フローライト
鬼灯の頸の垂れて 去にしへの季節偲ぶ
常しへに舞い交う陸花 地より降り注ぎて薬菜色
朧に浮かべて燃ゆる 人の心、添え
精霊の炎 哀しげに揺れて
思いがけず流れゆく
水上からの紅い花
睡れ、睡れ、母の胸に…
睡れ、睡れ、母の腕に…
「帰らぬ微笑みを思いながら、ただただ梳る
一撫、二撫、…涙のぽろり落ちながら」
「降る雪の消なば消ぬべく思えども…」と躊躇う
この身を雪ぎて、白より遠く、また遠く…
思いだけは残して
−夜に抱かれた星々が貴方の瞳だったとして−
貴方と私を結んで出来た星座は、淡き星を映した川に流れて消えた
貴方は眠ったまま…
闇夜に舞う夭逝 幸福の残滓
出ずる度に殺めて 川へ沈んでいく
碧潭 水面の灯火 手を振って
消えるまで追いかけて
寄る岸辺もなく川下に下っていくのは心
弔いの歌が流れていく 波に乗せながら
彼の岸でゆらめゆく思い出は
最後の輝きを増して深淵の彼方
いつまでも
絶え間なく流れていく炎とかけ
悠に舞う蛍雪と解く
その心は
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