伝蔵荘日誌

【伝蔵荘日誌】2020年6月29日: 最後のパソコン自作 T.G.

 コロナ対策の10万円の給付金が拙宅にも届いた。夫婦合わせて20万円。家人は古くなった洗濯機を買い換えると張り切っている。小生何に使おうかと考えたが、パソコンが古くなったので、新しいのを作ることにした。10年前に初めて作ったパソコンは最近トラブル続きで今にも壊れそう。10年経つといろいろな部品が劣化してあちこち不具合が出てくる。そろそろ寿命である。面倒なので既製品を買おうと思っていたが、せっかく給付金がもらえたのだから、年寄りの暇つぶしと老化防止を兼ねて、もう一度作ってみようと思い立った。

 なにせ10年ぶりのことだから最近の進歩したパソコン事情に疎くなっている。早速ネットであれこれ調べる。専門的な内容が多いので、大いに頭の体操になる。パソコンの最重要部品はCPUである。まずこれを選ぶ必要がある。「インテル入ってる」で有名なインテル製と対抗メーカーのAMD製の2種類がある。かってはインテルがほとんどだったが、最近はAMDが市場占有率の過半を占めているらしい。理由は性能とコスパだと言う。世の中変わったものだ。これが最後の自作になるだろうから、今回は未経験のAMDを使うことにした。もう一つの重要部品のマザーボード(MB)はそれに規格を合わせたものを選んだ。その他諸々で次のような部品構成になった。

  • CPU: AMD Ryzen3 3200G、
  • MB: Gigabyte B450 AORUS ELITE
  • M2.SSD: WD Black SN750, NVMe SSD(250GB)
  • メモリ: Corseir DDR4-2666、4GB×2
  • 電源: Seasonic Focus 550FM Gold
  • OS: DSP版Windows10
  • ケース: Sharkoon VS7


  •  消費税込みでしめて72,666円の買い物である。給付金でお釣りが来た。これで最新鋭のデスクトップパソコンが作れるなら安いものだ。

     部品を買いそろえて早速組み立てに取りかかる。朝食を済ませていざ作業開始。10年前の経験でおおよそのやり方はわかっているが、細かな点は忘れているので部品の説明書やマニュアルを見ながら慎重に作業を進める。小さなネジや数ミリの配線ソケットなど、手先を使う細かい作業が多い。組み立て配線を一つでも間違うとパソコンは動かない。大いに緊張して集中力と神経を使う。ついつい夢中になって昼食を摂るのも忘れていた。おかげで1週間ぐらいかけて楽しみながらやろうと思っていた組み立て作業が、夕食前に終わってしまった。まさに大奮闘、疲労困憊。こんな経験は久しぶりだが、80歳の気力、集中力としては褒められていい。

     日頃の夕食は買い物から料理まで小生の担当だが、今日ばかりは家人がやってくれた。それを一杯やりながら食べ終えれば、疲れが飛んでその晩はぐっすり寝られるのに、組み立てたパソコンが気になって仕方がない。そそくさと食事を済ませ、しらふで最終フェーズのWindowsのインストールに取りかかる。年寄りは気が短い。今の古いパソコンでは1時間近くかかっていたインストール作業が。あっという間に終わってしまった。10年経ってパソコンの部品が進化し、パソコンが高性能になったのだ。

     翌日朝食を済ませて、新パソコンの設定と旧パソコンからのデータやアプリの移行作業に取りかかる。これを済ませないとパソコンは使えない。メールも伝蔵荘HPの更新管理も出来ない。あれやこれやで1日がかりで作業を終わらせ、友人たちにパソコン完成の報告メールを送る。羽鳥湖の仙人からは「末期高齢者にしては素晴らしい暇つぶしです!」とお褒めの言葉をいただいた。次いで、伝蔵荘日誌に「最後のパソコン自作」の一文を書いてアップロードした。年金生活者の給付金の使い道と、羽鳥湖の仙人が言うところの「末期高齢者」の奮闘ぶりをとくとご覧あれ。

    目次に戻る