何故ここに居るのか?

答えなんか簡単で。

……それでもアナタは解ってはくれない。



〜タイムリミットまで20時間〜




「隠して……」



固まった身体が上手く動かない。

まるで。

その視線の呪縛から抜け出せないように。



「だから。だから覚えて居たいんスね?コン君…」



言われた言葉にただ呆然とその言葉を発した人物をコンは見つめた。



「『好き』なんでしょ?黒崎さ……」



その言葉を言い終わる前に。

コンはテーブルに置かれた湯飲み茶碗を手にしていた。






『バシャンっ!!!!』






「…っ…!アンタなんか……!!!」



すっかり冷め切ってしまったお茶を、思い切り浦原にぶちまける。



「アンタなんかにゃ解んねェんだろうなっっ!!!!」



「…コン、君…?」



「俺が何でココに居るか、アンタには解んねェだろうなっっっ!!!!」



目の前がただ、赤く染まる。



「俺は、…俺はもぅ1日だって生きてられねェっ!!」



押さえつけてた気持ちが溢れ出す。



「残った時間は…後僅かなんだ………っっ、そんな時に!!!!」



溢れ出した想いが、止まらない。

































「何で『ココ』に『来た』かなんて意味をっっっ!!!!!!」



































「……………………」



再び訪れた静寂に。

コンの手から落ちた湯飲み茶碗が音を立てる。




「……っ……」




その音に、コンが我に返る。



「今…何て……?」



「…っ…っ!!!」



徐々に近づいて来る浦原に、コンはただ顔を背ける。



「ねぇ、コン君、もう一回…」



「…っ!ア、アンタが悪いんだからな…!!」



「…そりゃまた、どーして?」



「お、俺に…改造魂魄の俺に…す、好き、…とか言うし」



「言いましたね」



「一護が居ない間、色々世話、…してくれたりとか…」



「そりゃぁしますよ。他ならぬ、アナタの為なんですから」



「…っっ、お、俺を…その気にさせたのは…その…ア、アンタ…なんだから…な…」



「えぇ。じゃぁきちんと責任取らなければいけませんねぇ…」



「って…!アンタ何処触って……!!」



いつの間にかスルリと回された、腰への腕。



「何処って…腰ですが?」



「…っ!!ア、アンタキャラ!キャラさっきと違う!!」



「そう?好きな人に好きって言われたら、こうなるんじゃないっスか?」



「〜っ!!!そ、そうは言ってねェだろうが!!!!」



「そうっスか?そう言う意味にしか聞こえないっスけどねぇ?」



「い、言うつもりなんかなかった…!」



「…それはまた、どーして?」



「だって…俺…もう居なくなるし……」



「…そんな淋しい事言う口は塞いじゃいますよ?」































浦原が顔を近づけた瞬間…。


































「スト――――――っプ!!!!!!!!!!!!!!!」

































「…は?」

































塞がれた、妨げられた口付け。



「…何っスか、この邪魔な手は?」



「これは一護の身体だつうの!!キスなんかするなっ!!!」



「えー…折角想いが遂げられたってのに…」



「絶対駄目っ!これ以上、一護の身体で勝手出来るかっての!!!」



「……本当はやっぱり黒崎さんの事、好きなんじゃないっスかぁ?」



「…バーカ。

……例え一護の身体だつっても、俺以外と簡単にキスなんかさせるかっての




「え?今なんておっしゃいました?」



「あーっ!もぅ!!何でもねェ!!」



「はいはい。…じゃぁ抱き締めるくらいなら良いでしょ?」



「…勝手にしろっ!!」



叫ぶように言うコンに浦原も微笑みながら、その身体に腕を回す。



「…消えちゃ嫌っスよ。コン君」

「……………無理言うな」



柔らかく背中を撫でれば。

眠そうにトロンと目が虚ろになる。



「…眠いっスか?」

「……ぅん……」

「寝ても良いっスよ?」

「………ずっと、傍に居てくれる?」

「えぇ…。…アナタが眠っても、傍に」

「………ちょっとだけ、な……」



小さな声で聞こえた、最後の声は。






『…俺には………もぅ…時間がない、から……』