サハリン釣行記J

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「日本人見たの初めてだぜ〜」 ロシアの漁師

前回の話の続きだが・・・。住居の下についているスキーのようなもの。なんか異様であ

る。聞いてみると、陸でここまでの道がないので、海が凍ったときに氷の上をすべらせて運

んできたらしい。本当かどうか分からないが、ここまでの道を思い出してみると納得がいく。

それにしてもここは北サハリンの東海岸(未だに地図上で自分たちがどこにいるのかは分か

っていない・・・)。どっから運んでくるのだろう。ユーラシア大陸の端で生活する人々の

生活力に脱帽する。戦後日本人を見たのが初めてだという人もいた。その現実を目の当たり

にすると、いかに日本とは縁のない、遠くの世界に来たことを実感する。実は私、ある一人

の漁師に気に入られてしまった。なぜか必要以上に話しかけてくる。言葉は分からないが、

一生懸命にほめてくれているのが分かる。一体何を気に入ったのだろう。もしかして私はロ

シア人のお姉系に気に入られるタイプなのだろうか。しかしその大男を見るとお姉系とはほ

ど遠い。仕草をよく観察してみると何となく言っていることが分かってきた。私がかぶって

いる帽子がえらく気に入ったらしく、その帽子をなにかと交換してくれないかと言うことな

のだ。いやいや、この帽子はあげられない。私にとってもお気に入りの帽子なのである。
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私を気に入ったらしい大男。とにかく迫られた。こいつは○モなんじゃないかと思ったくらいだ。
私がかぶっているこの帽子がほしいのだと理解するまで・・・長かった〜。


 ちなみにこの帽子、オーストラリアから直輸入。すべて本革でできている物だ。値段はそ

んなに高くなく1万円ほど。この帽子、実に機能的なのである。まずは完全防水。土砂降り

の中で釣りをしていても視界は良好で、頭は全くぬれない。フードをかぶる必要がない。

2つ目はダニ防止。サハリンには殺人ダニがいる。人間の呼吸を感知して木の上から降って

くる。そのときにこの帽子のつばが活躍する。上から降ってきても、つばの先から肩を通り

越して地面まで落ちてくれるのだ。ダニにかまれる人は頭に降ってきたダニが首筋までおり

てきてかまれるという。3つ目は紫外線防止。まぶしい日でも深くかぶると日光が遮られ、

視界は良好である。かっこつけのような帽子だが、実は機能的だから使っている。みなさん

も是非おためしあれ。
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これがその帽子。ヤフーオークションで買った物だ。売り手はオーストラリア在住の日本人。
空輸で送ってくれる。ちなみに私は頭がでかいらしく。一般成人のサイズでは入らなかった。
超特大の62cmを購入。兄が同じ帽子の色違いを初めに買ってくれたのでサイズを確認す
ることができた。そういえば高校の頃、選択体育で硬式野球を履修したとき、野球部のヘル
メットが全て入らなかったことを思い出した。まるでもとヤクルトのオマリーのようである(知って
ます?)。選択野球のあとはオマリーと呼ばれたのは言うまでもない(笑)
恐るべし俺の頭!


 なんだかんだ言って釣り予定日が終了し、道なき道をユジノサハリンスクまで戻る時間

がやってきた。漁師の男達と熱い別れをし、車に乗り込む。その車の中まであの大男が握

手を求めに入ってきた。いやいや本当に気に入られたらしい。ここからまた24時間だと

思うと気が遠くなったが、それも今ではたいしたことではなくなっていた。こんなに濃密

な時間を過ごせたのだから・・。
そして車は

ロシアの端の、誰も知らないちっぽけな漁師の村から走り出した。

 しかし・・・・ここからが本当のサバイバルが始まることを、漁師と元気に手を振って
お別れをしている私たちは誰一人知るよしもなかったのである


この旅最大の危険がこのあと私たちを待ち受ける。信じられないと思うが、ここからの話が

一番あり得ないことなのだ・・・。また次回をお楽しみに。



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ロシア・サハリン過酷な釣行記