北海道 三笠・夕張 化石採集の旅

採集日

2002年9月13日(金)〜17日(火)4泊5日

採集地

三笠幾春別川・夕張カネオペツ川、白金川

参加者

滋賀県近江八幡 羽島俊男氏・京都市南区 松尾眞直氏・徳島県 鎌田誠一

出発

2002年9月13日(金)
徳島を午前6時に出発。明石大橋経由、高速で大阪伊丹空港へと向かう。憧れの北海道、徳島から車を駆使して1ヶ月かけての北海道化石採集の旅はこの不景気で中々実現しない。痺れを切らしはじめた矢先、滋賀県の羽島さんからお誘いがあり、とうとう一番苦手な飛行機での採集旅となった。時間待ち合わせの為、途中パーキングで休憩し羽島さんとの待ち合わせ約束の伊丹9時40分着。ロビーで羽島さんの同行者、松尾さんとお会いしご挨拶。そしていよいよ搭乗となるが恥かしい話しだが飛行機に乗る勝手が全く分からない。一生飛行機は自分が操縦する以外は乗りたくないと思い50数年、すべて経験豊富な羽島さんにお任せした。

一番苦手な飛行機・果たして・・

三笠博物館

ANA 773便 札幌・千歳行き 10時25分発で札幌着12時15分までの約2時間。羽島さんと松尾さんが私の両脇に陣取り、恐怖と緊張を取り除く為に気を利かせ化石談義に話しの華を咲かせてくれたが、やはり話しが途切れふっと我に返ると宙に浮いている現実が襲ってくる。やはり気持ちの良いものではない。しかしどうにか千歳到着。昼食を摂り手配のレンタカーで出発だ。これからが私の出番。とにかく乗り物は自分が運転しない事には始まらない。運転する事で調子が上がるのだ。羽島さん松尾さんにとっては願っても無い事だそうだ。道中自動車道を約50k少々三笠ICで降り道道岩見沢三笠線を10k進み、3時30分三笠市立博物館へ立ち寄った。直径1m近くあるアンモナイトを筆頭に立派なアンモがゴロゴロしている。見ているだけで産地への期待が高まる。館内を30分程で足早く見学し、桂沢観光ホテル近くにある砂岩層に含まれるトリゴニアの採集に向かう。

羽島氏と松尾氏
羽島氏と私
私と松尾氏

三笠三角貝砂岩層

現場は砂岩層の大きながけ。そうとう採集に訪れているらしく割られた転石が無数にある。そんな転石を丹念に調べトリゴニア、ウニ、など採集した。ある程度採集し落ち着いた所でザレ場を登りがけを調べてみる。徳島勝浦上勝周辺の産出状況とは少し違うようだ。大規模な密集層はなく暑さ10p内外の密集層がレンズ状に所々介在している。レンズ層以外の周辺の砂岩からは単体で化石が産出する。県内より個体は大きい。また産出する種類も豊富そうだ。結局何やかんやであたりが暗くなる6時過ぎまで現地でねばり桂沢湖畔桂沢観光ホテルに宿をとった。

トリゴニアを産出する崖の遠景
砂岩層の中の化石密集層
採集中の松尾氏と私

北海道 三笠・夕張 化石採集の旅(2)

 
幾峻別川

9月14日(土)
朝5時30分起床。宿の正面にある桂沢湖に霧が立ち込め幻想的な風景をかもしだす。朝食の8時まで宿近くの昨日の三角貝砂岩層化石採集をする。朝食取り採集した化石をダンボール箱2箱に詰め込み、10時予定の幾春別川化石採集に向かう。夕張方面に30分ほど走り空き地に駐車する。いよいよ憧れの北海道アンモ探しだ。幾峻別川川原へおり下流方向へノジュールを探しながら下る。やはり9月の探索はタイミングが良いとは言えない。めぼしいノジュールはすべて割られている。3時間あまり探索したがめぼしい成果は無し。しかし割り残しのノジュールにアンモが含まれている物を採集した。
遅い昼食取り午後は幾春別川少し上流にある支流の沢を探索し此方もご多分にもれず完全なノジュールは壊滅状態だが異常巻きなど入っているノジュールの破片を採集し、6時宿へと帰路をとった。

桂沢湖の霧をバックに
松尾氏・羽島氏
やはり北海道
幾春別川川原にて
時間を忘れ必死!

桂沢から夕張へ

9月15日(日)
朝5時30分起床朝食の8時までの時間を利用し、昨日の午後に探索した幾春別川少し上流にある支流の沢を訪れた。時期が遅くても採取時間が短くても何らかの化石が採集できる。やはり北海道なのだ。朝食後1時間で今まで採集したダンボール4箱の化石を宅急便で送る為梱包し宿に言付け、桂沢を後に10時、夕張へと出発した。452号線夕張方面へ進み、峠を越え少し入った所左わき道のシュウパロ川の川原を探索しイノセラムス、アンモなど採集し11時、452号線より明石町白銀橋を渡り林道へいる。少し走った所で素晴らしいお出迎えを受けた。野生動物への配慮の為スピードを控え走行していたのが幸い、目の前の道を横断しているキタキツネと遭遇したのだ。体格は小さく恐らく子供と思われ立ち止まる事無く姿を消したが化石を見つけた感動とは違った更なる感動を受け、消え去った姿をいつまでも追い求めていた。その御陰でカネオペツ川ヘ到着は12時。昼食取り探索を5時までし夕張の宿へ到着は7時となった。

桂沢から夕張出発前に駐車場で化石梱包

シュウパロ川の水量は非常に少なくカネオペツ川にも期待が持てた

キタキツネを撮影しようと慌てて
羽島さんが養生シートを腰に引っ付けたまま飛び出した所を撮影

カネオペツ川

9月16日(月)
今日一日は腰を落ち着けカネオペツ川の探索。9時出発しカネオペツ川ヘ10時30分到着。道中同じ場所でキタキツネと再び遭遇したが本日も言葉は交わせなかった。午前中下流方面を探索。やはり手頃な大きさの化石は採取されているようだが、縫合線の美しいアンモ住房部、径10pのアンモ、イノセラムスなど採集。午後は上流の探索をし母岩中に介在するノジュール中のアンモや母岩中のイノセラムスのメス型など見ることができた。5時過ぎまで現地で滞在し帰路、採取した化石を梱包し宅急便届けの手配をし夕張の宿に着いた。

カネオペツ川沿い林道の露頭

カネオペツ川の水量は少なく
探索に没頭、成果を得た

宿近くの趣きのある夕張駅

北海道 三笠・夕張 化石採集の旅(3)

 
最終日

9月17日(火)
北海道も今日が最終日、天気が悪く朝から雨がパラパラしていたが8時出発で白金川へ向かう。2時間ほど探索したが、特に目立った成果も得られない内に雨が本格化、11時探索中止し帰り支度、採取した化石を梱包し宅急便で送付、岩見沢ICから道中自動車道で帰路につく。千歳JAS668便 17.10発待ちの間に土産を買い、憧れの北海道を後に機上の人となった。採集の成果は今一つだったが羽島さん、松尾さん、御二人の素晴らしい化石仲間とたった5日間ではあったが、共に行動し共に楽しみ、心に満足感溢れる有意義な北海道化石採集旅だった。

羽島さん、松尾さん、永久の思い出の一ページをありがとう……。

雨にぬれた林道も風情がある
(車中より)

大阪伊丹までの2時間、羽島さんと私はぐっすりと眠ってしまったが松尾さんが頑張って撮影、雲を眼下に夕焼けと月のコントラストを私も見たかった。


戻る