保育所などの食材、6割が定期点検なし 厚生省が調査◇
00/04/22


 全国の保育所や老人福祉施設、障害者援護施設などにある計約3万1000カ所の給食施設の衛生度を、保健所職員が立ち入りして
点検した結果、6割近くが食材の定期点検をしていないなど食中毒を防ぐ取り組みが不十分だった。厚生省は約60の点検項目につい
て、施設ごとに3年以内に改善する計画を出させることを決め、21日に都道府県を通じて指示した。
 立ち入り点検は昨年4―12月に行われた。点検項目のうち「成績」が悪かったのは(1)食材の安全検査を定期的にしていない=
57.6%(2)使う水の検査をしていない=42.3%(3)給食が食卓に出るまでの時間と温度を記録しない=33.5%など。
前年に比べると改善が見られた。
老人会出席の73歳の男性が死亡 東京・青梅市 
00/04/2
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 東京都衛生局に入った連絡によると、東京都青梅市内で22日に開かれた老人会の総会に出席した複数の高齢者が同日夕から夜にかけて吐き気や下痢を訴え、このうち同市内の73歳の男性が死亡した。総会には約120人が出席、昼食に仕出し弁当を食べており、同局は食中毒の疑いもあるとみて調べている


  在郷軍人病で2人死亡 豪南部ビクトリア州で
00/04/30


 【シドニー30日共同】オーストラリア南部ビクトリア州のメルボルンを中心に最近、在郷軍人病の患者が相次いで発生。同州保健
局によると、三十日までに高齢の女性二人が死亡したほか、二十九人が同病と認定され治療を受けており、今後さらに患者数が増える
懸念が指摘されている。                   
 同保健局によると、死亡したのは同州の八十三歳と七十九歳の女性。いずれも四月中旬、メルボルン市内にある水族館を訪れた後、
高熱など風邪に似た症状を起こし入院していた。        
 他の患者も水族館の見学者だったため、州保健局は今年一月に開館したばかりの水族館の空調装置と何らかの関係があったとして、
このほど装置の清掃を終えた。    現在欧州と中東諸国を訪問しているハワード首相も四月中旬、与党自由党の党員らと水族館を見学。
党員にも発症者が出ているため、首相本人への感染が心配されている。            
 在郷軍人病  レジオネラ菌に汚染された水滴などを介して感染する呼吸器感染症。菌と接触しても発症しない場合が多いが、免疫
力が低下している高齢者らが感染すると肺炎などを起こし、死亡率は高い。一九七六年、米国の在郷軍人会の会議参加者に肺炎が集団
発生したことから命名された。日本では循環式の二十四時間ぶろで同菌の繁殖が問題化した。                     
腸炎ビブリオ予防へ消費期限表示など義務付け
00/04/26


 年間一万人近くが感染、昨年は死者も出た「腸炎ビブリオ」による食中毒対策のため、厚生省は二十五日、感染源の生の魚介類や加工品を生産から流通、消費まで包括的に監視する対策に乗り出すことを決めた。今年は、消費期限の表示や冷蔵保存方法を示し
て、業者らに自主的な取り組みを促し、来年度は食品衛生法の省令改正などで義務付ける方針だ。食中毒が多発する六〜十月を集中対策期間と位置付け、水産庁の協力も得て業者を指導する。
 対策では、生食用魚介類を運ぶ運送業者、刺し身にしたり、貝をむき身にしたりする加工場、消費者に提供する小売店、飲食店すべてに、4度以下で冷蔵保存させる。加工業者が、カニの身などを煮る場合は、身の中心部が65度以上で一分間以上加熱させる。
 また、スーパーマーケットなど小売業者には、刺し身などのパックに保存温度と消費期限を表示させ、旅館や飲食店には、冷蔵庫から出したら二時間以内に消費させるよう義務付ける。違反した場合は、知事が食品の廃棄や回収を命令でき、違反業者に一年以下の懲役、十万円以下の罰金を科せるようにする。
 さらに、漁業者には、漁船の水槽などで魚を保存する際に、腸炎ビブリオが繁殖しやすい沿岸の海水を使わないよう協力を求める。
 現行の食品衛生法では、カキ以外は、生の魚介類の保存方法や加工方法などの規定がない。
 腸炎ビブリオ アジやイカなど近海で取れる魚介類から検出される。夏季に沿岸海域で増え、刺し身やすしのほか、加熱が不十分な弁当類を介して感染し、腹痛や吐き気を引き起こす。


                

群馬の国民宿舎、食中毒で連休に営業停止
00/04/29



 群馬県に入った連絡によると、同県吾妻町川戸の国民宿舎「榛名吾妻荘」(客室二十八室)で、今月二十四日から二十六日にかけて宿泊した県内や首都圏などからの客五十九人が下痢、発熱、吐き気などの食中毒症状を起こした。うち三十四人が診察を受け、高熱の女性一人が入院したが、全員、快方に向かっているという。
 同県は二十九日、食中毒と断定し、宿舎を同日から三日間の営業停止処分にした。大型連休中で、三日間はほぼ満室の計二百四十人分の予約が入っていたが、宿舎側は予約客に電話を入れ、近くのホテルを紹介している。
宿舎では、朝はバイキング料理、昼は弁当、夜は会食料理が出されており、県は病因菌や原因食品を調べている     
今月の事故情報


町営入浴施設の浴槽から基準の190倍のレジオネラ菌 使用
00/05/02


 静岡県福田町(フクデチョウ)にある健康福祉会館にある入浴施設の浴槽の湯から、厚生省が指針で示した値の百九十倍にあたるレジオネラ菌が
検出され、福田町では、きょうからしばらくの間、この入浴施設の使用を休止することを決めました。
 レジオネラ菌が検出されたのは、静岡県福田町にある町営の健康福祉会館の入浴施設「トロン温泉」です。
 福田町などによりますと、先月十三日、福田町が町内の公営の入浴施設三か所で行った水質検査の結果、「トロン温泉」の浴槽から採った湯から
厚生省が監修したレジオネラ症対策の衛生指針で示された値の百九十倍にあたる、百ミリリットルあたり千九百個のレジオネラ菌が検出されたとい
うことです。 このため福田町では、きょうから「トロン温泉」の使用をしばらく休止して塩素殺菌装置を設置する工事をすることにしました。
 静岡県によりますと、いまのところこの入浴施設の利用者がレジオネラ感染症にかかったという報告はないということです。
 福田町によりますと、「トロン温泉」は、水道水を沸かしたお湯を濾過(ロカ)装置を通して何度も循環させる「循環濾過型(ジュンカンロカガ
タ)」の設備でしたが、レジオネラ菌の殺菌に有効な塩素消毒設備はなかったということです。
 静岡県内では、先月、掛川市のレジャー施設「つま恋(ツマゴイ)」の温泉施設「森林乃湯(シンリンノユ)」の利用者に、レジオネラ菌の集団
感染が起きたばかりです。
昨年夏は、腸炎ビブリオ菌による食中毒が猛威を ふるった。

O3K6という血清型。
特に、北海道では異常高温、黒潮海流の
接近で食中毒事件が頻発した。



今年も、気温上昇に注意し、事前にできる対策は実行しリスクを軽減いたしましょう。