FREE WAY 栄養学教室 

ビタミンC 編

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bP 【ビタミンC君達の歴史と働き】
    
(壊血病を解決したことで有名になった)
bQ 【ライムがとてつもなく強い英国海軍をつくった】
bR 【ライムが強い英国官軍をつくった!!】
bS 【当初はあまり評価が高くなかったビタミンC】
bT 【ポーリング博士がビタミンCブームをつくった】
bU 【ビタミンCの働きと効果】
    (抗酸化作用がある!!) (コラーゲンの生成に不可欠)
bV 【ビタミンCの働きと効果】
    (ストレスとの関係)
bW 【ビタミンCの働きと効果】
    (鉄分の吸収を助ける)  (抗ヒスタミン作用)
bX 【ビタミンCの働きと効果】
    (脂肪代謝との関係)   (抗ウイルス作用を助ける)
bP0【ビタミンCの働きと効果】
    (薬物と毒物との関係)  (発ガン防止に関与!!)
bP1【ビタミンCの必要摂取量】

                    

 ビタミンC 編 NO・1
  
  【ビタミンC君達の歴史と働き】

  (壊血病を解決したことで有名になった)

   皆さんご存じのようにCは、壊血病を解決したことで有名です。
   今現在たいした病気ではなくなりましたが、紀元前1,500年前から知られた人類最古の病気の
   一つで人類を苦しめてきました。

   簡単にいうと、ビタミンCが欠乏しているために、体の中のタンパク質の一種である
   コラーゲンの生成が十分に出来ずに出血が多くなったりします。
 
   コラーゲンは、例えばタイルやレンガをを積み重ねるときに使うモルタル(しっくい)の
   役割を果たす物で、これがしっかりしていないと、細胞君達がばらばらになってしまうのです。

   その結果、歯ぐきからの出血、鼻血、血尿、皮下出血等々がひんぱんになり、
   体内から出血し、体が青くむくんで最後には死亡してしまう病気なのだ!!

   こういう病気は寒い地域に多く見られただに!モンゴル・中国・スカンジナビア等。
   冬は雪に覆われ野菜や果物が十分に食べれなかったからです。
   しかし昔はその原因が分かっていなかったのだ。

   当時中国では、古来から野生のバラの実を乾燥させて、粉末にして茶やスープにして
   飲んでいたそうで!
   それを飲むと壊血病にならないことを、当時の人々は経験的に知っていたのがすごい!!


   又ビタミンCとの関係では「十字軍の遠征」の関わりがあまりにも有名です。

   十字軍とは11世紀末から13世紀にかけて、イスラム教徒に奪われた聖地エルサレムを
   奪回するために、西欧のキリスト教とが送った遠征軍で、何回も遠征が行われました。

   ところが殆どの人がエルサレムに到着できず、壊血病で死んだ人が多かったのです。
   当時ヨーロッパに大飢饉があり、穀物や野菜が不足していた彼らは、
   ビタミンC君達が欠乏していたというわけです。



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   ビタミンC 編 NO・2


   人間の体の中に貯蔵されるビタミンCは約1,500mgとされています。
   しかしこのうち3%は毎日消費されて、しまうために、補充しなければ、
   約3ヶ月で無くなってしまういます!! 

   と言う事で、半月近くもビタミンC君を含む食べ物をとらないでいたのでは、
    壊血病になって当たり前なのです!

   それから14世紀から16世紀にかけて、船が発達して、
   世界的にも大航海時代と言われるようになった時代の話しです。

   当時はスペインやイギリスが海の上の覇権争いを、激しく繰り広げていました。
   しかし争いが激化すればするほど、航海は長くなり、野菜や果物を多く積む事は出来なかったのが
   実情だったのです!

   であるからにして、当時は、戦いや台風で死亡するというよりも、
   船員は殆どが壊血病で死亡していたのだ!ぎゃ〜怖い〜

  (ライムがとてつもなく強い英国海軍をつくった)
  
   15世紀末にアフリカの最南端、喜望峰を回って大西洋から、インド洋に入るインド航路を発見した、
   ポルトガルの冒険家、バスコダ・ガマが率いる探検隊は約10ヶ月の航海で、乗組員163名中何と
   100名余りが壊血病で死亡したと言う記録もあります。

   マゼラン海峡を発見したことで有名なマゼランは、5せきの船で世界一周の航海に出たものの、
   帰り着いたのは僅かに18人しかいなかったと言われています。

   これも残りは壊血病で死んだようです。まあ〜なんと恐ろしいのでしょう!!

