今日はここルクソールからアスワンに向かって南部の町を移動することになる。
前々から分かっていたことであるが、ここから南部の町を移動するにはちょいと面倒くさいことになるのだ。
観光客が集団殺害されたルクソール事件から、エジプトの中では危険だと言われている南部の街々を移動するには警察の護衛が必要となった。
ルクソールのある地点にバスが集まり、世界中から参加しているツアーのバスが連なって移動することになる。
バスの先頭と最後尾には武装した警察車両が重々しくついている。
なんとも不思議な光景だが、観光収入がほとんどのエジプトと政府にとっては観光客の安全を確保することが国を守ることに直結するのだろう。
少し危険な国に来ていることを実感させられる。
それもまた新鮮だ。
南部の町々を移動していると有名な観光地では見られない本当のエジプトの空気を感じることができる。
普通の観光客から見れば、観光地までの単なる移動にすぎないのだろうが、私は有名な観光地を見ること以上に、バスから見えるエジプトの田舎町の風景が私の心をとらえてはなさなかった。
「いったいどんな生活をしているのだろう・・・」
そんな素朴な質問をバスから降りてエジプシャンに聞いてみたかった。
そんなアフリカの歴史が詰まった普通の田園風景が、私の脳裏を何時間もかすめていった・・・。
まるで映画のスクリーンに映っているどこか遠い世界の映像のように・・・。
こんな感じで車両が連なっていくのである。その車の多さに驚いた。
護衛の警官。写真をお願いしたが断られてしまった。
途中で立ち寄った店のトイレ。あまりにも汚すぎてあきれるより笑ってしまった。
緑の中にエジプト人の生活が垣間見える。こんな風景が何時間も続く。
素朴なエジプトの少年。思わずファインダーをのぞく自分がいた。
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