アサマ スタークロスウォーク2008(記:2008年9月2日)



スタート地点、小諸懐古園


 ファミリーコース17キロ、一般コース35キロ、標高差1700メートルを歩くというものです。
ファミリーコース・一般コース共スタートは長野県小諸懐古園、
ファミリーコースゴール・一般コースチェックポイントは高峰高原ビジターセンター、
一般コースゴールは群馬県嬬恋高原つつじの湯。



 このイベント自体の存在は去年か一昨年、新聞で募集広告が出ていたのを見て知っていた。 すごく参加してみたいという気持ちはあったものの、まぁ色々と事情があって都合がつかず、 でもいつかは参加してみたいなと思ってた。 小学校時代の「遠足」みたいなことをやってみたくなったのね。
(最近の遠足はバスで行くようですが、 昔は小学校1年生の時から歩きで中高学年くらいになると20キロ以上歩いたと思った。)
 で、今年はついに参加出来そうで、本当にワクワク、ドキドキしながら応募した。 ちなみにちょっとしつこくダンナを誘って、ダンナも渋々参加することになった。


 スタートが小諸ということで電車で行くか車で行くか迷ったんだけど、ダンナが車の方がいいというので車で行った。 (ホテルに泊まったりしない人は電車の時間とかを考えると確かに車で行った方がいいかも。泊まりで来てる人も結構多かったかもしれない。) 小諸には詳しくないので一応事前に駐車場について問い合わせると 「駅前に沢山あるので来てもらえばすぐにわかると思いますよ」と言われたんだけど、 ハッキリ言って駅前になかなか辿り着けなかった。 (だって駅のすごく近くまで行かないと「←小諸駅」みたいな) 標識がなくて何処を曲がっていったらいいのかわからないんだもの。 (あ、家の車にはカーナビというものがないので。) 道を間違えながら駅前に辿り着き駐車場に車を止めて懐古園に向かった。


 あ、このイベントは「雨天決行」なんだけど、この時点でもう空は一面の雲。 一応イベントの「売り」?みたいなのに「星を見る」というのがあるような気がするんだけど (だって名前にも「スター」って付いているし・・・)もうそれを期待するようなレベルではなく、 せめて降らないでくれって感じ。 受付をして出発式?があって19時くらいにスタート。 (出発式の中で「今の山の上の気温は8度です」というアナウンスがあった。)



 ところで、ダンナを誘った時に「『歩き』のプロが集まって来るんじゃないの?」と言われたんだけど、 まぁ別に競技じゃないから素人が参加してもいいんじゃないの?って言ったのよ。 このスタート地点で見渡したところ、確かに「プロ」っぽい人達はいた。 逆にすごく軽装で「それで大丈夫なの?」と初参加の私ですら思うような人もいた。 あ、あと家族連れで小学生とかも。



 スタートして町の中を歩いている時は人が密集している感じ。 あたしは別に人よりも早く行きたいとかいうのはないんだけど、 とにかく人に紛れて人の歩調に合わせて後について歩くっていうのにストレスを感じる。 だからこの辺りは結構すごい勢いで歩いていたかも。 あ、途中数メートルだけど走って追い抜いたりもした。 (「走ってる・・・」とコソッと言われたのも聞こえた。) それから、あたしはいつもマスクをしてウォーキング&ジョギングをしていると書いてるけど、 「当然」この時もしてました。 それについてもコソッと「マスクしてる・・・」と言われたのが聞こえた。 まぁ、他人がなんと言おうが全く関係ないです、これがあたしのスタイルなんで。



 で、途中から(というか結構すぐ)外灯のない山道に入って行った。 そして更に進むとそこから先は車の進入禁止ということでノビノビ歩けた。 でも星が見えるわけでもなく・・・結局黙々と歩くだけ・・・という感じ。 途中からダンナと離れてしまい、最初の給水ポイントでダンナが来るまで数分待った。 その後は完全に離れ離れ。各々自分のペースで歩いた。



 そうそう、スタート地点の他、給水ポイントなんかでも取材してるみたいな人達がいたけど・・・ 個人的にはそれも鬱陶しい感じ。(あ、私は質問とかなにもされなかったけど。) だって、なんかね「修行」って感じだった、私は。 だからホント、そっとしといてくれって感じ。


 車は通らない道だけど、 たぶんチェックポイントまであと7、8キロくらいのところでスタッフ?車両が向こうからやってくるのが見えて・・・ そのまま歩いていけば当然車が避けてくれたはずなんだけど、 なんだか反射的に「避けなくちゃ」って思って端によったら・・・(あたしはその時右側を歩いていた) 右足を側溝に突っ込んで・・・当然転びますよね、はぁ・・・。 真っ暗闇の中でかなり大きな声で「げぇ〜っ!!」って叫びながら転んだ。 暗いから周りの人にもハッキリとは何が起こったのかわからなかったかもしれないけど (でも車のライトでしっかり照らされたような気もする) とにかく自分自身が悲しい気分。 血が出てるかとかそんなのはわからないけど、でもメチャクチャ痛いのは自分でちゃんとわかってる。 でも、そこで立ち止まったらもう歩いていけないような気持ちなの。 だから、転んだ瞬間に立ち上がるくらいな「機敏」な反応をしたと思う。(とりあえず自分の感覚としては。) まぁ、顔面とかケガしないで良かった、良かった。