   17世紀ごろ、大英帝国は世界各地の制海権を手中におさめます。
   そのころ超大型帆船ソールズベリー号は約800人の船員を乗せて長い航海に出ました。
  
   そしてこの船にはジェームズ・リンドという医師(後の英国海軍衛生学の創始者となる)が乗り込み、
   とんでもない逆転劇をしてしまったのです。

   一体何をしてしまったのか?

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 ビタミンC 編 NO・3
  
 
  【ライムが強い英国官軍をつくった!!】 
 
   この船にはジェームズ・リンドという医師(後の英国海軍衛生学の創始者となる)が乗り込み、
   とんでもない逆転劇をしてしまったのです。
 

   多くの船員が倒れたり死亡するのに、何と士官だけは誰も壊血病にかからなかった事に
   着目したのである。
  
   そこでリンドは、食べ物に原因があるのではと思い、調べる事になったのである!!
    (驚愕の事実発覚!!)
  
   何と士官達には、ジャガイモと、芽キャベツが与えられていたのでした。
    
   そこでリンドは一般船員や、壊血病にかかった船員12名に、レモンやオレンジ、
   ミカン等を与えたところ、全員がよくなったのでした!凄いね!!

   それから今後の航海には、野菜や柑橘系を沢山積んで行くべきだと主張したのですが、
   何と残念な事に、採用されなかったのでした!
   (今で言うと馬鹿にされてしまったのですね!その時代の犠牲者の方々へご冥福を祈りますだに)

   ところが、その後皆さんもご存じの冒険家「ジェームズ・クック(キャプテン・クック)」
   は3回長い航海に出たとき、リンドの報告を受け止め、野菜や果物の他、ザウエルクラウトと言う
   キャベツの酢漬けのような物も積み込み、野菜がなくなったらこれを食べさせていたのです!
   結果、誰一人壊血病にかからなかったのでした!
 

   「クック」の効果が認められて英国海軍が「航海時にはライム(ミカン科の植物)ジュースを毎日飲むように」
   との公式命令を政府が出したのは、皮肉にもリンドが死んで1年後のことでした。
   
   これが、英国海軍の世界制覇につながったわけです。



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ビタミンC編 NO・4



  【当初はあまり評価が高くなかったビタミンC】

   壊血病を予防するという意味で、ミカンやオレンジ等の柑橘類に
   「アンチスコルブティック=抗壊血病」という言い方がされたのは、1900年代の初めなのだ!

   これがアスコルビン酸という学名になって、人間の体の中ではつくられない、外部から摂取する
   物なので、ビタミンの一種ではなかろうか?と言われていたのでした。

   当時ビタミンAやBは発見されていたので、アルファベット順に、
   ビタミンCと呼ぶようになりました!

   一躍有名にしたのは、1928年にドクターキングが、レモンからビタミンCを分離抽出したことは
   余りにも有名です。

   とにかくビタミンCの発見は、壊血病を解決したいと言う悲願からなされた物で、
   事実ビタミンCの発見以降壊血病はなくなったのです!

   そして野菜や果物の貯蔵も出来る時代になり、人類は壊血病とは縁がなくなったとも言えます。
  
   それからCは、他の病気にも効果があるかも知れないが、ビタミンなので量は少なくても
   良いんじゃないの?と言う程度の認識だったのでした。

   壊血病以外の、出血性の病気、たとえば紫斑病や骨折、しみ、そばかす、などに効果があるという
   程度にしか考えられていなかったのです!

   発見されてから40年間近くは、あまり注目を集めることはなく、しかしこの
   ビタミンCにとんでもない逆転劇が起こる事に!


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    ビタミンC編 NO5

              
   【ポーリング博士がビタミンCブームをつくった】
  
   
    ビタミンCが特に注目されるようになったのは、ごく最近1970年代の事なのです!
   ポーリング博士は、ノーベル化学賞とノーベル平和賞をを受賞した、
   アメリカ物理化学者で、今世紀最大の化学者と言われていました。
   
   博士が「ビタミンC&コモンコールド(ビタミンCとカゼ)」と言う本を出してから、
   今のビタミンCブームが起こり、特にこの本はアメリカで大ベストセラーになり、
   世界中で評判になったのです。

   博士は、アメリカで一番多い病気でなかなか、なかなか治すのが難しいカゼに、
   ビタミンCが非常に効果があると発表したのである!

   しかし今までのように10〜20mgと言う単位ではなく、g単位(1gは1000mg)で使う
   のがより効果がある!!と言うので、議会、医師等は驚いたわけで、
   しかもこの説は化学者の説だからなおさら評判になったわけです
 
   博士が言おうとしたのは、ビタミンCには壊血病を予防する10〜20mg
   の少量で効果がある事以外にも、大量に使う事によって薬としての、
   もっと他の働きがあるのでは?と言う問題の提起だったのです。

   しかしこの頃、人々は豊かになり「健康」に関心を持つようになり、大いに話題になり、
   ビタミンCブームがおきたのでした
                   

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  ビタミンC 編 NO6

   
  【ビタミンCの働きと効果】

  (1)抗酸化作用がある!!

