはおしいと思う。 かってあまりの見事さに金魚鉢を求め、移しかえてしばしの眼の保養にと、ルイ王朝風飾り棚に置いたのだが、半日ともたずに、くずれ拡散して、つまり大便観賞のたのしみは、朝顔や、またある種の蘭サボテンと同じく、束の間のそのいのちめでるにこそと、心得てはいるがのだが、水洗の紐ひく時、常にあるためらいを感じた。』 『てろてろ』書き出し部より転記。 この冒頭部を読んだ時、脳裏の奥深くに押し込まれていたものが、目覚めたような思いがした。 ウ〜ン、確かに、そこには、うんこさんに愛情と憐憫を常々感じていた頃の私がいた。 ・・・作品の内容的は、ビンに加え、オナニストの新吉、酒乱の禅介、この 愛も憎しみも実感できない自閉症三人組が、人殺しのみが他者との対 話の完全形と信じ”心優しきテロリスト”に変貌しテロを行う。 読後感は「痛快無比」の一言。・・・ |
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『糞尿博士・世界漫遊記』 中村 浩 著 社会思想社 (文庫) 1972年9月30日 初版発行 |
地球の食料危機を乗り越える為、糞尿を培養基として高蛋白質クロレラを作る事に成功した理学博士の中村浩さんは、”食料革命”構想を実現すべく世界中のうんこさん博士達を訪ねる。 『てろてろ』の糞尿学者ビンとは異なる、人体排泄物再生処理学者の話はこれまた面白い。 |
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『スカトロジア(糞尿譚)』 山田稔 著 講談社 (文庫) 1977年10月15日 初版発行 |
”スカトロジー”と言う言葉は19世紀末に作られたらしいけれど、山田稔さんは”〜〜ジー”と言えば”学問”と思われるので、”うんこ趣味”の意味合いで”〜〜ジア”にしたとの事。 ありていに言えば、井上章一さんの大先輩とも言える京都大学人文科学研究所・・・(しかしここはユニークな研究者が多いねぇ)・・・研究員のクソ真面目な糞尿ウン蓄学。 彼の糞尿に対する愛情は深い。 このページの冒頭に載せた『てろてろ』について『文学作品のなかにはっきりと「スカトロジスト」を名乗る人物が出現したというだけではない。ここには単なるウンコ話を超えたスカトロジーへの考察の萌芽が認められるのである。』と山田稔さんは記しています。 しかしまぁ良く調べたもので、シモねた好みの読み手さんなら通勤電車で読まない方がよろしいかと・・・。 |
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『すっきり うんち』 (からだのえほん・2) 七尾 純 作 守矢るり 絵 あかね書房 1984年9月 初版発行 |
この絵の顔は非常に心地良さそうだ。 卑近な例で何ですが、この本は児童書なんてほとんど売れない町の吹けば飛ぶような超微弱小零細書店で、これまで数冊売れている!?!? 餓鬼が自分でこの本を選び、親が「この子は、うんこさんが何故か好きなんですよ」と困った顔をして言う。 多分、餓鬼は親からの躾の一つとしての「お便所」つまり”排泄”を強要され、そこに関心が向かざるを得ない。 しかし、そこでの初期段階では”汚物”と言うとらえ方は餓鬼にはないように思う。 尾篭な話として、うんこさんが自己から疎外され行く過程の第一歩目。 この後、けっして堂々と表には出れない汚物扱いの代物と認識され、ほとんどの場合、嘲笑か、軽蔑、嫌悪の対象物として扱われて行く。 |
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『はばかりながら 「トイレと文化」考』 スチュアート・ヘンリ 著 文芸春秋社 (文庫) 1993年6月10日 初版発行 |
確か、深沢七郎さんは「小説を書くのは、うんこさんをひねり出す行為」とか言っていたように思う。 この言い方で言えば、トイレを文化人類学で煮、民俗学・歴史学等の調味料を加えて調理したものを喰ったスチュアートさんがひねり出したうんこ本。 |
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『フンフン うんち 図鑑』 (おおきな ポケット 2001年 10月号) 福田豊文 写真 なかのひろみ 作 松本よしこ 絵・デザイン 福音館書店 2001年 10月1日 発行 |
