津山が誇る鉄道文化遺産 〜旧津山機関区 扇形機関庫〜

全国に現存する12の扇形機関庫〜No.8
旧梅小路機関区(現 梅小路運転区)扇形機関庫
(京都市下京区)


2010/04/29開設 2017/05/03改訂
京都鉄道博物館扇形庫
旧梅小路機関区 扇形機関庫(現 京都鉄道博物館扇形庫)
旧梅小路機関区(現 梅小路運転区)扇形機関庫は、京都市下京区、京都駅西方にあり、 現在でも動態保存のSLの車庫として使用されていると同時に、「京都鉄道博物館」の一部としても一般に公開されています。

梅小路機関区は、大正3(1914)年、京都駅の構内改良に伴い京都機関庫と二条機関庫を移転・合併させて開設され、 東海道本線と山陰本線などで運用されるSLが多数所属する大機関区となりました。
SLが全国から姿を消していった昭和40年代には、ここ梅小路に配置される車両もSLからEL・DLへと変わり、 SLの車両基地としての役割を一旦終えることになります。
しかしこの頃から、国内に現存し大正・昭和にかけて活躍したSLの代表的形式を集めて保存・展示を行う施設の設置が国鉄内部で検討され、 昭和47(1972)年、梅小路の扇形機関庫は「梅小路蒸気機関車館」として再出発しました。
この「梅小路蒸気機関車館」は、リニューアルののち、平成28(2016)年、「京都鉄道博物館」の一部となりました。

 この扇形庫は、機関区の開設と同じ大正3(1914)年に建設されたRC(鉄筋コンクリート)造の機関庫で、 我が国のRC造の建物としては初期のものであり、収容線は20線、国内に現存する扇形庫としては最大の規模を誇っています。
屋根はコンクリートの陸屋根、排煙の煙突は5本が現存しています。
収容線の奥行は約23〜45mで、正面向かって左側7線、1〜7番庫は検査修繕線で天井クレーンもあり(検査修繕線の奥が器械職場になっています。)、 梅小路が大規模機関区であったことをまさに示しています。
この検査修繕線では、現在もC57-1号機やC56-160号機などの動態保存のSLの検査や修繕が行われており、 この梅小路の扇形庫は、博物館としての機能と現役の機関車庫としての機能を併せ持っていると言えます。

また扇形庫前面の転車台は、昭和32(1967)年に設置された、20m級・三点支持型の電動上路式で、 館内に保存されているSLの入れ替えなどに使用されています。

これらは国内に現存しているSL時代の鉄道施設として貴重であることが認められ、平成16(2004)年に国の重要文化財に認定されました。
近畿地方に現存する扇形庫は、ここ梅小路のみとなっています。
なお、この施設は一般公開されています。
(検査線などは非公開の部分もありますので注意しましょう。)

 (調査・撮影時期) 平成15年11月 及び 平成16年11月
 (参考資料) 『梅小路90年史』 西日本旅客鉄道株式会社 平成16年

梅小路D51の方転風景
上の画像は、梅小路で動態保存しているD51形を転車台で方向転換する風景。
また右の画像は、出庫を待つ8620形。
扇形庫内の8620形
梅小路・扇形庫内の様子
左の画像は、扇形庫の内部。
整然と列んだSLも壮観だが、天井部分に注目。
津山の扇形庫と異なり、梁が縦横に渡されているのがわかる。
梅小路のビームジャッキ
梅小路の天井クレーン
梅小路の扇形庫は現役施設でもあるので、検査修繕線・器械職場も現役。
右側の画像は、重要文化財でもある天井クレーン。
また左側の画像は、SLなどの車体を持ち上げるビームジャッキ。

■当サイト内の文章・画像の無断転載の禁止について(注意)■ (2011/03/04掲載)

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