  ビタミンEと同様で抗酸化剤として働きます。
  抗酸化剤というのは、物質の酸化(さびさせない)を遅らせる物です。

  人間の体の中で、善玉の不飽和脂肪酸が酸化(さびる)すると悪玉の、過酸化脂質になります。
  要はこの善玉の不飽和脂肪酸君達を酸化させないことが重要で、ビタミンEにはその働きが
  大きいのです。

  それとビタミンCにもその働きがあり、従ってEとCを一緒に摂るとより効果的になります!

  ビタミンEは、抗酸化作用をするときに、使い切ってしまい無くなってしまいますが、
  この無くなりかけているビタミンEを、ビタミンCが再生するのです!

  であるからにして、ビタミンCが大量にあればEは、少しでいいのです。
  Eの欠乏を防ぎ、Eの働きを助ける、ビタミンCは、だからこそ体に必要なのです。

  (2)コラーゲンの生成に不可欠

  コラーゲンの主成分は、殆どがタンパク質君でできており、体内の総タンパク質の
  30%を占めています。

  タイルを貼るときに使うモルタルの役目のように、骨や、軟骨、皮膚、アキレス腱、
  細胞と細胞を結合する結合組織の大部分をつくっている成分がこのコラーゲンなのです。

  このコラーゲンを創るのに、必要な物がビタミンCなのです。
  ビタミンCが、欠乏して起こる壊血病の出血とか、乳児でCが欠乏して起こるメーラバロー氏症、
  骨が変形したり骨折したりする症状は、コラーゲンが不足するからです。

  手術時の傷や外傷、やけど、骨折、椎間板ヘルニアなどの病気の回復には、コラーゲンが必要で、
  これにはビタミンCの効果 が大きいのです!

  毛細血管の血管壁も、コラーゲンで、できていて、ビタミンCは血管を強くしてくれる
  効果もあるのです。
 


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   ビタミンC 編 NO7


 【ビタミンCの働きと効果】

  (1)ストレスとの関係


  人間にストレスが起きると、それに反応して副腎(腎臓の上にある)に脳下垂体から、刺激が行きます。
  副腎には皮質と髄質とあって、皮質からはステロイドホルモンが出てきて、これが胃潰瘍等
  を引き起こしているのだ!

  髄質からはカテコールアミンというホルモンが分泌され、ストレスに対処する本当にいい奴
  なのです。

  例えば「火事だ!!」と言う場合に、誰しもが素早く逃げる。これはストレスに対して反応している訳なのです。
  ストレスに対してボヤボヤしていたら、命を無くしてしまうので要注意だによ。
  その反応をするためにカテコールアミンが分泌されているのであります。
  これが造られるためには、ビタミンCは絶対欠かせないのです。

  ストレスの多い人は、ビタミンC君達を多量に消費します。
  ネズミを例にしてみましょう。
  ネズミは何と人間と違って体内でビタミンCを合成できるのだ!
  一日に約1.5g位を合成します。

  これにストレスを与えると、何と4.2gと通常の2倍以上のCを合成するではありませんか!
  今度は氷の上を歩かせたり、針で刺した時等は、何と13gのCを合成したのです。

  要はストレスでビタミンCがどんどん消費されてしまうので、防御のために自分の体内で沢山合成されるわけです。

  単に体重比だけで比べてみると、人間がもし一日50mgのビタミンCを必要だとするのなら、
  猛烈なストレスを抱える人は1日0.5gのビタミンCが必要という計算になります。


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  ビタミンC 編 NO8

   
 【ビタミンC君達の働きと効果】

  (2)鉄分の吸収を助ける

  鉄分は、赤血球のもとなのであり、当然これが不足すると、貧血になります。
  
  野菜や肉を食べても、吸収が悪ければ、残念ながら鉄分は造られないのです。
  鉄分には、肉やレバーとか動物性の食品に含まれるヘム鉄と、ほうれん草などの野菜に
  含まれる非ヘム鉄の2種類に分けられるのであります。

  特に非ヘム鉄の吸収には、ビタミンCが、鬼のように関係しているのであります。


 (3)【抗ヒスタミン作用】

  アレルギー性鼻炎や喘息、じんましん、湿疹(しっしん)などのアレルギー反応が起きると、
  血液中のヒスタミンが上がって体に悪さをします。
  この時にビタミンCを与えると、ヒスタミンの働きや、産生までも押さえる事が出来る事が解明されているのです。
 
  風邪の時にも血液のヒスタミンがどんどん上がってきます。
  風邪薬を飲むと眠くなるのは、眠くなるからです。んなわけね〜!!
  眠くなるのは、レスタミン(抗ヒスタミン剤)が入っているからです。

  ビタミンCには、眠くならない抗ヒスタミン作用があるのです。

  前に紹介したビタミンC君達の火付け役、ライナス・ポーリング博士(USAの物理化学者)が
  風邪にビタミンCをと言い出したのは、ここからきていたのです。 


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  ビタミンC 編 NO9

              
 【ビタミンC君達の働きと効果】


   (脂肪代謝との関係)


  何とビタミンCには、コレステロールとか中性脂肪の値を下げる可能性もあるのだ!!
  
