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活動記録
9月 サクラソウトラスト地の生き物ギャラリー
ー生態系の急速な変化が気になりますー

 今月のギャラリーでは「シロノセンダングサ」で吸蜜しているチョウなどがいます。この「シロノセンダングサ」は幕末に渡来したといわれている外来種だそうです。
 この植物を抜いた方がよいかどうかについては大変悩んでいるところです。なぜなら、すでに多くの在来の生き物が頼りにしているからです。
 汚い江川でもカワセミ、カワウ、サギの仲間たちはアメリカザリガニを頼みに生息しています。難しい問題です。

☆クワコとそのヤママユ
 9月4日撮影
 クワコはカイコの交雑種と考えられ、カイコとの野生原種とも考えられています。クワコのマユの色は黄色みを帯びた深みのある色彩で、これで布を織ったらすてきな絹織物になることでしょう。 

☆シロノセンダングサとサトジガバチ
 9月4日撮影
 ジガバチの仲間は狩人バチで、昆虫などを捕らえます。前もって地面に穴を掘っておいて獲物をそこに運び入れ、その獲物に産卵してから、ていねいに土をかけて去っていきます。
 獲物は殺してしまうのではなくて、一種の麻酔のようなものを刺して、産卵されたタマゴが孵ってからはその生き餌となるそうです。
 このサトジガバチはごく普通に見られる種類だそうです。

☆シロノセンダングサとツマグロヒョウモン
 9月18日撮影
 もともと東海・近畿より以西に生息していたチョウだそうですが、分布が急速に北上しているそうです。確かにサクラソウトラスト地ではこれまで見た記憶がありません。食草がスミレの仲間だそうで、この植物があるところならどこにでも住むことができます。
 分布の変化は温暖化の影響だといわれています。

☆ノアズキとウラナミシジミ
 9月18日撮影

☆カワウ
 9月25日撮影
 この日は台風17号が日本海沿岸を通過していました。
 突然カワウの大群が上空を北から南へ移動してきて、近くの荒沢沼へおりました。たぶん台風を避けて避難してきたのでしょう。

☆ハラビロカマキリ
 9月25日撮影
 ヤマグワの葉に止まっているところを見つけました。
 お腹はタマゴが透けて見えました。きっと産卵まぢかなのでしょう。

☆ナガボノシロワレモコウ群落とカヤネズミの巣
 9月25日撮影
 江川流域には点々と貴重な湿地帯が残存しています。なかでもこのカヤネズミが巣を作った場所は首都圏で最も貴重な自然が残っていて、今頃は秋の野草が一面に咲いています。
 カヤネズミは日本で一番小さなネズミで6グラムの体重だそうです。草原やヨシ原などで草をていねいにあんだ巣で子育てします。
 ヨシ原などの湿地帯の減少で激減している絶滅危惧種になってしまいました。
 ナガボノシロワレモコウも絶滅危惧種に指定されていますが、このすてきな白い穂を朝夕見ながら育つカヤネズミは幸せですね。
(C) Saeko Ogawa 2005

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