 その後(前か後かハッキリ覚えてないんだけど)ダンナから 「お父さんはもう歩けない」みたいな電話があってそのまま切れた。 えぇ〜っ!途中で棄権して車に拾ってもらうのかな?と思ったけど、 とりあえず自分は進まなくちゃ・・・と思ってひたすら歩いた。 歩いていれば前には進む。


 距離にして17キロって、17キロをなめてるわけじゃないですが、そんなにすごい距離ではないと思う。 けど、距離じゃなくてびぃっくりするくらいな上り坂にやられた感じ。 ホントすごいです。 標高差から考えても上り坂だってのはわかる。けどその上り坂がフツーの上り坂じゃない感じ。 転んだら「コロコロコロ・・・」って下まで転がっていきそうな坂道。 たぶん、あたしの軽自動車じゃ登っていきそうもないくらいな坂道。


 とりあえず、「あと10キロ」と「あと5キロ」からは1キロずつのカウントダウンの看板が置かれていたんだけど、 この1キロが果てしなく遠い1キロに思えた。 20〜30分かかったんじゃないかな。



 歩いている時に考えてたのは・・・なんか何も考えてなかったかも。
 あと4キロ、3キロくらいのところでは「疲労困憊」ってこういう状態かなぁ、 そういえばクイズ番組で「ひろうこんぱい」を漢字で書けっていうのがあったよなぁ、どう書いたっけ・・・ みたいなことを考えていた。
 あと2キロ、1キロくらいではホントにこの坂、キツイよなぁ、足を引きずるってこんな感じかなぁっていうのと、 腕が邪魔だなぁってこと。
よく陸上選手って腕の振りが大事だって聞くけど、これを痛感した。 私は普段のウォーキングでも腕を直角にするようなちゃんとした「振り」はしていないんだけど、 それでもリズムをとるみたいな、そういうのはあるわけ。 でもね、腕に筋肉みたいなのってないから最後のほうでは腕を動かすこと自体が難しい。 で、その時に思ったのが「腕が邪魔だなぁ・・・」ってこと。だから肩紐を持ったり、 とりあえず腕を下までブランと下げないでいるようにしたり、本当にこの辺りでは「ボロボロォ〜」な感じだった。
 そうそう、普段もそうだけど本当に苦しいと思ったらマスクは外す。 本当にキツイ坂道ではマスクは外してた。
 そして元々右足小指に出来てたマメも上り坂のせいでますます擦れて・・・マメの中にマメ、マメの隣にマメという感じ。
↓汚い足ですが・・・。

右足小指の「マメ」


 登りきってチェックポイントが見えた時には本当に「やっと着いたぁ・・・」って感じがした。 ちなみに22時30分くらいに着いたはず。 この時にはまだ雨は降っていなかったけど、汗で洋服はビショビショ、霧とか露?で髪の毛もびしょびしょだった。
 自分の気持ちとして1時間走るのよりもキツイと感じた。


 とりあえず建物の中に入りイスに座って休んでいる時に転んだひざの辺りを何気なく見てみると・・・ なんと履いてたジャージに穴が開いてる。ぎょっ!として穴からおそるおそる覗いてみると・・・ やっぱり血が出てるみたい。ヤレヤレ・・・。


側溝に落ちて転んだ膝


ここでダンナに電話をしてみた。 ダンナからの電話の後、ダンナがどこでどうしているか全くわからなかったから。
 私はダンナが車に拾ってもらってるものとばかり思っていたんだけど、なんとまだ歩いているって。 ビックリした、「あと1キロくらいです。」って。 で、この頃には雨がすごい勢いで降り出し・・・11時くらいに着いたダンナはもうびしょ濡れだった。 そしてそもそも気温が低いので寒い。



 あたしは初参加で事情がよくわかっていなかったんだけど、 このチェックポイントからの出発は各自自由なタイミングでいいみたい。 周りにいた慣れた人達は着替えをしたり、腹ごしらえをしたりして残りの半分に出発して行った。 女性はトイレとかで着替えれば良かったのかな、その辺りは私にはわからなかった。 (自分は着替えは持ってきてなかったので。)



 ダンナは若い時に太腿の肉離れを経験しており、その影響もあってか後半歩くのは無理だからリタイアするとのこと。 私は私で、歩いている時はなんともなかったんだけどなんとなく吐き気がする、 あと・・・手の指先が痺れているみたいな、でも動くんだけど。 (最後の1、2キロで水分を取りすぎたのか、逆に水分補給が足りなかったのか・・・貧血とか酸欠とかそういうの?) 後半は下りだし歩いて行けそうな気もしたけど、なにより「雨の中を歩く」という気力がなく、 それにダンナ一人リタイアするっていうのも、なんとなく結構強く誘った責任を感じるし・・・・ 私もリタイアすることにした。
(特にスタッフに聞くこともしなかったんだけど、 ダンナ一人がリタイアした場合ゴールまで送ってくれたりっていうのがあったんだろうか?)