  コレステロールの中にあるLDLコレステロールと言う悪玉のコレステロールを下げ、
  HDLコレステロールと言う善玉のコレステロールを上げます。
  しかもコレステロール値が正常な人にいくらビタミンCを食べても
  正常値以下には下がらないのだ!

  中性脂肪もコレステロールと同じように一定量以上有ると動脈硬化を起こし
  血管をぼろぼろにしてしまいますが、ビタミンCはこれも下げてくれるのです。
  (凄いね!!)


  (抗ウイルス作用を助ける)

  これには3つの働きがあるのだ!!

  @ビールスを殺す物質である、インターフェロンの合成を何とビタミンCが高めているのです!

  Aコラーゲン、以前説明しましたよね!骨と骨、軟骨などの細胞を結合させる働きをするタンパク質の事ですが、
    しっかりしていると、ビールスが細胞から細胞に広がっていきません。
    そのコラーゲンの生成にビタミンCは不可欠な物なのです。

  Bビールスを食べてしまう免疫機能を促進させる働きがあるのだ!!




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    ビタミンC 編 NO10
              
   (ビタミンC君達の働きと効果)


  【薬物と毒物との関係】

   薬物や毒物は肝臓のところで、解毒しますよね!!しかしこの場合何と、
  ビタミンC君達も関わっているのだ!!

  ビタミンC自体にも解毒作用が有ること知っていましたか?


  【発ガン防止に関与!!】

  以前紹介したように、ポーリング博士は、末期ガン患者にビタミンCを投与したところ症状も
  良くなり、延命効果があると言っています。
 
  実際に試験管の中でガン細胞を培養すると、ある特殊のガンには、ビタミンCが抑制作用
  があることがよく知られています。

  動物実験でも、大量のビタミンCが発ガン防止や腫瘍が大きく
  なるのを防ぐことが分かっているのです。

  しかしまだまだ詳細は不明な点が多いのも事実です。

  その他の効果として、手術後や、妊婦、授乳者などにビタミンCは有効なビタミンなのです。   
 

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    ビタミンC 編 NO11(最終回)


   (ビタミンCの必要摂取量)


   それでは体の中にはどれくらいのC君達は必要なのでしょうか?    
 
   初めに壊血病の予防量としては、一日10mg、次に厚生労働省が決めた一日の所要量は50mgと
   されていますが、世界各国でまちまちなのです。USAは60mg、ロシアは130mgと一番高いのである。

   以前マウスの実験でご説明しましたが、彼らは自分自身でビタミンCを造り出します。

   勿論必要だから造り出すわけですが。
   これを人間の体で換算すると約(60kの人)一日100mg〜400mgくらい造ることになります。

   人間に一日1g毎日投与すると、5gまでは貯蔵できますが、体内で飽和状態になると、
   水溶性のビタミンCは殆ど、おしっこから流れ出ます。
   ちなみに5gの貯蔵を維持するためには、毎日300mg摂る必要があるのだ。
  
   さて次のような状態にある人は、普通の生活をしている人よりもビタミンC君達を多く摂る
   必要があります。


  ●妊婦60mg(外国では100mg〜200mg)
  ●授乳期90mg(外国では100mg〜200mg)
  ●労働している人(ポーランドの統計)
  ●軽作業75mg
  ●中佐業90mg●重労働110mg
  ●炭坑夫200mg〜250mg
  ●又喫煙者、酒を多く飲む人、ストレスの多い人、スポーツをする人、
    貧血の人は特にビタミンCを消耗する割合が多いと言われています。    


(ビタミンC君達の安全性について)

  あらゆるビタミンの中でビタミンC君達ほど副作用の少ない物はありません。

  薬として考えた場合、動物に与えて死ぬ致死量はLD50と言う基準(半分が死ぬ)
  になります。

  体重60kgの人間が一日300gつまり30万mgとされていますが、
  こんなに摂れるわけはありません。

  治療として一日10gを1〜2年投与している人は何万人もいますが、
  何の副作用もありません。過剰性を心配するよりも不足しがちな事を心配した方が早いという事です。 

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