伝蔵荘日誌
             【伝蔵荘日誌】

2016年6月7日: Windows10にアップグレード T.G.

 1年間の無償期間が終わりに近づいて、やっとWindows10にアップグレードした。なかなか使いやすい。操作性も今までのWindows7とあまり違わず違和感がない。細かい操作はむしろWin7を上回っている。さすがにマイクロソフトが“最後のWindows”と言うだけのことはある。こんなことならもっと早くやっておけばよかった。

 Windows10は昨年7月に販売が開始された。マイクロソフトは従来のWindows7と8のユーザーを対象に、ネット経由で1年間無償提供することを決めた。既に全世界で1億人以上がアップグレードを済ませたという。Windowsは市販価格が2万円近くする高額ソフトである。単純計算するとマイクロソフトにとって2兆円を越える機会損失である。いくら企業戦略とは言え、マイクロソフトも太っ腹なことをするものだ。その無償期限が来月に迫っている。身の回りではパソコンの先生のSa君はすでにやっているし、パソコン初心者のGP生君すらとっくに済ませている。やっていなかったのは小生ぐらいである

 1995年のWindows95発売以来、マイクロソフトは数年おきに新バージョンのWindowsを発売してきたが、今回のWindows10が最後で、今後新しいWindowsは発売しないという。スマホなどに押されて、パソコン用OSの市場性が低下し、今までのようなドル箱商品ではなくなったのだ。すでにグーグルがスマホ用OS、アンドロイドを無償提供していて、マイクロソフトも市場戦略を変更せざるを得なくなったのだろう。おそらく今後はWindowsを主たる収益源とするのではなく、アップルやグーグルがやっているように、付随するサービスや関連商品の販売に重点を移すつもりなのだ。

 当方がアップグレードする現用パソコンは、6年前に自作したWindows7の古いシステムである。最新のWindows10に載せ替えると、コンピュータにつきものの上位互換性の問題でいろいろな不具合が起きて、まともに動かない恐れがある。ネットで調べると、古いWindows7機やメーカー製のパソコンの場合、互換性の問題でアップグレードがうまく行かず、失敗するケースが多いらしい。問題になるのはもっぱらアプリとデバイスドライバーである。アプリは使わなければいいが、ドライバはそうはいかない。パソコンに組み込まれたいろいろな装置を動かすプログラムの一種で、Windowsと一体になって動作する。古いものだとWindows10とインタフェースが合わず、動かない。事前にWindows10対応のアプリとドライバを一通り入手して、アップグレードに臨んだ。こういうことが出来るのも自作のメリットである。メーカー製パソコンだと自力でドライバ調達が出来ない。メーカーが対処してくれなければお手上げである。

 アップグレードのやり方はいろいろある。最も一般的なのは、マイクロソフトがパソコンのデスクトップ画面にしつこく表示する「アップグレード催促ウインドウ」を使う方法である。まずはこの正攻法でやってみた。いつまでたっても「ダウンロードを開始しました」と言うメッセージが出たままで、一向にダウンロードが始まらない。気長に8時間待ったが、業を煮やしてやめてしまった。気を取り直してためしにコントロールパネルのWindows Updateを開いてみると、ここでアップグレードが出来るという。それに従ったら即時にダウンロードが始まり、2時間弱であっけなくアップグレードが完了した。あの8時間は何だったのか。マイクロソフトも紛らわしいことをするものだ。これでは嫌気がさしてアップグレードをやめてしまう人も多いだろうに。

 さっそく使ってみる。サクサク動いてとても使い心地がよい。デスクトップデザインも洒落ている。操作法もWindows7とそれほど違わず、違和感がない。むしろWindows10の方が洗練されていて使いやすい。懸念していたアプリとドライバの互換性の問題も起きず、すべて正常に動いている。念のため事前にWindows10対応のドライバをデバイスメーカーのサイトから入手しておいたが、インストールする必要がない。Windows10は完成度が高く、Windowsが標準で用意するドライバで用が足りるらしい。

 Windows7は4年後の2020年にサービスが終了する。Windows10はマイクロソフトが最後のWindowsと言うくらいだからサービス終了がない。永久に使える。パソコンのハードウエアの方が劣化して先に逝くだろう。もしかしたら使っているユーザ自身の方がもたないか。

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