 ゴールには温泉(だと思った)があって、本当なら二人で温泉に入って帰ってこようと思っていたので、 スタート地点の受付で荷物をゴールまで運んでもうらようにお願いしてあった。 けどチェックポイントでリタイアしたのでその荷物を戻してもらった。 スタッフの皆さんには本当にご迷惑、お手数をお掛けしてしまった。 にも関わらず、本当に親切にしていただき申し訳なかったです。 あと、荷物の到着までバスを待たせてしまい、一緒のバスに乗られた皆さんにも申し訳なかったです。


 あ、そうそう、リタイアしますと言ったものの、あたしはこの頃にはメチャクチャ元気になっていた。 (雨もあがっていたかも。)
 バスで駅まで降りてくるのに30分ちょっとくらい。一緒にバスに乗ってた人達が 「上と下では空気の濃さが違うよね」と言っていて、たぶん本当にそうなのかもしれないけど、 鈍感な私にはよくわからなかった。(そもそもマスクしてるからわからないのかも。)



 今回最後まで歩けなかったのは本当に残念で、ものすごい敗北感と一方で結構満足感もあったりする。 自分は山歩きみたいな経験はなく、こういう「歩き」に必要なものがなにか今もよくわかっていないけど、 次は必ず完歩したいと思う。



 それにしても慣れてる人達はそれぞれ自分のペースで途中道端で座って休んだり、飲んだり、食べたりしていたんだけど、 私は性格的にそれをする勇気がない。 疲れたら立ち止まって休むとか、こまめに水分補給をするとかすごく大事なことだと思うけど、 あたし立ち止まるのが怖いんだよね。 とまったら次の一歩が踏み出せないような気がして。 理科の実験じゃないけど、 止まってるのを動かすのと動いているのをそのまま動かし続けるのとでは止まってるのを動かす方が大きな力が必要な気がする。 だからちょっとずつでもいいから動いていないとダメな気がしてる。 あたし、本当に気が小さいから。


 あと、食べるとか飲むっていうのも結構怖いの。 毎日ウォーキングする時もご飯の量とか食べたものとか時間とか結構敏感に体調(っていうのかな?)に影響する気がしてる。 これって体そのものがちゃんと出来てないからかな。



 それにしても今回、あたしはダンナを見直した。 なにがすごいって精神力っていうんでしょうかね。「気持ち」 あたしは雨が降ってるだけで気持ちが萎えるんだけど、 ダンナはその雨の中を動かない足を引き摺るようにして「もう歩けない」から2時間も歩き続けたわけで・・・ あたしにはそういうところはとても真似が出来ない。



 これからもこのイベントが続く限り、都合がつく限り参加したいと思っているけど、 たぶん雨が降ったらまたリタイアすると思う。 ま、あたしってその程度の人間。
(そもそも普段のウォーキング&ジョギングですら「なにかが降ったら休み」って思ってるくらいなんで。)



 あ、そうそう、暗闇を歩いていると、後ろからヘッドライトをつけた人が迫ってくることがある。 (まぁ、当たり前ですね。その人はその人のペースで歩いているわけだから。) それがアタシにはすごく不快。 気分的にはバイオハザードの「見つけたぞ!」みたいな感じですごくイヤ。 ほら、なんか警察とかに捜索されてるみたいな・・・。 だから本当にすぐ後ろにいそうだと思ったらゆっくり歩いて追い抜いてもらってた。



 今回参加して本当に貴重な体験をさせてもらったと思うし、次回以降参加するにあたって必要なもの(装備?)も多少わかった。 来年以降はもっと「本格的」に挑戦したいと思う。
(もっと走る距離とか増やしたほうがいいかもって考えている。)


 そういえば、酷い筋肉痛を予想していたんだけど、意外に大丈夫でビックリしている。 これも真夜中のウォーキング&ジョギングの成果か。 ちなみに上り17キロで歩数は23000歩ちょっとだった。



 どうぞ、日本全国世界各国の皆様、興味があり我こそはと思われる方は是非とも参加してみてください。
(息子には「そんなの歩けて当然だろう」という反応をされましたが、かなぁ〜りキツイです。)

健康な肉体、強い精神力をお持ちの方、是非!
(あたしは来年も都合がつけば参加しますよ。)



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