ここでは、ソウル(または釜山)発の、正規(どノーマル)航空券の買い方を説明する。ソウルでは、行き帰りの航空会社を統一するなど、いろいろな制限を付ければ割引が受けられるが、仕組みが複雑なのでここでは紹介しない。また、このページの方法で予約・発券に挑戦し、何かトラブルが発生しても責任は負えない。自己責任のもとで挑戦してみて欲しい。 |
まず乗りたい区間に、そんな航空会社が就航していて、週にどれくらいの本数を飛ばしているのか、また、何時発で何時着なのか?などの、基本的な情報を集める必要がある。フライトスケジュールは、JTBやJRの大型時刻表、「AB-ROAD自由旅行」、「格安航空券ガイド」などの雑誌に掲載されているので、これらを見て調べる。また、各航空会社のホームページでも、フライトスケジュールをチェック(ただし自社便のみ)することができる。また、NIFTYやPC-VANの会員ならば、AXESS TRAVELLERというサービスを使って調べることもできる。 |
乗りたいフライトとクラス(エコノミー、ビジネス、ファースト)が決まったら、早速空席を調べてみる。空席は各航空会社のWEBサイトや、AXESS TRAVELLER、各航空会社の予約センター(電話)またはカウンターで調べることができる。 |
空席状況がわかったら、次は希望する区間の運賃がいくらになるのか調べる必要がある。日本で発券する場合の運賃ならば、JTBやJRの大型時刻表で調べることが出来るが、ウォン建ての場合の運賃は航空会社に聞くのがいちばん簡単だ。ノースウエスト航空の場合は、WEB上で空席と一緒にウォンまたはドル建ての運賃も調べることができる。国際区間の運賃は、どの航空会社でも一緒なので、ノースウエストが就航している都市ならば、この方法で調べてしまえばよい。ノースウエストが就航していない都市の場合は、乗る予定の航空会社に電話して聞いてみよう。なお「ウォン←→円」や「ドル←→円」のレートは、各新聞の朝刊または「Currency Converter」で調べることができる。 |
めでたく空席も見つかり、運賃も「許せる範囲」であったならば、早速予約を入れてみる。予約は、搭乗する予定の航空会社の電話予約センターか、カウンタに行って入れてもらう。電話番号やカウンターの場所は、WEBサイトや104などで調べればよい。予約の際は、乗る日付、便名、人数、氏名など、オペレーターが質問してくるので答えて行けば簡単に終わる。航空会社によっては、事前座席指定もできるので、予約のついでに「窓側の26Aがいい」などと希望の席をリクエストしてみよう。また、せっかく正規で乗るのだから、マイレージ会員になってしっかりとマイルも貯めよう。航空会社によっては、予約時に会員番号を伝えないとマイルが加算されない場合もあるので確認しよう。また、「発券はソウルでします」と言うのも忘れずに。 |
無事に予約が出来たら、いよいよ出発だ。韓国は1998年現在、帰路の航空券を持っていなくてもビザ無しで入国できるので、安心して出発できる(規定は変更になる場合もあるので、各自必ずチェックのこと)。なお、日本の国内線だと、予約センターで予約すると「予約番号」を言ってくるが、国際線の場合は予約番号などは必要ない。「乗る日付と名前」さえきちんと登録されていれば、世界中で予約記録を検索できるようになっている。 |
ソウル(または釜山)に着いたら、早速航空会社のオフィスまたは空港に行こう。言葉が心配な場合は、以下のようなメモを見せれば簡単に発券してもらえるはずだ。また、航空券は往復で購入しておくこともできる。この場合は、帰り(すなわち東京→ソウルなど)の予約は、発券時にはまだ入れていなくてもかまわない。航空券は1年間有効なので、1年以内に再びソウルに行けば良いことになる。 |
SEL--(03/NOV UA810/Y)--KIX //KIX--(OPEN/Y)--SEL |
SEL:ソウル、KIX:関西空港、03/NOV:11月3日、Y:エコノミークラス、OPEN:日付・便名指定なし 上記の例だと、往路は「11月3日、ユナイテッド航空810便、ソウル→関西、エコノミークラス」、復路は「日付・便名未定、関西→ソウル、エコノミークラス」ということになる。もちろん発券は片道でもかまわない。 |
以上のようにすれば、簡単にソウル発航空券が買えるはずだ。航空会社によっては、自社便のみの制限などをつけて割引してくれる場合もあるだろう。しかし、せっかくノーマルで買うのだから、もっといろいろな恩恵を受けてはどうだろうか?ノーマル航空券ならば、経路の途中で寄り道することもできる。途中経路での24時間以内の寄り道をトランジット(乗り継ぎ)と言い、24時間以上滞在する場合はストップオーバー(途中降機)という扱いになる。ノーマル航空券ならば、トランジット・ストップオーバー共に追加料金無しですることができる(あまりに遠回りする場合は追加料金も必要)。たとえばこんな経路もつくることができる。 |
SEL--(03/NOV UA810/Y)--x/KIX--(03/NOV NH148/Y)--HND //HND--(OPEN/Y)--o/ITM--(OPEN/Y)--o/MYJ --(OPEN/Y)--SEL |
