FREE WAY 栄養学教室
ビタミンB 編
bP 【ビタミンB類とは?】 【ビタミンB類の種類と働きについて】 [ビタミンB1(チアミン)] [ビタミンB2(リボフラビン)] [ナイアシン] |
bQ 【ビタミンB類の種類と働きについて】 [ビタミンB6(ピリドキシン)] [ビタミンB12] [葉酸] [パンテトン酸] |
bR 【ビタミンB1は最初に発見されたビタミンです】 |
bS 【ビタミンB類の働きは多様です】 [レバー等はビタミンB類の理想的な供給源です] |
ビタミンB編 スペシャルバージョン NO1
【ビタミンB類とは?】
ビタミンB類は、「食物から摂取した栄養素が体内で利用される時に(代謝)」
重要な働きをします。
体内に取り入れられた、栄養素のうち、糖質と脂肪、蛋白質は、体内で分解される過程で、
エネルギーを出します。
こうした反応は、酵素を触媒にして、起きています。
必要な酵素は全て体内で作られますが、実際にエネルギー発生の反応に参加するには、
ビタミンB類の助けが必要になるのです。
このようにビタミンB類は、酵素の補助的な役割果たすところから「補酵素」とも呼ばれているのです。
【ビタミンB類の種類と働きについて】
@ビタミンB1(チアミン)
水溶性ビタミンに属する抗神経炎症、抗脚気症のビタミンです。
体内では神経細胞に比較的多く含まれ、糖質の代謝に関与しています。
ビタミンB1は体内に蓄えられる量が少なく、又多量にとっても過剰分は尿中に
排出されてしまうので、毎日補給しなければなりません。
AビタミンB2(リボフラビン)
動物の成長促進因子として発見された水溶性ビタミン。
糖質や脂肪の代謝に関わる重要なビタミンです。
体のあらゆる細胞に存在し、蛋白質の合成や生体の酸化還元酵素の
補酵素としても働きます
Bナイアシン
糖質、脂肪、蛋白質がエネルギー源となるための生化学反応の不可欠なビタミンです。
もし不足すれば、細胞エネルギーが完全に遮断されてしまいます。
ただし普通の食事をしている限り、蛋白質の中に含まれているアミノ酸の1種である
トリプトファンから補う事ができます。
(トリプトファンは、卵、肉、乳製品に多く含まれています)
(トリプトファンの働き・・・欠乏は、Bリンパ球の抵抗形成作用を抑制する。
つまり身体の防衛力を左右する。自然な安眠をもたらす。)
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ビタミンB編 スペシャルバージョン NO2
【ビタミンB類の種類と働きについて】
CビタミンB6(ピリドキシン)
主に蛋白質の代謝に必要なビタミンです。
又、蛋白質をアミノ酸に分解するのを助け、必須アミノ酸の1種である
トリプトファンをナイアシンに交換する時にも使われます。
DビタミンB12
赤血球の生成に、大変重要な役割を果たします。又、アミノ酸や脂肪、糖質の代謝にも
重要な関係があります。
人間の体に含まれるビタミンB12の量は3〜5mgで、
そのうち50〜90%が肝臓に蓄えられています。
ビタミンB12は動物の体にしか含まれていません。
(赤血球の働きは・・酸素の供給と二酸化炭素の排出を行っています。この働きを
行っているものが、赤血球の中に存在しているヘモグロビンです。)
E葉酸
ビタミン12と同じく、造血機能に必要なビタミンです。
葉酸は、赤血球を作るために必要な核酸の生成に関係しています。
又葉酸は、食品からとった蛋白質をアミノ酸に分解する際にも必要となります。
(核酸とは?)
核酸とは、私たちの体の細胞一つ一つに存在する物質で、第7必須栄養素
(その他必須栄養素:タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維)として
非常に注目されている物質です。核酸は、私たちが生きていくうえで非常に重要な役割を担っています。
核酸には、遺伝子情報を支配するDNA(デオキシリボ核酸)とタンパク質合成を行うのに不可欠な
RNA(リボ核酸)の2つがあります。
まずDNAは、細胞の誕生、成長、分裂、死滅に大きく関わっています。つまり、私たちが生まれ、
成長し、やがて老いて死んでいくという全ての流れをコントロールする物質です。
このDNAは細胞の核の中に含まれています。 一方、RNAは、遺伝子情報の発現に関わっています。
つまり、コントロール機関であるDNAからの情報を受けて、数種類のアミノ酸から体の主成分である
タンパク質を合成するというDNAの補助的な役割を担っています。RNAは、主に細胞の細胞質内に存在します。
Fパンテトン酸
体内の重要な働きをする酵素の補酵素として、食物を分解してエネルギーを発生させます。
又、生命現象の広い範囲にわたって重要な働き(赤血球細胞)の形成、血糖値の調整、
神経、筋肉組織の生成をします。
人間ではパントテン酸は腸内のバクテリアによって分解され、一部吸収されて利用されています。
パンテトン酸はいろいろな食品に含まれていますが、加工食品や冷凍食品ではパンテトンさん含有量は
低くなります。
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ビタミンB編 スペシャルバージョン NO3
【ビタミンB1は最初に発見されたビタミンです】
驚くべき事ですが、今日私たちの体にとって絶対必要とされているビタミン類は、
今世紀の初頭にはまだ一つも発見されていませんでした。
1930年代まで、栄養失調を原因とする病気で多くの人が死亡しましたが、当時の医師達には
そのような人々を治療するすべがなかったのです。