うんこさんがいっぱい。 うんこさんをするときの、どうぶつさんたちのすがたも、いっぱい。 うんこさんって、なぁに?から、いろいろなうんこさんの、だいじなはなしを、フ〜ンって、うなづきあいながら、なかよく、ふたりで、みて、よんでいると、ベンきょうに、なります。 これが、”フン頚のまじわり”です。(”刎頚の友”とも言うらしいが) |
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『新編 薫響集 ・・・おなら文化史』 興津 要 著 中重 徹 著 読売新聞社 1972年1月15日 初版発行 |
5年ほどかかって集めた”おなら”の資料をもとにして書かれた本。 (『薫響集』・宝暦七年(1757年)と、平賀源内の『放屁論』 安永三年(1774年)の現代訳が付録として載せられています。) 『スカトロジア』のおなら版です。 同じ穴から出て来る、うんこさんが固体なら、おならは気体。 まぁ、前者はババちぃ物(汚物)扱いされてきたけれど、後者は軽い物、無視する物、無価値な物としてとらえられて来たが、両者は同類だと思う。 昔から『おなかがすいて、気が晴れて、お尻の掃除がよくできて、笙ひちりきの音がして、おまけに人を笑わせる』と言うおならの効用を、実はみんな実感としては知っているんだ。 だから決して、軽い物でも無視する物でもなくて、おおっぴらに轟音一発気分爽快、匂いは愛嬌って事で、例え狭いエレベーターの中でも放屁した人に「良い音でしたねぇ〜」「羨ましいかぎりです」のお言葉を・・。 そうすれば、世の中屁〜和。 |
かなり前、朝一番の自分のおしっこを飲むと健康になれる”おしっこ健康法”と言うのが流行していたのを覚えていますか? 別にそれほどにも汚いとは思わなかっけれど、実行する気はなかった。 確か、野坂昭如さんがエッセーで「お風呂の湯船に向かってションベンをした後、この湯船に入る気はしないが、湯船に浸かっていてションベンをした時にはそのまま入っていられる」とか書いていた。 振り返ってみてば、同感。 誰が書いていたのか忘れたが、あまりにも見事なうんこさんを出したので、嫁はんに視てもらいたくて便所から「お〜い、ちょっと来て、視てくれ!」と呼んだとか。 スカトロジストでなくても、十二分に分かる気がする。 色、艶、量、形ともに申し分のない立派なうんこさんが出たんだ。 この喜びを最愛の嫁はんと分かち合いたい。 ところで、貴方は @呼ぶ派? A呼びはしないが、便所から出てから話す派? B一人で視て、にんまりする派? C見もせずに流す派? 私はAですね。お便所から出てきて報告し、連れ合いと共に喜んびを分かち合う。 「こんな、りっぱな、うんこが、でたんよ」「よかったねぇ〜」と・・。 Cを除けば、うんこさんを嫌ってはいないのだから、@はもちろんの事、Aは消極的ではあるけれど同好家を求める糞尿愛好家ですね。 もちろん、一人で視て、にんまりする派のBも糞尿愛好家ですね。 多分、貴方も実は”スカトロジスト(糞尿学者)”もしくは”糞尿愛好家”なんですよ。 |
余談なのですが、蝿さんってうんこさんが好きですよね。 仮にですよ、うんこさんでまんじゅうを作り、その中に蝿さんを入れる。 つまり、蝿さんが動けるように空間を残して、うんこさんで包む。 この時ですね、蝿さんは 「至福の喜びに浸りつつ喰い続け、呼吸困難でお亡くなりになる」のか? 「包まれたとたん、狂喜のあまりに悶絶する」のか? 「いくら大好きでも、逃げ出そうとする」のか? この場合、逃げる為に大好物のうんこさんを舐め喰いしながら外部への道を作るので、喜び半分なのか? ・ ・ ・ 近所のパン屋の二代目、剛君と二人で考えているのですが、未だに結論が出ない。 実証してみれば良いのだろうけれど・・・ この難問に誰か答えてくれませんか? 真正糞尿学者にはほど遠い阿呆坊 |
![]() 5回目は、「吸う・押しつける・膨らむ・出す」です。 |
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この車に乗って往き、 ”本”の事でも、 ”わんこ”の事でも、 何でも書いて(掲示板)おくんなはれ。 |
![]() 「お手紙は、この”HONDA1300クーペ9”で運びます」 |
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