伝蔵荘日誌

【伝蔵荘日誌】2019年7月10日: Windows10のインストール T.G.

 3年前にWindows7からWindows10にアップグレードした自作パソコンに、細かいトラブルが頻発するようになった。あちこちいじってみたがどうにも収まらない。Windows10では滅多に起きないブルースクリーンがたびたび起きる。以前は死のブルースクリーン(Blue Screen Of Death)と言われていたものだが、Windows10では死ぬことはなく再起動される。Windowsも進歩したものだ。

 感心してばかりはおれないので、Windows10をクリーンインストールすることにした。3年前にアップグレードしたWindows10は、Windows7時代からのゴミが山ほど溜まっている。それをきれいさっぱり一掃しようというのが狙いである。早速マイクロソフトのサイトからインストールメディアをダウンロードした。以前にはなかったマイクロソフトのサービスで、家にいながらWindowsのインストールDVDが手に入る。これもWindowsの進歩の一つである。

 それを使ってさっそくWindowsのインストール作業に取りかかる。10年前にWindows7をインストールして以来、二度目の経験である。あれやこれやで2時間ぐらいかかった。インストールの手順も10年前とは違いすっきりしている。気になっていたのはデバイスドライバである。パソコンのマザーボードにはいろいろなデバイスの制御チップが搭載されている。それぞれにチップメーカーのドライバが用意されている。パソコンごとに違い、Windowsのカバー範囲外だから、今までであればインストール後にそれを入れないとHDDやLanなどのマザボ特有の機能が正常に動作しない。

 インストールが終わってパソコンを立ち上げてみる。何の問題もなく起動される。早速デバイスマネージャを開いてデバイスドライバを確かめてみる。ほとんどすべてのデバイスにWindows標準ドライバが割り当てられている。最も心配したインテルのHDDコントローラドライバもWindows標準になっている。それでちゃんと動作するかどうかだが、早速HDDにとってヘビーな処理の一つであるWindowsの更新をやってみる。問題なく更新が出来たので、ドライバも大丈夫なのだろう。ひとまず目出度しである。標準ドライバだけでパソコンが動く。Windows7時代はこうはいかなかった。Windowsのもう一つの進歩である。

 Windowsのインストールは簡単だったが、手こずったのは今まで使っていたアプリやデータの復元である。クリーンインストールだからそういうものは全部消えてなくなっている。それを復活させないとパソコンが使えない。パソコンの作業の99.9%はアプリでやる。メールもBeckyという市販アプリを使っているので、それを復活させないとメールのやりとりも出来ない。ブラウザもWindows標準のEdgeではなく、サードパーティのFirefoxを使っていたので、それがないとネットブラウジングも出来ない。URLは「お気に入り」ではなく「ブックマーク」に入れてあるからだ。

 まず最初にやったのは日本語変換アプリ、ATOKのインストールである。長年ATOKを使ってきたので、今ではIMEの使い勝手の悪さには耐えられない。ATOKがなければどうにもならない。前にGP生君からもらっていたATOKをインストールする。なぜかうまく行かない。どうやらインストール数の制限があるようで、前のインストールを消さないと有効にならないらしい。やむなく古いATOKを入れる。これは本数制限はないらしい。使ってみたが、ユーザ登録辞書が消えているので日本語変換がギクシャクする。前のシステムの中を探し回ってユーザ辞書を見つけ、それを新ATOKに合併させてみる。なんとかうまくは行ったが、これで丸半日つぶれた。

 10年使い込んだパソコンにはアプリが山のように入っている。中にはどうでもいいものもあるが、そうではないものも沢山ある。ATOK一つで半日かかるのだから、今までと同じ実用レベルに戻すのは容易でない。今日で1週間目だが、なんとか伝蔵荘HPの更新が出来るようになったのでこれを書いている。HP更新にはエディタとHPサーバ更新用のFTPアプリがいる。WinSCPと言うフリーソフトを使っているが、そのインストールと設定に半日近くかかった。以前やった設定の仕方を忘れていて、手違いばかりしていたからだ。事ほど左様に復元は大変な作業である。毎日が日曜日の年金生活者だからいいが、仕事を持っていたらとても出来ない。老人にとっていい暇つぶしではある。

 一つ進歩したのはセキュリティである。これまではESETという市販セキュリティソフトを使ってきた。前のシステムが残っているので買い直さなければならないが、面倒なのでWindows10標準のWindowsセキュリティを使うことにした。設定で機能を有効化するだけなのですこぶる簡単である。これがなかなか使い勝手がいい。世評では市販ソフトと性能は変わらないという。肝心のAntivirusのウイルス定義テーブルも毎日更新される。以前のDefenderはそうではなかった。だから使い物にならなかった。一般的なセキュリティ対策はこれで足りるだろう。セキュリティソフト会社にとっては脅威に違いない。

 結果として、今回のインストール作業の動機になったブルースクリーンも全く起きなくなった。パソコンも軽く動くようになった。ブルースクリーンはパソコンの故障を疑っていたが、そうではないことがわかった。Windowsにたまったゴミが悪さしていたのだ。パソコンを作り直そうかと思っていたが、もうしばらくはその必要がなさそうだ。

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