壊血病、ペラグラ(ニコチン酸の欠乏による皮膚その他の全身病)、脚気等のビタミン欠乏症は、
当時世界中で頻繁にみられる病気でした。
特に日本や中国のように、精製米を主食としている国々は、脚気に悩まされていました。
1880年代には、日本海軍の兵士のうち、少なくても30%が脚気にかかったと言われています。
日本海軍の軍医大監であった高木兼寛氏(1849〜1920)は、長い航海中に、
兵士の食事に肉と牛乳を充分加えれば、脚気を予防できることを発見しています。
高木兼寛の発見後間もなく、ヨーロッパの科学者達は、米ぬか、すなわち米を精製する時に、
取り除く外殻には脚気を防ぎ、、しかも治す能力があることを発見しました。
そして米ぬか、肉、牛乳などには、健康を維持するために必要な物質が含まれていることが
明らかになりました。
この重要な物質は、後に、米ぬかから分離抽出され、チアミンつまりビタミンB1と名付けられました
(脚気)・・初期症状は、疲労、過敏、記憶障害、食欲減退、睡眠障害、腹部不快感、体重減少などが起こります。
やがて、重度のビタミンB1不足による脚気(かっけ)になり、神経、心臓、脳の異常が起こります。
脚気の症状は人によって異なります。1つは乾性脚気と呼ばれるもので、神経と筋肉の異常を引き起こします。
症状としては、つま先にピンや針で刺されているようなチクチクする痛みがあり、
足に焼けるような感覚が生じて夜間に特に激しくなり、脚の筋肉に痛み、脱力感、萎縮がみられます。
湿性脚気は心臓の異常を引き起こします。症状としては、心拍出力が増え、心拍数が増加し、
血管が拡張して皮膚が温かく湿った感じになります。心臓は高い拍出量を維持できないため、
やがて心不全に至り、脚や肺に水がたまります(脚の場合は水腫、肺の場合はうっ血)。
その結果、血圧が下がり、ショックから死に至ることもあります。
(ペラグラ)・・ペラグラはニコチン酸欠乏症状の一つです。ニコチン酸は、B1、B2とともに糖代謝に関与します。
ニコチン酸欠乏症ではペラグラという病気になります。とうもろこしを主食とする地方でみられる病気です。
ペラグラの症状は、手、足、くび、顔などに皮膚炎を起こし、舌炎、口内炎、腸炎のため食欲不振となり、
下痢を併発します。また頭痛、めまい、錯乱状態などの神経症状を起こすこともあります。
(壊血病)・・壊血病の症状は皮下、歯茎の出血から、貧血、筋肉がやせ衰え心臓障害、呼吸困難を起こし死にいたる。
というものですが、これは欠乏の最終段階で現在ではほとんど見られません。
(壊血病は1日10mg程度の摂取で発症しない)しかし、潜在的な欠乏症の人は多いといわれます。
症状:疲労倦怠、顔色が悪い、歯茎からの出血傾向などこのような症状のある人は要注意!!
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ビタミンB編 スペシャルバージョン NO4
【ビタミンB類の働きは多様です】
ビタミンB1(チアミン)は、糖分その他の炭水化物からエネルギーを発生させるという
重要な役目を持っています。
ビタミンB2(リブフラビン)は、脂肪、蛋白質、炭水化物が消化される時のエネルギー発生過程に
必要とされるビタミンです。
またビタミンB2は、葉酸とビタミンB6の2種のビタミンBの物質交代にも関与しています。
米国、ヨーロッパの一部、中南米諸国で発生する栄養欠乏症の一つ「ペラグラ」を治療する
ビタミンBとして最もよく知られているのが、ナイアシンです。
ナイアシンは、脂肪、蛋白質、炭水化物からのエネルギー発生に関わっています。
ビタミンB6(ピリドキシン)は、蛋白質の新陳代謝にとって、必ず必要です。
パンテトン酸も、ビタミンBの1種で、脂肪、蛋白質、炭水化物をエネルギーにかえるに
重要な役割を持っています。事実パンテトン酸は、体内のエネルギーを必要とする新陳代謝の
過程全てになくてはならないビタミンなのです。
葉酸は赤血球の形成に深く関わっています。新鮮な酸素を体中に運び、エネルギー
生産反応に絶えず燃料を補給しているのは赤血球なのです。
赤血球の形成には、ビタミンB12も必要です。
一番最後に発見されたビタミンであるビタミン12は、主に動物性食品に含まれており
植物性食品からこのビタミンを摂取することは不可能です。
【レバー等はビタミンB類の理想的な供給源です】
私たちの体は、水溶性のビタミンB類を必要量蓄えておくことはできません。
脂溶性のビタミンと違って、余分のB類の貯蔵所というものがないため、体内の血液循環により
失われやすいのです。
ところが体中の細胞が、正常な機能を維持するのに絶えず要求するのが、ビタミンB類の補給なのです。
ですから毎日ビタミンB類を補給できる食事を毎日続けることが大事なのです。
一番良いB類の補給方法は精製していない穀物類、野菜、肉類を取り入れた
バラエティーに富んだ食事をすることです。
特にイースト(酵母菌)とレバーの2食品は、ビタミンB類の多くを含み、B類の理想的な供給源です。
特にビタミンB類は調理方法や、光や空気に接触すると破壊されるものもあります。
穀類を精製すると、食べる時には大量のB類が失われます。これはビタミンB1の大半が
米の外殻に存在するからです。
20世紀を通じて、栄養に関する知識や情報は次々と増えています。
しかし栄養について私たちが学ぶべき事はまだまだ沢山あります。
一人一人が自分の毎日の食生活に何が必要かを知り、それらを上手に取り入れていくことが
大切です。
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