FREE WAY 栄養学教室
CoQ10(コーキューテン)編
【細胞内でエネルギーをつくりだし、体の元気を取り戻す。】 |
【生きていくうえで欠かせないエネルギーを産生。】 |
「CoQ10について」
【細胞内でエネルギーをつくりだし、体の元気を取り戻す。】
CoQ10は酵素の働きを助ける補酵素として活躍。
このように抗酸化物質として優秀な働きをもつCoQ10とは一体どんな物質なのでしょうか。
CoQ10とはコエンザイムQ10のことで、コエンザイムは補酵素を表します。
補酵素は、体内で起こる数多くの化学反応に必要な酵素が、
正しく働くようにスイッチを入れる役割をしています。
別名をユビキノンといい、語源はラテン語のUbuiquitous
「普遍的に存在する」に由来していて、動物、植物を含んだ多くの生物に存在します。
もちろん私たちの体内にも存在し、その量は体重60kgの男性で約700mgといわれています。
臓器(組織)によって存在する量は異なり、とくに心臓に多く存在し、CoQ10が不足すると
心臓に影響が出やすいといわれる要因です。
心臓ではCoQ10の不足を解消することで、
●心筋の働きを助ける
●ウイルスによって引き起こされる心臓の炎症を予防する
●不整脈を予防する
●狭心症の発作の頻度を低下させる、
などが考えられています。
また、臓器(組織)だけではなく免疫システムにも関係し、マクロファージといって、
外部から体内に進入する異物を飲み込み殺す働きをする細胞の活動を活発にしたり、
体内に侵入してくる異物に対して起こる、抗原抗体反応を活発にする働きもあります。
【生きていくうえで欠かせないエネルギーを産生。】
CoQ10が持つ重要な働きの中で、先の2つ以外にもっとも重要だと考えられる
働きが細胞内でのエネルギー産生促進作用です。
まず、細胞内では臓器や筋肉を動かして生命を維持するために、
細胞内のミトコンドリアで私たちが必要とするエネルギーの約95%を産生し続けています。
ミトコンドリア内で作られるATP(アデノシン三リン酸)がエネルギーの素となるのですが、
このATPをスムーズに作り出すために必要な物質がCoQ10なのです。
エネルギーを作る材料は酸素と食事から摂取する栄養素ですが、栄養素の中でも、
もっとも効率の良いエネルギー源となる炭水化物が分解されてエネルギーへと形を変えるまでを表しています。
解糖系やTCA回路では主に酵素やビタミンB群が分解に関係してある程度のATPを産生します。
しかしエネルギー産生の最後のプロセスであり、もっとも多くのATPを産生する電子伝達系の部分で、
十分なCoQ10が存在することが、私たちの生命を維持するために必要不可欠なエネルギーの素、
ATPをスムーズに作り出す重要なポイントなのです。
以上のこと柄から、強力な抗酸化作用によって、体を構成する細胞を酸化から守り、生命維持のための
エネルギー産生に大きく関わるCoQ10の働きの重要性をおわかりいただけたと思います。
加齢とともに減少するCoQ10は体外から補給を。
しかしCoQ10は他の抗酸化物質と違い体内で合成される物だといっても、
不足を引き起こしてしまうことがあります。
その大きな原因には、加齢によるCoQ10生産力の低下、食事からの摂取が不十分などがあります。
CoQ10は20歳を過ぎた頃から減少し始めますが、加齢が進むと生産力が低下するだけではなく、
健康上の問題が増加するためCoQ10の要求量が高くなり、その結果減少が加速すると考えられています。
CoQ10を体内で不足させないためには、食事を通して体の外から補わなければなりません。
私たちが通常の食事から摂取しているCoQ10は1日で約5〜10mgですが、
減少を食い止め健康を維持するには、30〜60mgを目安とすることが推奨されています。
CoQ10を多く含む食品にはいわしなどの青魚、牛や豚などの肉類、卵、ピーナッツなどがあります。
目安量を満たそうとすると、いわしならば約6匹、牛肉だと約950gの量が必要になってきます。
これでは、この量を食べ続けることが難しいばかりではなく必要以上の脂肪分とカロリーを
摂取することになり、栄養素のアンバランスを引き起こします。
また、先の食品だけではなく各種のビタミンやミネラル類があって初めて、
CoQ10は体内で合成されます。
ビタミン、ミネラル等の栄養素が比較的豊富といわれる
ほうれん草やブロッコリー、大豆にも含まれるのですが、すべて少量しか含みません。
うまく食品から摂取できれば一番いいのですが、なかなか難しいようです。
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