それは帝光時代あのころよく見掛けた光景。

見慣れたはずの、光景。

既視感デジャヴュ

試合中に黒子っちが拳と拳をぶつける、合図のような仕草。

試合中、それはよく見たはずだった。

それ、なのに。

(な、んで…)

何でこんなに胸が痛いんだろう。

(…あぁ、そうか)

今は、帝光時代あのころじゃない。

だってオレは。

コートに立ってない。

ベンチにすら居なくて。

遠い遠いこの場所から、ただ黒子っちの試合を見てるだけ。

ただ。…見てるだけ。

オレはギュっと拳を握って。

この、何とも言えない、苦い気持ちを飲み込む。

そこはオレが居たかった場所、欲しった居場所。

オレが焦がれて仕方のなかった場所で、オレじゃない奴が居る。

認めてない訳じゃない。

けど。けれど。

茫然としたオレの目に映った、次の瞬間シーン

そしてオレは唐突に理解した。

…オレの、2年半にも及ぶ片想いが。

――――――――――――終わった事に。




2012/08/19UP