Eiko
朝8時にバスは出発。すぐ近くに見えていたモン・サン・ミッシェルはだんだんと小さくなりつつもいろんな色に変わって、Eikoに「ここでの思い出を忘れないでね〜♪」と言っているように思いました♪
フランスの郊外に山は見当たりません。行けども行けども平野ばかり…全土の95%が平野で、人口は日本よりはるかに少ない♪ 小麦畑、とうもろこし畑、さとうだいこんの畑、そして小さな集落をいくつも通り過ぎて、午後、世界遺産でもあるシャルトルのノートルダム寺院へ♪
朝日新聞きのう10/26付けの夕刊に、このシャルトル大聖堂の話が載っていました。文化面「こころの風景」の欄に「黒い聖母の謎」という題で♪ 取るになりないお話でしたが、心のなかで「行ったよ♪行って帰ってきたとこだよ♪そういえば黒い聖母子像だったな…」
ここのステンドグラスがまたまた見事♪色ガラスの配置により、曇っていても雨が降っても、中からステンドグラスを通して見れば、いつもお天気。太陽がこの教会にだけ黄色い光が射しているように、力を下されているように、信者が感じる演出が♪
祭壇もすごくモダンで変ってた。周りをキリスト降誕から死までのリリーフがかけられていて、イイ感じ♪
黒い聖母子像は、はっきり覚えてないのだけど、銀を多く使った衣裳を身に付けていたことは、憶えているよ♪
懺悔するところもそこかしこにいっぱいで、はじめてなかを覗きました。Eikoは閉所恐怖症気味なので、いくら許してくださっても、ここには入りたくないな…ってね♪
そして、いよいよ最終地パリへ向います♪
午後5時すぎ、パリのホテルに到着♪ 夕食はそれぞれのお部屋で和食弁当が配られるのだとか。で、Eikoはそれまでの時間を、ひとりで散歩としゃれこみました♪ ズンズン歩いていくと大好きな「靴屋さん」♪ ウィンドウにはEikoの履きやすそうな靴がならんでいます。さっそく入って試し履き♪ そこで店員さん「かわいい♪」と日本語。。。その言葉にほだされたわけでもないのですが、柔らかな皮が足にぴったり♪購入決定♪♪♪
ホテルに戻ろうかな〜と歩いているとJさん姉妹にバッタリ♪「何買ったの?」「靴」「どこで」「そこで♪」「行ってみるわ」「じゃあ私も一緒に行っていい?」ってことで逆もどり♪ルンルン♪
夕食は「おにぎり弁当」。梅、おかか、昆布の中身。それに鳥の唐揚げ、筑前煮、香の物。ウーロン茶。
日本にいたら「こんなお弁当イヤ」って食べないと思うのだけど、久しぶりのご飯粒はものすごく美味しくて♪ 日ごろまちがっても食べない筑前煮もなぜかお口が要求♪ 母がみれば何ていうだろう?などと幾日ぶりかで母の顔が思い浮かびました♪
よく朝、目覚めの第一声「よ〜し、行くぞー!」
午前中、ホテル近くのラファーエット百貨店にみんなでお買い物をし、6Fのバイキング形式の食堂へ。Eikoはストロベリータルトとチョコレートケーキ、くだもの、紅茶、でお腹つくり。
そして、Tさんに「先にホテルに帰ります♪」と。あとでTさんに聞くと「デパートからホテルまで迷いやすい道だったので、そこをちゃんと帰り着いて、着替えも済ませていたから、それが最低の合格点だった」とか♪
そうです♪ 午後からの自由時間をEikoは一人っきりで、サルバドーレ・ダリ美術館へ行こうと決めていたのです♪
AさんとTさんが止めるように何回も「だれも付いていかないよ。いいのね?」「だいじょうぶなんだね?」と。そのたびに「ダイジョ〜〜〜ブ♪」と言い続けて、ようやくタクシーに乗せてくださいました。
バックは持って歩くな、ということで財布とハンカチ、ティッシュをジーンズのポッケに。そのうえにレインコート、そのポッケにはメガネとお水。
タクシーにEikoを乗せてから、Tさん「着いたらまずタクシーのりばを確認してから、美術館に行くんだよ」「はい、わかりました〜♪」手には目的地を書いたカードとホテルカードをしっかりにぎってね♪ タクシーを見送るTさんの不安にみちみちた顔に、Eikoは思いっきり手をふりました♪
タクシーは大きな通りをつぎつぎに越え、急な坂道をズンズン登り、細い道を曲がりくね、やがて停車しました。ドアを開けながら「ここ、まっすぐね」と言われているようなので、うなずいてEikoは降り立ちました。チップも忘れずに渡したよ♪
でもね、しばらく歩いても見当たらないんです、ダリ美術館。。。しかたがないや〜♪ と近くの居酒屋さんへ「イックスキューズミー♪」。「もう少し行ったところだ」って♪
行くと、ありました、ありました♪ 小さな美術館♪ 一歩入ればぶつかるところでチケット購入、7ユーロ♪ そしてすぐ横の真っ赤な絨毯敷きの階段をトントントーン♪ 降りれば、そこはダリの世界♪
木にひっかけられた歪んだ時計。壁一面隙間なく貼られた水彩画。くちびる形のソファ。大きなカタツムリのうえに小さな天使。あちこちにはなんとも不思議な彫刻。そこに流れる音楽はダリ自身がこの美術館に合うよう選曲したもの。その合間にときどき自身の声が流れています。
