伝蔵荘日誌

【伝蔵荘日誌】 2021年4月11日 コロナと専制独裁国中国の脅威 T.G

 1ヶ月以上伝蔵荘日誌を書いていない。こんなことは17年前に日誌を書き始めて以来初めてのことだ。GP生君は週に一度のペースで書いているのに、情けない。気力体力の衰えか、歳を取って世事に関心が湧かなくなったゆえか。いずれにしろ良いことではない。

 コロナが再び増えだして、第3波襲来と大騒ぎである。テレビニュースはこれ一色。馬鹿馬鹿しくて見る気もしない。速攻でチャンネルを回す。大阪に続いて東京も「まん延防止等重点措置」とやらの対象になるという。「蔓延」ではなく「まん延」とひらがなで書く。確かに漢字で蔓延と書いてみろと言われたら当方も書けない。ATOKがないと日誌にも書けない。役所はATOKを使っていないのか。そう言えば厚労省では書類作成に一太郎は使用禁止になったらしい。だから「蔓延」と書けないので「まん延」か。

 以前仕事で通産省に出入りしていたことがある。今の経産省である。当時付き合っていた役人に、「T.G.さんね、法律に「何々等」と書く場合、その等が何と何を指すのか問われて、リンゴ、ミカン、バナナのことだと具体的に示せなければならない。そうでないと「等」の一字を入れておけば、後付けで何でも出来てしまうからだ。」と教えられた。厚労省の役人に聞いてみたい。「まん延防止等」と書かれているが、重点措置の対象は「まん延防止」以外に何と何があるのかと。おそらく誰も答えられない。気分でテキトーに書いただけだから。こんないい加減な法律はない。今までの「緊急事態宣言」ではなにが駄目なのか。国民が言うこと聞かないから、名前を変えて脅すつもりか。これではいつまで経ってもコロナはなくならない。国民はコロナを怖がっていないのだ。

 そもそもこの程度の感染者数で、国をあげてあたふたするのがおかしい。日本のコロナ感染者数は欧米の100分の1以下である。死者も断然少ない。そうなる理由は分からないが、桁違いに患者や死者が少ないのは確かなことだ。ブラジルでは1日の死者数が4000人を超えるというが、日本ではせいぜい多くて20人程度。普通の風邪と変わらない。ブラジルや欧米のコロナとはまったく別の病気と言っていい。日本でコロナワクチンが作れないのは、感染者が少なすぎて第2/3相臨床試験が出来ないからだという。その程度の伝染病で右往左往するのは間違っている。コロナ発症以来1年半経ったが、日本国内の感染者は全人口のわずか0.2%しかいない。死者はその数十分の1。その程度の伝染病にワクチンなど不要という説すらある。

 テレビを見ていると、どうやら重点措置の対象は、レストラン、食堂、居酒屋、ラーメン店を締め上げることらしい。それ以外は不要不急の外出はやめようという精神論しか書かれていない。これでは戦前の「欲しがりません、勝つまでは」と変わらない。こんな朝日新聞の出来の悪い見出しのようなものが法律とは呆れる。そもそも感染拡大の原因が飲食店での飲み食いにあるという証拠があるのか。あるなら示してみろ。ありもしないの原因で重点措置の対象にされたら、された方はたまったものではない。こんな小商人イジメの悪法はさっさと引っ込めるべきだ。

 来週菅総理が渡米し、ホワイトハウスでバイデンと首脳会談をするという。こちらの方がコロナよりよほど大問題である。流れによっては日本の将来を左右する重大問題だ。なのに政府もマスコミもまったく関心を示さず、ノーアイデア。日がな一日コロナ騒ぎで明け暮れている。どうなることかと背筋が寒くなる。コロナなんてチマチマした話は下に任せておいて、日本のリーダー、首相たるもの、日本の将来に関わるこちらの重大事に全力投球すべきだろう。そこんところが我らが庶民宰相ガースーやマスコミにはいまいち分かっていない。外交安保に知見、関心がないからだ。

