サハリン釣行記28

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門番の正体は・・・


医者から目の宣告を受けた後、久しぶりに例の夢を見た。

いつものように昔からの友人が現れ、そして消えていく。

だんだんと最近の友人が出てくると、ゴールが近いことが分かる。

また門番がいるのだろう・・・。夢なのに冷静に夢を分析している自分がいる。

ゴールが近づいた。  門番が立っている。  暗くて顔が見えない。

いつものことだ・・・。

しかし、今日はいつもと違う。

門番
に近づいても声をかけてこない。

暗闇で顔が見えないが、笑っているのが分かる。

そして私はゴールの扉の前で立ち止まった。

いつもは立ち止まることもなく声をかけられ、扉が開けられる。



いつもと違う・・・・。

そう思った瞬間、門番が声をかけてきた。

「やっと分かってくれたんだね。安心したよ。この時を待ってた」

そういっていつものように扉を開けてくれたのだ。

今日は扉の向こうを見ることができる・・・。

そう思っていた。

その時、門番が再び声をかけてきた。

「これからだね・・・・・・」





そして、目が覚めたのである。

私はその時気が付いた。

この門番は・・・・・・・・

「私自身」・・・・・だと・・・・

目の障害を伝えたくて、10年以上も前から現れていたのだ。

それはそのはず、知らないままコンタクトを続けていたら、今はもう失明していたかもしれ

ないのである。

この障害は、絶対にコンタクトを使用してはいけない。私は、コンタクトが苦手で、

スポーツをするときだけしか使用していなかった。それが幸いし、なんとか失明せずに

済んでいたのである。

この障害が分かっていたら、医者は処方箋を出してはいけない。10年ほど前、私にコン

タクトの処方箋を出した有名な眼科医に、この障害が分かってから診察してもらった。



医者は、頭を下げて謝った・・・・・・・。



しかし、医者は悪くない。その障害を判明できる機械は最近発明されたらしいのである。

それに、こんな症例は皆無に近いのだ。

今、その病院の私のカルテには、いつでも角膜移植ができるように、大きい病院への

紹介状がはさまっている・・・・。


「門番」
・・・・・・・それは私自身だった。いったい何年後の私なのだろう。



私はそれからその夢を見ていない・・・・・

久しぶりに門番が現れたのは、この旅が始まって2日目のことだった。

その時の門番と交わした会話。それは・・・・・。




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