日韓共同きっぷとは

日韓共同きっぷとは、ソウルオリンピック開催時に、入手困難な航空券を補充する手段として発売されたきっぷだ。たとえばは東京発の場合、JR乗車券(東京都区内〜小倉〜下関)と新幹線指定席特急券(東京〜小倉)、関釜フェリーの2 等乗船券(下関〜釜山)、さらに韓国鉄道庁のセマウル号乗車券(釜山または慶州〜ソウル)がセットになっている。なお、セマウル号に慶州から乗車する場合は、釜山〜慶州間の高速バスまたは列車を、現地で各自が手配・負担して移動することになる。

map.gif

またこの切符は、日本側の出発地によっては、フェリーの代わりに博多からJR 九州のジェットフォイル「ビートル2世」を利用したり、福岡〜釜山間で飛行機を利用したりすることもできる。以下に、JR時刻表を参考にして、出発地と料金の表を作成してみた。(料金欄が空欄のものは発売不可)

fare.table


列車の紹介


プランニングと時刻表

新幹線については「ひかり」のなかから任意の列車を選んで乗ることができる(「のぞみ」には乗れない)。フェリーについては、1日1便しかないので選択の余地がない。セマウル号については、本来プサン〜ソウル間はかなり頻繁に走っているのだが、日韓共同きっぷでは以下の表に挙げた列車のみに乗ることができる。また、ジェットフォイルも以下に挙げた便のみ利用することができる。なお、このきっぷの有効期間は最初の乗車日(新幹線の乗車日)から7日間なので、その期間のうちにソウルに着けるようなプランをつくる必用がある。

JR新幹線(Cyber Station)
関釜フェリー
table.ferry
セマウル号(釜山→ソウル)の時刻
セマウル号(慶州→ソウル)の時刻
セマウル号(ソウル→釜山)の時刻
セマウル号(ソウル→慶州)の時刻
ビートル2世


モデルコース

私が今回考えたプランと、JR西日本のパンフレットに載っていたモデルコース書いておく。
JR西日本パンフ(P.1) 41KB
JR西日本パンフ(P.1) 143KB
JR西日本パンフ(P.1) 490KB
JR西日本パンフ(P.2) 37KB
JR西日本パンフ(P.2) 138KB


買い方

日韓共同きっぷは、旅行開始の2ヶ月前から7日前(セマウル 号を利用する場合は2日前)まで、以下に示すJRの旅行センターと、その周辺の主な旅行会社(JTB、近畿日本ツーリスト、東急観光、日本旅行)の一部支店のみで購入することができる。

uriba.table

申し込み時にはパスポートが必要と時刻表には書いてあったが、実際にはノーチェックだった。びゅうプラザ東京では、即日発券してくれたが、日韓共同きっぷを発券した経験のある係りの人は少ないので、発券までには少なくとも1 時間、下手をすると2時間かかると考えておいたほうがいいだろう。


帰りのきっぷはどうするか?

ソウルから日本への帰り方としては、
  1. 「日韓共同きっぷ」を往復で買う
  2. ソウル駅で「韓日共同きっぷ」を買う
  3. 「日韓共同きっぷ」オプションの帰国便航空券割引を使う
  4. 日本にある航空会社か旅行会社で、帰国便の正規片道航空券を買う
  5. 韓国にある航空会社か旅行会社で、帰国便の正規片道航空券を買う
  6. 韓国にある旅行会社か航空会社で、帰国便の割引航空券を買う
など、いろいろな方法がある。ただし、
  • 日本にある旅行会社で格安航空券を往復で買って、往路を放棄する
  • 日本にある航空会社で正規割引航空券を往復買って、往路を放棄する
といったことはできない。
なお、日本で格安航空券を往復で買って、復路を放棄してソウルで「韓日共同きっぷ」を買って帰ってくるということは可能なようだ。 (ただし格安航空券を購入した旅行会社との十分な協議が必要)
では、それぞれについて検証してみよう。

1.「日韓共同きっぷ」を往復で買う

これは、行きの「日韓共同きっぷ」を買うときに、帰りの分まで一緒に買ってしまう方法。ソウルで買うよりも少し高くなるが、言葉や予約の心配もなく楽に買える。しかし、東京発で「往復ともフェリー&新幹線利用」は、体力的にもかなりハードだと思う。

2.ソウル駅で「韓日共同きっぷ」を買う

上のように日本で往復まとめて買うよりも、少し安くなるかもしれない。しかし、予約や言葉の問題がある。未確認情報だが、ソウル駅前の旅行会社も扱っていて、そこの方は日本語が話せるという情報もある。いずれにせよ、往復とも陸路移動というのはかなりしんどいだろう。

3.「日韓共同きっぷ」オプションの帰国便航空券割引を使う

JR西日本の窓口で、大阪から西の各駅発の日韓共同きっぷを購入する場合、希望すればJALのソウル〜大阪・福岡・東京間の方道割引航空券を購入することができる。値段と利用便、時刻は以下のとおり。

4.日本にある航空会社か旅行会社で、帰国便の正規片道航空券を買う

最も確実に帰国便の航空券を購入できる安全な方法だ。予約と発券は国内線とおなじように、航空会社のカウンターか、旅行会社に依頼すればよい。しかし、円建てのソウル〜東京間の正規片道運賃は、なんと47000円。往復だと90000円程度してしまう。格安券ならば往復で2万円でお釣りが来ることもあるという時代に、こんな値段で航空券を買うなんてばかげている。

5.韓国にある航空会社か旅行会社で、帰国便の正規片道航空券を買う

ソウル〜日本各地を結ぶ便を運行している航空会社の日本にある予約 センターで「発券はソウルでします」と言って予約だけ入れてもらい、ソウルに着いたら、予約を入れた航空会社の窓口でウォン建てで航空券を買う。航空券はウォン建てで234000W(日本円で約22000円)だ。確実に予約が入れられる上、日本で買うよりもずっと安いのでおすすめの方法だ。詳しくは「ソウル発正規航空券の買い方」で紹介する。 (航空会社の日本にある窓口でウォン建てで航空券を買うこともできるが、この場合は発売価格が円建てと同価格まで引き上げられてしまうので意味がない)

6.韓国にある旅行会社か航空会社で、帰国便の割引航空券を買う

同じ航空会社しか利用しない航空券を買うのならば、ソウルで買うと 正規運賃よりもいくらか割引される。しかし、その差は東京までだと 5000円もない。割引にもいろいろあって、「予約の変更ができない」 などの制限がきつくなるほど安く買える。また、予約も正規航空券と同じように日本の予約センターで予約できるものから、現地で予約しないとだめなものまで、さまざまな種類が存在する。なお航空会社によっては、日本の予約センターで予約する場合に、特殊な「予約クラス」を指定しなければならない場合もあるので、注意が必要だ。


ビザについて

98年度中は、日本人については15日以内の滞在ならばビザが免除される。なお「帰路の航空券を所持していなければ入国できないか?」と問い合わせたところ、帰路の航空券は必要ないとの事だった。(大韓民国大使館領事部談)
しかし、規定は随時変更されることがあるので、計画段階で必ず大韓民国大使館領事部(TEL:03-3455-2601)に問い合わせる事をお奨めする。


戻る