伝蔵荘日誌
             【伝蔵荘日誌】

2015年5月13日: 台風一過、今朝の新聞を読む。 T.G.

 5月というのに台風一過の晴天である。今日の最高気温は30度を超えるらしい。パソコンを立ち上げて今日の新聞を読む。新聞はもっぱらネットで読む。紙の新聞も取っているが、テレビの番組欄以外ほとんど読まない。偏っている上に情報量が少ないからである。

 ネットで読むのは主に朝日、読売、日経、産経の4紙と、いくつかのネット新聞と2チャンネルである。巷間悪名高い2チャンネルは、大新聞以上に情報量が多い。理由は2チャンネルの構成にある。2チャンネルは国内外のあらゆるジャンルの新聞雑誌の記事をベースにして、読者が好き勝手な書き込みをする。元記事はいじらずそのまま掲載するので客観公平だし、大手御用新聞と違って、世の中一般大衆の関心がどこにあるか歴然である。下らぬ書き込みも多いが(99%がそれ)、切り口が鋭く、参考になる情報も多い。

 まずは朝日新聞。直木賞作家辻村深月氏の小説を元にNHKがドラマ化したら、あまりにも原作と違うので、作者と出版社が許諾契約を解除した。その結果、番組制作中止を余儀なくされたNHKが、6千万円の損害賠償を求めて東京地裁に訴えていた裁判で、NHKが敗訴したというニュースである。最近のNHKにはこういうみっともない話が多い。吉田松陰の妹をヒロインに仕立てた大河ドラマ「花燃ゆ」もひどい。明治維新はたった150年前の歴史である。詳細な文献や記録も残っている。にもかかわらず話を勝手に改竄する。改竄がドラマの脚本程度ならまだご愛敬として、先日のクローズアップ現代のやらせはさらにひどい。社会問題を題材に、役者にシナリオ通りの演技をさせて視聴者を欺いた。NHKは事実上の国営放送である。黙っていても年間6千億円の収入が転がり込んでくる。それを湯水のごとく使って低俗なドラマやインチキドキュメンタリーを放映する。安部ならずとも、どうにかならぬものかと思う。

 ついで読売新聞の「国会軽視でない…米演説への民主批判に首相反論」記事である。先日の米国議会演説で、安部首相が安全保障関連法案を「この夏までに成就させる」と言ったことに対し、12日の衆院本会議で民主党が「法案成立時期を外国で約束するなど、前代未聞で国会軽視だ」と追求した。それに対し首相が「昨年来、記者会見や国会答弁の中で、安保法制の今国会の成立を図るとの私の決意を繰り返し申し上げている。12月の衆院選でも公約に掲げている。国会軽視ではない」とあっさり反論した。要するに政府与党は、法案成立に万全の自信があると言うことである。民主党も追求するなら中身であって、アメリが議会演説の是非ではない。先日も与党が今国会で成立を図る労働者派遣法改正案について、岡田代表が連合主催の集会で、「連合などと連携して廃案に追い込みたい」と一席ぶった。院外活動で法案を潰すとは、議会制民主主義の否定である。政党にとってあるまじき自殺行為である。陣笠ならまだしも、党の代表がこれでは、政権交代など夢のまた夢。民主党はいつ大人になるのだろう。

 続いて2チャンネルが引用した朝鮮日報のコラムである。ニュース本部のキム・ギフン氏が 「習近平は約束を守れ」と書いたAIIB批判記事である。言い分を要約すると、「AIIBは、戦後米国がIMFと世界銀行創設で「ドル体制」を確立したブレトンウッ体制の中国版で、「人民元体制」に取って変えるための第一歩だ。本部を北京に置き、初代総裁に金立群臨時事務局長が内定し、運営スタッフも中国人だという。 AIIBの進行状況を見ると、中国の重点は責任よりも壟断に近い。習主席は自身の約束を履行しなければならない。 」と注文をつけている。日米を尻目に習近平にすり寄ったはいいが、どうやら食い物にされそうだと言う泣き言である。さっそく2チャンネルの住人達から、鋭い突っ込みを受けている。「全部わかってて中国に擦り寄ったんじゃないの? 」、「冷や汗がようやく出てきたのか 」、「何が約束?最初からそう言ってたし、だから日米は信用出来ずに参加しなかったってのに 」、「銀行員の制止を振り切って振り込みしたのに文句言ってる老人みたいだ」。だから2チャンネルは面白い。

 さらに続いてライブドアニュースである。ホリエモンが残したネット新聞である。題して「事実と異なる内容がネット上で流されている。緊急車両スペースに停車し逆ギレ疑惑の共産党区議がブログで説明」とある。問題の発端は西新井駅でけが人が出た。救急車が駆けつけたら、緊急車両スペースに共産党の街頭車が停まり前に進めず、抗議をしたら「いつも、ここに停めているんだ!」と共産党員から逆切れされたと言う事件である。この話がネットで炎上し、まずいと思った共産党がブログで弁解した。つべこべ言っているが、本来は停車してはいけない駅前の緊急車両スペースを、日常的に街宣車で占領していたのだ。それをほおかぶりして自分らは悪くないと屁理屈を言う。弁解になっていない。自分勝手の強弁はこの政党の体質なのだろう。

 さらに続いてJBPressである。このネット新聞は海外の論調を紹介するなど、グローバルな編集になっていて、ローカルな日本の新聞とはひと味違う。面白いので毎日目を通す。今日目にとまったのは「歴史学者187人の声明は反日勢力の「白旗」だった。」と題する、在ワシントンのアメリカウォッチャー古森義久氏の記事である。「歴史学者187人の声明」は主として米国の歴史学者が連名で出した声明で、安部総理の右傾化を非難し、来る70年談話で前の戦争を世界に謝れという勧告である。さっそく安部嫌いの朝日やNHK、中韓の反日マスコミが飛びついて、鬼の首でも取ったように持て囃した。それに対する反論である。

 古森氏は「要するに(外国の学者による)日本の首相への指図なのである。日本の首相は日本国民により民主的に選ばれているから、この指図は日本国民への高圧的な説教だ。日本をまるで彼らの精神的な植民地のように扱っているかにも見えてくる。」とばっさり切り捨てる。その上で、彼らが執拗に問題視していた従軍慰安婦について、論調が大いに後退したと指摘する。かっての主張、「日本軍は組織的に20万人もの女性を強制連行して性的奴隷にした」から、「日本軍が直接関与していた度合いについて、異論を唱える方もいる。」と認め、さらに「『慰安婦』の正確な数について、歴史家の意見は分かれている。恐らく永久に正確な数字が確定されることはないだろう。」と大幅に後退した。長年の「日本軍の組織的な20万人強制連行」という断定が消えてしまったのだ。

 それにしても英米の歴史学者はいい加減な人種である。根拠のない中国韓国のプロパガンダを真に受け、史実を調べもせず日本非難を繰り返し、こともあろうに日本の首相にあれこれ指図する。何様と思っているのか。日本の歴史学者が連名で、アメリカのベトナム戦争、イギリスの植民地支配の悪行をネタに、オバマやキャメロンにあれこれ注文をつけることを想像すれば、その異様さがよく分かる。彼ら白人は黄色人種を猿だとでも思っているのだろうか。中韓はさておき、有り難がって彼らの提灯持ちをした朝日、毎日、NHKとリベラル知識人達は大いに恥じるべきだ。

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