 菅ーバイデン会談のテーマはいろいろあろうが、今の時期、主題は対中政策である。それ以外に気候問題も出るだろうが、どうでもいい話。CO2大好きの認知症バイデンに適当に話を合わせておけばいい。対中戦略はそうはいかない。どうやらバイデンも、と言うかアメリカも、巨大化して増長した習近平中国に腹を固めたようで、従来の戦略的忍耐から第一列島線に中距離ミサイルを並べて、習近平中国を封じ込める戦略に舵を切ったようだ。遅きに失した感はあるが、やらないよりはいい。それに日本が付き合わされる。と言うか付き合うしか道がない。日本単独で強大化した習近平中国とは渡り合えない。今のまま中国サプライチェーンの甘い汁を吸わされていると、やがて絡め取られて手も足も出なくなる。我らがガースーはそういう中国の地政学的脅威をいまいち分かっていない。分かっていればコロナなど下に任せて放っておくだろう。パンダフリークの二階を幹事長にしておかないだろう。和歌山の動物園にはパンダが八匹もいる。

 付き合い方にもいろいろあろうが、今度ばかりは金では方がつかない。アメリカも防衛費負担で金だけもらって、習近平押さえ込みの荒仕事を自分達だけでやる気はない。日本にも片棒担がせる。新戦略に沿った敵地攻撃用(北京、上海、広州のことね)の中距離ミサイルを日本も配備しろと迫ってくるに違いない。それに対して菅はなんと応えるつもりか。敵地攻撃なんてとんでもない。9条命の日本には出来ない。勘弁してくれとでも言うのだろうか。そんなアホなことを言ったら、いくら認知症のバイデンだって怒る。それくらいアメリカにとって中国の脅威は差し迫っている。もうアメリカは単独でお化けのような金満中国に対抗する力はなくなっているのだ。

 それにしてもアメリカ人は愚かだね。分不相応の金を中国に持たせたら、良からぬことに使うのは分かりきっている。自分たちの不作為で中国を巨大化させておいて、今さら何を言うのか。オバマは戦略的忍耐なんてアホを言って、増長する中国を8年間ほったらかしにした。南沙諸島を埋め立てて軍事基地化するのを見て見ぬふりした。アップルはスマホを中国に作らせて大儲けしたが、下請けの中国はそれ以上に儲けた。今ではGDPがアメリカの4分の3に達している。間もなく追い抜くだろう。日本が逆立ちしても及ばない成金国家である。その金で独裁者習近平は人民解放軍の戦力を大幅増強し、アメリカご自慢の空母打撃軍を無力化した。今習近平がかねて念願の台湾侵攻を実行に移せば、アメリカは手も足も出ない。遅まきながらその反省から生まれたのが第一列島線へのミサイル配備戦略である。その片棒を日本も担げと言う。そうしないと日本は韓国みたいに中国の属国になるぞと脅す。さもありなん。

 幼かった孫達が大きくなって、この春それぞれが中学、高校に進学した。目出度い春だが、唯一巨大中国の脅威だけが気がかりだ。中国の脅威は老い先短い我々にとっては先の話だが、孫達にとってはそうではない。彼らが大人になったとき、独裁国中国に絡め取られた日本を想像すると背筋が寒くなる。まさに悪夢だ。コロナはいずれ沈静化するが、中国の脅威はそうではない。自ら撃って出ないと排除出来ない。習近平中国は第二次大戦前のヒトラードイツに似ている。あのときの日本はアメリカと袂を分かち、強大化するドイツに付く過ちを犯した。その結果、国を滅ぼした。今の時代、菅がアメリカの要請を疎んじて中国にすり寄るようなことがあれば、再び国を傾けるだろう。仮に菅がそういう馬鹿をやりそうなら、次の選挙で落とした方が孫達のため、ひいては日本のためになる。

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