【伝蔵荘日誌】

2013年4月26日: 庭の畑に野菜を植える T.G.

 天気がよいので、近くの園芸店に行ってトマトとキュウリと茄子の苗を買う。 庭の隅の畑は、一昨日同じ園芸店で鶏糞入りの堆肥を一袋買い、それと一緒に肥料を撒いて耕してある。 カーポートの奥の一坪半ぐらいの猫の額である。 さっそく植え付ける。 もう何年も続けているが、毎年問題が出て、上手く行った例しがない。 最初のうちは欲をかいて何本もの苗を密植した。 素人の浅はかさである。 夏になって大き育つと、まるでジャングル状態。 苗同志の壮絶な生存競争で共倒れになり、ろくな実が成らない。 懲りたので翌年から苗を2本ずつににしている。

 それでもなかなか上手く行かないので、家庭菜園をやっているSA君にメールで教えを請うことにした。 彼は小型耕耘機まで持って、百坪ぐらいの畑でいろいろな作物を作っている本格派である。 さっそく返ってきた注意書きは次のようである。

キウリ: 下から3段目までの葉から出た脇芽は摘み取る。 それ以降は自由。 最初の雌花(小さなキウリがついている)は摘み取る。 ネットを張り、絡めてやって下さい。
トマト: 脇芽は全て摘み取り、1本仕立てとする。 支柱を1本。2,30cmごとに縛ってやって下さい。 次第に茎が太くなりますから、少し余裕を持って縛ること。
ナス: 最初の花の下2本の脇芽と花の上に伸びた主茎で3本仕立てとする。 夫々の枝を支柱で斜めに支えてやって下さい。 やらないと、実の重さで枝が折れます。

 肥料は沢山やりましたか? 二週間ごとに一掴みの化成肥料を根元から20cm、30cm、40cmと同心円状に撒いて軽く耕してやって下さい(追肥と言います)。 根はどんどん外側に張っていきますので。

 これで一安心である。 この先彼の言いつけをさぼらずに守れば、今夏の収穫は大丈夫だろう。

 猫の額の先に写真のような蕗畑がある。 別に畑にしたわけではないが、何年か前に人からもらった苗を数本縫えたら、地下茎が蔓延って畑のようになった。 春先はフキノトウがたくさん出る。 老夫婦二人では食べきれないほどである。 フキ味噌にして人にもあげたりする。

 放っておくと庭中蕗畑状態になってしまうので、今は間引いて庭の隅だけにとどめている。 それでも足の踏み場もないほど茂る。 4〜5月の今頃はいろいろな蕗料理が楽しめる。 八百屋で売られているものより茎が細いが、香りと食感ははるかにいい。

 
 畑作業が終わった後、蕗を収穫する。 収穫と言っても、太そうなのを鋏で3〜40本切るだけのことである。 それでも畑のほんの少しだけで、依然として蕗のジャングル状態は変わらない。つまり食べきれないと言うことだ。 八百屋に出荷でもしようか。

 採った蕗は米のとぎ汁で5分ほど茹でてあくを取り、茎の外側の皮をむく。 この下準備が多少面倒である。 剥かずにそのままでもいいが、筋っぽくて食感が良くない。 写真はその面倒な作業が終わった状態である。 後はダシと味醂、砂糖、酒、醤油で軽く煮付ける。 蕗の香りを楽しむために、よけいなものは入れない方がいい。 ほんのり春の香りがして、日本酒に合う。 今晩はこれと冷や奴で一杯やるとするか。 今から夕飯が楽しみだ。
 

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