上の例は、11月3日にソウルからユナイテッド810便のエコノミーでで関空に行き、乗り継いで全日空148便エコノミーで羽田に行く(往路)。帰路は、羽田から伊丹にエコノミークラスで行き、ストップオーバー(24時間以上滞在)してエコノミーで松山に行き、またもや24時間以上滞在してエコノミーでソウルに向かうというもの。ただし、帰路の便名、日付は未定にしてある。国内線区間は、会社ごとに運賃が異なる場合もあるので、区間によっては発券時に「搭乗する会社を指定して欲しい」と言われる可能性もある。 |
上のようなルートで飛ぶ場合は、予約は最初に乗る国際区間の会社で入れてもらう。上の例だと、ユナイテッド航空で、UA810便と全日空148便の予約を入れてもらえばよい。また発券も、最初に乗る区間の会社で入れてもらう。上記の例だと、ユナイテッド航空の市内オフィスまたは空港カウンターで発券してもらうことになる。 |
途中降機出来る条件は「国際線が飛んでいる」ことが前提となる。国際線がないと、料金の設定がないので発券ができないのだ(つまり大島や松本などを含めることはできない)。ただし、関西と伊丹、成田と羽田は、それぞれ同一空港扱いとなる。その上で、国際航空券のルールに従って、ルートと料金を計算していく。 |
まずは出発地と目的地を決める必要がある。出発地(ソウルまたは釜山)からみて、いちばん遠い場所が目的地だ。上の例では、東京が目的地になる。 |
目的地が決まったら、まずMPM(最大許容距離)を調べる必要がある。これは、追加料金無しで飛べる距離と考えれば良い。たとえば1998年10月現在のソウル〜東京間のMPMは、888マイルだ。このMPMは、NIFTYの海外旅行プランニングフォーラム17番会議室( nifty:FJOURNEY/MES/17/ )やAXESS TRAVELLERS(正規会員)で調べることができる。運が良ければ航空会社でも教えてもらえるかもしれない。 |
次にTPM(区間距離)を調べる。たとえば、ソウル〜大阪は511マイル、大阪〜東京は278マイル、ソウル〜東京は740マイルだ。これも、MPMと同じように調べることができる。 |
MPMとTPMがわかったら、「TPMの合計<=MPM」になっているかどうかをチェックする。上記の例(往路)だと、「511+278=789 < 888」なので、余裕でこの規定をクリアできる。復路についてもチェックしてみると、大阪〜松山のTPMが161、松山〜ソウルのTPMが413なので、「278+161+413=852 < 888」なので、復路も追加料金無しで飛ぶことが出来る。こうして、追加料金がかからない範囲で、うまく途中降機地を決めていけばよい。 |
なお、MPM/TPMは変更されることもあるので、各自で直前に調べて見て欲しい。 |
経路が決まったら、今度はHIF(最高料金)を調べる。上記の往路の例だと、ソウル〜大阪、ソウル〜東京、大阪〜東京のうち、もっとも高い料金が往路の料金になる。なお、料金はNUC(料金計算単位)というもので表す。NUC←→円のレートは為替相場によって変動するが、米ドルよりも少し高いくらいだと思っていればいいと思う。ちなみに、98年10月現在、ソウル〜東京はNUC182.25、大阪〜東京NUC109.63、ソウル〜大阪NUC145.93なので、ソウル〜東京の運賃がHIF(最高運賃)になり、この運賃が往路の運賃になる。レートは98年10月現在、NUC/wonが1335くらい、NUC/Yenが145くらいだ。 |
復路については、東京〜ソウルのNUCが182.25、東京〜大阪が109.63、大阪〜松山が83.28、東京〜松山が159.07、大阪〜ソウルが145.93、松山〜ソウルが131.03なので、やはり東京〜ソウルがHIFとなり、復路も東京〜ソウル間の運賃で、大阪と松山に寄り道することができる。 |
ただし消費税法により、国際航空運賃は消費税が非課税になるが、国内航空運賃は消費税が課税されるので、ストップオーバーの場合は国内区間のみ消費税(5%)を負担する必要がある(トランジットならば必要ない)。また、NUCは為替相場の状況によって、頻繁に変わるので注意する必要がある。 |
追加料金を支払えば、MPMをオーバーさせることが出来る。たとえば、5%の追加料金を支払えばMPMを5%増やすことが出来る(5Mという)ので、東京〜ソウルの場合888*1.05=932.4マイルまでMPMをのばす事が出来る。こうすれば、東京〜福岡〜ソウルというルートも組むことができる。ちなみに東京〜福岡のTPMは566、福岡〜ソウルのTPMは337だ。チェックしてみると、「566+337=903 < 888*1.05=932」となり、5%の追加負担で福岡に寄り道できることが分かる。 |
しかし最近は円高になっているので、98年10月現在、ソウル〜東京のNUCが182.25なのに対し、東京〜福岡のNUCが185.42となっていて、東京〜福岡がHIF(最高運賃)になってしまう。したがって、「東京〜福岡の運賃*1.05」が、東京〜福岡〜ソウルの運賃となる。 |
5%増しの5Mのほかにも、10%増しの10M・15M・20M、そして25%増しの25Mまである。ただし25%以上の追加はできない。 |