門番の正体は・・・
医者から目の宣告を受けた後、久しぶりに例の夢を見た。
いつものように昔からの友人が現れ、そして消えていく。
だんだんと最近の友人が出てくると、ゴールが近いことが分かる。
また
門番がいるのだろう・・・。夢なのに冷静に夢を分析している自分がいる。
ゴールが近づいた。
門番が立っている。 暗くて顔が見えない。
いつものことだ・・・。
しかし、今日はいつもと違う。
門番に近づいても声をかけてこない。
暗闇で顔が見えないが、笑っているのが分かる。
そして私はゴールの扉の前で立ち止まった。
いつもは立ち止まることもなく声をかけられ、扉が開けられる。
いつもと違う・・・・。
そう思った瞬間、
門番が声をかけてきた。
「やっと分かってくれたんだね。安心したよ。この時を待ってた」
そういっていつものように扉を開けてくれたのだ。
今日は扉の向こうを見ることができる・・・。
そう思っていた。
その時、
門番が再び声をかけてきた。
「これからだね・・・・・・」
そして、目が覚めたのである。
私はその時気が付いた。
この門番は・・・・・・・・
「私自身」・・・・・だと・・・・
目の障害を伝えたくて、10年以上も前から現れていたのだ。
それはそのはず、知らないままコンタクトを続けていたら、今はもう失明していたかもしれ
ないのである。
この障害は、絶対にコンタクトを使用してはいけない。私は、コンタクトが苦手で、
スポーツをするときだけしか使用していなかった。それが幸いし、なんとか失明せずに
済んでいたのである。
この障害が分かっていたら、医者は処方箋を出してはいけない。10年ほど前、私にコン
タクトの処方箋を出した有名な眼科医に、この障害が分かってから診察してもらった。
医者は、頭を下げて謝った・・・・・・・。
しかし、医者は悪くない。その障害を判明できる機械は最近発明されたらしいのである。
それに、こんな症例は皆無に近いのだ。
今、その病院の私のカルテには、いつでも角膜移植ができるように、大きい病院への
紹介状がはさまっている・・・・。
「門番」・・・・・・・それは私自身だった。いったい何年後の私なのだろう。
私はそれからその夢を見ていない・・・・・
久しぶりに門番が現れたのは、この旅が始まって2日目のことだった。
その時の門番と交わした会話。それは・・・・・。
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