なぜか解らないのだけど教会を模したような洞窟が一角にあったりして、不思議さはますますアップの一途♪
Eikoの作品のヒントになりそうな絵もいくつも。観たいと思っていた「足がキリンのような象」は貸し出し中だったのか見当たらなかったけど、レプリカ(売り物)で観られました。近くで見ると「海をバックにしたヌードの女性」なんだけど、遠くから観ると「リンカーン」だったりする彼独特の技法で描かれた絵画や、絵の真ん中に円筒形の鏡をおいてその鏡にはちゃんと女性の顔が映るのに絵だけでは何か分らない絵、とか、本でしか観られなかった数々の絵や彫刻…ゆっくり時間をかけて、座り込んだりしながら、Eikoはほんとうに心ゆくまで楽しみました♪
売店にも立ち寄り、本やアクセサリーなんかを買いました。そしたら大きなポスターをくださって、Eikoはルンルン♪ウルルン♪気分で、ダリ美術館をあとにしました。
でも、そこから受難は始まります♪って、読んで頂いてるみなさんが、ですよ♪
Eikoは、もうはじめの「は」から迷子状態なので、開き直ってるから怖くもなんともなし♪ルンルン♪
さてタクシー乗り場は…、、、見渡す限り、車のカゲさえ見えません。一応、来た道を下ることに… でも魅力的なお店が並んでいて足も目もそちらへ♪ アンティークのアクセサリー屋さん、ブティック、カフェなどなど…気の向くままに歩きましたが、一向に車には出会えません。さすがのEikoもちょっぴり不安に… と近くに駄菓子屋さんのようなお店♪ おもての箱からアイスクリームを一本取り出し、おじさんに「タクシー乗りたいのだけど、どう行けばいいですか?」 おじさん、お店から出て指を遠くにさし「ライト、ライト、ライト!」「メルシー♪」。アイスをペロペロしながら石畳の道をライト、ライト、ライト♪
途中、思わず撮りたい景色をパチリ♪ 歩いていくと素敵なロウソク屋さん♪ なんとそのお店のウインドウには日本の雑誌「ミセス」の表紙が。そして日本語で「この本で紹介されたお店です」。さっそく入り、あまりにもかわいい「カタツムリ」のロウソクをひとつだけ♪ルンルン♪
しかし、少しは車の通るもののタクシー乗り場は見当たらず…
なおも歩いていけば、パトカー巡回。いざとなれば、あれをとめよう♪ルンルン♪
バス・ストップで、しばしの休憩。不思議なんだけど遊園地でもないのにメリーゴーランドがひとつ、子供たちを乗せてまわってる♪ルンルン♪
やっと、やっと、大きな道路へ。それでもタクシー乗り場はみつからない。歩いて、歩いて、また、歩いて。。。
石畳の下り坂ばっかり歩いていたので、足は限界に近く、雨も降り出しそう。。。帰ると約束していた時間はせまってきます。
しかたがないや〜♪ 秘策を実行するか♪
ちゃんとしたホテルをさがし、みきわめて、そのフロントへ一直線♪
「申し訳ないのですが、お願いします。タクシーに乗りたいのです。呼んでいただけませんか?」「OK そこに座って待っててね」。
ふふふ…♪ みなさんのため息がいっせいに聞こえまーす♪♪♪
でもね、ロビーに座って待っていたら、奥からドヤドヤドヤー! なにがおこったのか、と思ったら、レスキューのひとが6人で、ひとりの男の人を運び出すところだった。そのひとを見ると、口に管が入っていて気管切開、ふたつの目には薄緑の四角い紙が貼られていて、どこまでも白い顔。Eikoの横をすりぬけて…たぶんEikoはどうしようもなく心配な顔してたのだと思うの。レスキューのひとが戻ってきて、そのなかのひとりがEikoの顔見て、安心するように、というように微笑んでくれたから…
ほどなくタクシーが来てくれました。乗ったとたんに雨がパラパラ…
今夜は、セーヌ川ディナー・クルーズだ、っていうのに…♪
ホテルに着いて、すぐにAさんに電話♪「やっと帰ってきた♪ もう1時間ごとに電話かけてたんだから…楽しかったのね。よかった、よかった♪」
Tさんも、「もう少ししたら探しに行かなくては…と思ってたんだよ♪ でも、よくやった♪ ホテルに飛び込むなんて、よく思いついた♪」と、抱きしめんばかりに喜び、誉めてくださいました♪
このお二人が、どれだけの勇気をもって、Eikoを送り出してくださったのか、しみじみ、じんじん、ガンガン、Eikoの心に響いていました♪♪♪
つぎは、ディナー・クルーズと、翌日のまたまた一人パリ散策のお話でーす♪
Mog
そうだよ、おねえちゃん。Aさんなんか仕事しつつ「やっぱり付いて行けばよかった」と思いながら、何回も何回もおねえちゃんの部屋に電話かけられていたし、
Tさんの心配も尋常じゃなかったんだからね。
よくよく感謝しなくちゃ、バチがあたる、ってものだよ♪
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