宝石サンゴについてU

今日は宝石珊瑚の産地と加工技術についてお話します。

昨日お話したようにサンゴは暖かい気候で浅瀬の澄んだ海でしか生息できません。

宝石珊瑚の原木は地中海沿岸の諸国にありました。特に有名なのはイタリアのトット・デル・グレコという町です。
しかし19世紀になると日本の高知県土佐湾でサンゴの原木が発見されました。
この原木が高品質なものとされた為イタリアから買い付けに来るようになり、
高品質な原木と手先が器用で繊細な研磨技術をもつ日本が世界一の宝石珊瑚を輸出する国となりました。
この高知県土佐湾で獲れるサンゴの中でも血赤色をしたものを「血赤珊瑚」とよびトサという代名詞で世界中から注目されています。

土佐珊瑚

もう一つの産地に長崎県五島列島があります。
ここでは繊細なタッチで図柄を表現する三段彫りという技法があり『五島彫り』といわれ高く評価されています。
五島彫りとは・・・サンゴ樹を硝酸にかけ表面の石灰質、付着物を除き次に加工の程度によってノコで切り
,鉄板上や金剛砂で摩擦してさらに砥石で丹念に磨いて彫刻をします。
その三段階に分けて磨き上げる手法の事を五島彫りいいます。

五島彫りの加工職人さんたちは従弟として師匠の家に住み込み、
サンゴについての知識や加工技術を学んでいきます。
伝統を守り継承していくことは容易なことではありません。
是非、五島彫りをご自身の目でご覧になられてはいかがでしょうか。

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