FREE WAY 栄養学教室 

ビタミンD 編

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bP 【ビタミンDの歴史とその発見】 
    【ビタミンDの役割】
bQ 【ビタミンDの役割 PARTU】
    【合成に関して、ビタミンDは皮膚でつくられる! 】 
bR 【ビタミンDの種類】 
    【不足すると歯や骨が弱くなる】
    【くる病(−びょう)とは】



ビタミンD編 NO1

【ビタミンDの歴史とその発見】

ビタミンDは 骨の形成に関わりが深いカルシウムの働きを調節する脂溶性のビタミンです。
ビタミンDは、骨へのカルシウムの沈着を促し骨粗しょう症を改善する事から、
別名『骨のビタミン』とも呼ばれています。

食事によって摂られたビタミンDは、肝臓や腎臓で活性型ビタミンDとなり、
腸でのカルシウム吸収を促進させ、血中のカルシウムを骨へ運ぶ働きもあります。

紫外線にあたると皮膚の脂肪に作用して作り出され、主に肝臓に蓄えられます。
ビタミンDは油脂性で、酸化されにくいという性質があります。
またビタミンDは、熱に対してやや安定しているという特質もあります。

ビタミンDの発見者は、アメリカのマッカラムです。1919年イギリスのメランビーが、
くる病になった犬に肝油を与えると治る事を証明しました。

その後1922年に、ビタミンAの発見者であるマッカラムが、
タラの肝油中にくる病を治療する因子がある事を発見し、
これを「ビタミンD」と命名しました。
化学名は、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールといいます。


【ビタミンDの役割】
 

●カルシウムとともに骨をつくる!ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を促し、
  骨や歯に沈着させるはたらきをします。

  発育期の子供や、妊娠・授乳期の女性は特に必要で、所要量は成人の所要量の3倍になります。
  更年期以降の女性には欠かせないビタミンです。

  運動不足や、日光の当たらない生活をしていると不足してきます。
  妊娠も不足の誘因となります。

カルシウムの吸収を促進

  活性型ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、血中のリンを骨に沈着させる働きを持っています。
  従って、不足すると血液中のカルシウムとリンの均衡が崩れて、
  骨の中のカルシウムが溶け、骨がもろくなり、くる病や骨そしょう症をもたらします。


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ビタミンD編 NO2

 【ビタミンDの役割 PARTU】

●ビタミンDは丈夫で健康な骨を作る働きをする。
  丈夫な骨は常に骨代謝によって新しく造られ続けなければならないので、
  ビタミンDは破骨細胞を活性化して骨を壊し、骨芽細胞を活性化して骨を作る。

  またビタミンDは、骨代謝に必要なカルシウムを血中に動員するために
  腸管からのカルシウムの吸収を促進し、腎臓からの排泄を抑制し、
  骨代謝を吸収側(破骨側)に傾ける副甲状腺ホルモンを抑制する。
  はたらきから、ホルモンに分類すべきという意見もあるのです。

●体内に入ったビタミンDは肝臓と腎臓で 活性型ビタミンDに作り替えられ
  カルシウムやリンの吸収を助けカルシウムが骨に沈着するのを助けます。
  これは紫外線によって作られるので日光によく当たることが必要です。

ビタミンDには、植物食品に含まれる「D2」と動物食品に含まれる「D3」があります。
ビタミンDとカルシウムが不足すると 骨がもろくなる「骨粗鬆症」になりますがそれ以外にも
カルシウムが血液中に不足すると各種のホルモンと協力して 骨からカルシウムを取り出す働きをしているため
血管へのカルシウム沈着量が多くなり 動脈硬化の原因となります。

しかし大量摂取も血管壁や臓器にカルシウムの沈着を促します。


【合成に関して、ビタミンDは皮膚でつくられる! 】

●ビタミンDはコレステロールから代謝を受けてプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)となり、
皮膚上で紫外線を受けてプレビタミンD3となり、肝臓で代謝を受け25-ヒドロキシビタミンD3となり、
さらに腎臓で代謝されて活性型ビタミンD3(1,25-ジヒドロキシビタミンD3)となる。


●ビタミンDは、日光に当たって紫外線を浴びることによって皮膚内で合成される唯一のビタミンです。
食品からも吸収されます。ビタミンDはそのままでは生理作用はほとんどなく、
腎臓と肝臓で酵素の作用を受けて活性型ビタミンDになることによって、体に有効な働きをします。
余り日光に当たらない人や、冬場の日照量が少ない地域の人、スモッグの多い都会人などは、
食物から摂取する必要があります。


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ビタミンD編 NO3

 【ビタミンDの種類】


ビタミンDはビタミンD2〜D7まであり、そのうち効果があるのはビタミンD2とビタミンD3です。
魚類や卵類などの動物性食品に含まれるのはビタミンD3で、きのこ類はビタミンD2と言われています。
さて、皮膚でつくられるのは?
皮膚にはデヒドロコレステロ−ル(7-DHC)すなわちプロビタミンD3(ビタミンDの前の物質)
が多量にあり、紫外線によってビタミンD3に転換されます。その後、肝臓で25(OH)Dに代謝され、
血液中を循環しています。そのため血液中の25(OH)D濃度はビタミンDの栄養状態のよい指標となります。


【不足すると歯や骨が弱くなる】

不足すると、体がだるく疲れやすくなる、肩こりや腰痛が起こりやすくなる、うつ的な状態が続く、
歯や骨が弱くなるなどの兆候が表れます。
ビタミンD欠乏症のくる病は、小児に多発します。重症のくる病では、骨だけでなく、筋肉組織、結合組織、じん帯
不足することは 大人で「骨軟化症」子供では「くる病」の原因となり
また歯を支える骨が弱ったり 閉経後の女性・高齢者には「骨粗鬆症」の心配もでてきます。
日照不足や過度な紫外線対策、肝障害、腎障害によりビタミンD3が不足して、くる病、骨軟化症が引き起こされることがある。

くる病(−びょう)とは

乳幼児の骨格異常。主な症状として脊椎や四肢骨の湾曲や変形がおこる。原因として、
ビタミンD不足により、カルシウムやリンの代謝異常から引き起こされる。
紫外線(日光)に当たることで体はビタミンDを作る。

このため、太陽に当たる量の少ない人に発生しやすい。
また、カルシウムの摂取が少ない一部の発展途上国でもくる病が発生しやすい。
大人にも疾患は存在し、骨軟化症という。それほど頻繁な疾患ではない。
予防するためには、カルシウムやビタミンDを不足させないこと、
日光浴によるコレステロールの変質(Dの合成が)などが必要になる。



● ビタミンD産生の季節変動

皮膚で紫外線によってビタミンDがつくられることから日光中の紫外線量と相関し、ビタミンDは、
夏に多くでき冬は少ないという季節変動を示します。
また、北半球の高緯度地域では冬季にオゾン層で紫外線が吸収されるため、
地表面に到達する紫外線が減少し、ビタミンDの合成が低下することが示されています。



【必要摂取量】
+ビタミンD(μg)成人1日あたりの目安量 :5μg 上限量 50μg
*目安量…ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。

ビタミンD
(カルシフェロール) 多く含まれる食品 鮭・カレイ・ニシン・ウナギ・サンマ・マグロ(脂身)
         ・カツオ・サバ

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