眠りについて何時間が経ったのだろうか、2時には起きなくてはいけないというプレッシャーの中、眠りに入っているかの境で眠っていたように思える。

ちなみに・・・今回の旅行はなぜだかツアーの人たちの中で、私が目覚まし役になっていた。まあ、普段から釣りに行くときに早起きしているのでこんな時間に起きるのはおやすいご用だが、他の人たちにとってとてもつらいらしく、起きたらモーニングコールが欲しいとお願いされていた。

2時起床。さすがに眠い・・・。冷たい空気に触れようと窓を開ける。

すると、昼間のエジプトではあり得ないひんやりした、そしてどことなく柔らかい空気が私を包み込んだ。

ライトアップされたホテルの庭園も、眠りについている夜の動物園の猛獣のように静かに私を出迎えてくれる。


夜のエジプトは昼のそれと全く違う様子を見せていた。

他のツアー客へモーニングコールをかける。
ロビーに行くと誰もいない空間に朝食の弁当がおかれていた。

改めてこんなすてきなホテルにもう少し滞在したいという欲望がわき上がってくる。

ホテルから船に乗って岸へ。そこから見えるナイルにたたずむホテルのライトアップが幻想的だ。

いつかまた来よう・・・。

ここからはまた、警察の護衛のもと数百キロ南下することになる。しかも何もない砂漠をノンストップで3時間走るのだ。

窓から砂漠を見る。もう慣れたと思っていたのだが、砂漠のど真ん中を走るのははじめてだ。

地平線が見える。

遠くに自然にできたと思われる砂の山々が見える。
ここには人の営みが感じられない。




だんだんと夜が明けてきた。

雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせる。
何もない地球の大地が光で照らされる。
この景色は5000年前から変わっていないのだろう。




荒涼とした大地が一気に命に満たされる。そんな感覚に包まれた。
今更であるが太陽の「光」という力には不思議な力を感じる。
古代エジプト人が太陽を神として崇めた理由が分かる気がする。

何もない大地をひたすら走っているのだが、変化のない景色が私を飽きさせることはなかった。
目に入ってくる物理的な景色だけではなく、そこに感じられるエジプトの空気、地球の空気が私を眠りに誘うことはなかった。




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いよいよアブシンベル神殿へ・・・