さあユジノサハリンスクへ
民家での食事を終え、ユジノサハリンスクに向かう時間がやってきた。お腹が満たされ
るというのは、人間の基本的な欲望を満たしてくれるということらしい。みんな大変だった
ビバーク生活を笑いながら会話にしている様子を見ていると、本当にサバイバルをしてい
たのかと疑問に思ってしまうくらいだ。それほど安心してお腹を満たすというの
は人間にとって大切なことなのだと実感した。
(日本じゃこんな気持ちにはならないだろうな・・・飽食日本ではね)
いよいよ出発である。元気にバスに乗り込み始めたそのとき・・・川監視のロシア人がなに
やら呼んでいる・・・「オドデラ・・・オロテラ・・・オドデダ・・・」何とも発音がおか
しい。ロシア語ではないことは片言の発音からわかった。よく聞くと日本語を言おうとして
いる。その言葉は・・・・
「私の名字」である。
というか
「私の兄」を呼んでいるらしい。
見ると手には多くのビールが。なんと、私の兄にもらったルアーのお礼にビールを持って行け
というのだ。思いがけず大量のビールを手にした私たちは、のどを潤しながら快適なバスの旅になる期待でいっぱいだった。
・・・・・・
そうそう、ここで少し私の兄について触れておきたい。兄は特殊な能力を持っているとこの
旅で確信した。それは・・・・
「言葉が通じない相手と仲良くなれる」特殊能力である。
いつの間にかロシア人と仲良く話している。もちろんロシア語は話せない。しかし、確実に
気持ちは通じている。キャンプ中もロシア人2人と、私たち兄弟2人の4人で食事をしたと
きがあったが、なにやら盛り上がり、軍人さんから大事なバッチをもらった。
ついでに私も・・・・。多分、アマゾンで初めて見つかった部族の中に入っても、宇宙人が
降りてきても、彼なら仲良くなれるだろう。ヒグマでも・・・そりゃ無いか・・・。
そんな兄から釣りで使う日本製のルアーをもらったことがとてもうれしかったらしく、ルア
ーが大量のビールに変わったというわけだ。まあ、何はともあれみんな兄に感謝したのは言うまでもない・・・・。
民家の倉庫前で・・・これは私である
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ロシア・サハリン過酷な釣行記